2011年 03月 24日
三度目の静寂
もとより人気の少ない住宅街は、ゴーストタウンになった。生憎の天気にカラスの鳴き声も聞こえない。
外が未だ明るいのに静寂が訪れるとは、この街に移り住み二十年余りになるが初めてのことである。
車で何処かへ出掛けて気分転換しても良いが、信号の働いていない通りを走る愚は犯したくない。
コタツに入れた湯たんぽを当てにして、電池駆動のパソコンを起こした。回路を冷やすファンの音がうるさいが、静か過ぎると集中できないから丁度良い。
そんな文面を入力している時であった。かなり大きな揺れが右に左に家を動かす。辺りは静まり返ったままである。
停電に伴う静寂に慣れ、その停電を引き起こした地震にも慣れた。しかしながら、大地には安定を取り戻して貰い、その上で人が生きる喧騒の渦に巻き込まれたいものである。
停電に 地震重なり 腹を決め