2011年 04月 09日
裸のままで
すると外から叱咤の声が聞こえます。
「すぐに出なさい。緊急事態です」
そう言われても、湯船に浸り裸のままでは、何ともしようがありません。
取り敢えず浴室のドアを開け、そこが潰れても抜け出せるようにしたところで、冷えた身体を湯に戻します。すると何とも心地良く、再び『なるようになれ』と。
徐に湯船から身体を上げて、タオルで滴る汗を拭きながら、家族の会話に耳を傾ければ。
「呆れたわね。未だ裸よ」
そうです。裸のままですから、女性達の前には出られません。
見えぬ場所 いつまで続く 余震かな