人気ブログランキング |

ブログトップ

白髪の旅ガラス

メダカの学校

 昨年、娘が金魚二匹では淋しかろうと買い求めた数匹のメダガだが、縦横一メートル以上あるものの、高さが二十センチメートル余りの水槽で、藻を掻い潜って元気に泳ぎまわっている。

「はて、こんなに沢山買ったとは聞いてないが」
「子供が増えたのよ」
「なるほど。金魚に食べられず、良く育ったものだ」
「金魚も魚の道をわきまえているのよ」
「なるほどな」

 何匹になったか数えてみよう。呼んでも藻の中から出で来る筈がないから、粉末の餌を水面に撒いた。直ぐに泳いで来たのは、明らかに太り過ぎの赤い金魚で、大きな口で餌を独り占めにして動かない。

 それでは、反対方向の水面に餌を撒いて様子を見る。小さな口を水面に突き出し、小さな餌を口に含むと満足気に泳ぎ去るメダカ、一匹、二匹、三匹、少なくとも十匹近い。購入時の三倍になったようである。

「元気なものだね」
「本当に」
 屈んでメダカを見守る二人は、還暦を迎える互いの齢を忘れて童心に戻った。

 明け方に カッコウ一声 鳴いたよな
d0052263_1123883.jpg

by tabigarasu-iso | 2011-05-22 11:03 | 小説 | Comments(0)