2011年 06月 21日
カクレミノ
或る組織の門を入って直ぐ右手の植え込みは、雨を受けて葉を輝かせている。その根本のほうには、「カクレミノ」の掲示がしてあった。
それは、小学校の低学年を過ごした分校で、雨が降り続け校庭で遊べない子供達を集め、先生が聞かせてくれた当時を想い出させる。
「あの植物の名前、知っていますか」
昔の想い出に浸りたくて、用も無いに聞いてみたが、相手は気にも留めていない。
「カクレミノと言うものですよ」
そうですかと言われて話は終わり、昔話は隠れ蓑の内側に消えた。
雲退いて 滴り落ちる 陽の光