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白髪の旅ガラス

並みのタコ焼きじゃない

 いつもなら売り切れている時間帯であった。それでも、万が一もあるから聞いて見る。
「ありますぅ」
 やはり、語尾には頼り無さが残った。

「八個なら」
「・・・頼みますぅ」
 今の語尾は、嬉しさの余りである。

 仲間の一人が熱いタコ焼きを口に入れた。中から、旨味汁がゆっくり流れ出す。逃げ場のない舌が驚いた。慌てて、冷えた麦酒を流し込む。漸く落ち着いたところで、店の主人に訊いた。

「この軟らかさ、淡い味は初めてです。何か秘訣があるのでしょうね」
「出汁撒き卵と同じ要領ですぅ」
 企業秘密を簡単に教えてくれる。余程、腕に自信があるに違いない。

梅雨明けの 猛暑の顔が 天に見え
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by tabigarasu-iso | 2011-06-24 18:15 | 随筆 | Comments(0)