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白髪の旅ガラス

カッコウに審査されるカラス

 甲府駅よりタクシーで20分余り、静かな住宅街に審査先はありました。一年振りの審査になりますから、専門のコンサルでは厚顔な旅ガラスであっても、一期一会の審査では、流石に緊張感は隠せません。

 審査の冒頭、その心境を正直に伝えました。
「恥ずかしながら、この歳になりましても、緊張して居りますので、皆さんはリラックスして頂いて結構です。それに、皆さんは大勢ですから、一人のこちらは敵いません」

 緊張した面々の明るくなるのが判ります。相手の肩の力が抜けたところで、前回の審査で残した宿題について、確認を始めたところ。開け放った窓から、カッコウの鳴き声が飛び込んで来ました。

♪アッホウ♪アッホウ♪アッホウ♪
 何となく、審査内容を否定されているような気がして、声の方に顔を向けてみました。すると鳴き声が止み、質問を再開した途端に鳴き声も再開します。

 どうやら、意味のある質問に変えなさいとカッコウが暗示しているようですから、今回の審査で確認したい本題に移りました。すると、嘘のように鳴き声は止み、こちらの発言に聞き耳を立てているカッコウの姿が見えるようです。

 こうして、カッコウの立会いの下、耳の痛い質問を矢の如く飛ばし、今後の対応について大いに議論を交わす審査になりました。果たして、その成果は次の機会に確認できることでしょう。

カッコウに 審査立会い 頼む鳥
by tabigarasu-iso | 2011-06-16 12:18 | 小説 | Comments(0)