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白髪の旅ガラス

同窓会の誘い

 卒業した学校の同じ人の集まりを知らせる同窓会の通知が届きました。自分が生きている証のようで嬉しくもあり、また当時を想い出して懐かしくもあり、参加してみたい気持ちが湧いてきます。

 しかしながら、日時に問題はないものの場所がいけません。田舎の旅館で夕方七時からですから、上野駅を三時の汽車に乗る必要があります。その日は、急ぐ仕事もありませんから、休暇を取り紅葉狩りも兼ねて出掛けても良いのですが。

 懐かしい山並みの色鮮やかな紅葉は観たくても、誰に会いたいのか思い付きません。同級生や同学年の人の集まりなら、共通の話題で盛り上がることでしょう。けれど、同窓会に参加し二十年前の先輩に会ったところで、挨拶のしようがありません。

 それは事務局も承知の筈です。すると同窓会の目的は何でしょう。封筒には同窓会の案内、返信用葉書、それに同窓会の年会費の振込用紙が入っていましたから、この中の一つに違いありません。

 これが同級会の案内なら、何を差し置いても出掛けたいと思います。ところが、その案内は幾ら待っても届きません。
同窓会の誘い_d0052263_12304884.jpg



バッタがね 飛ぶ先違え 川原まで
by tabigarasu-iso | 2010-10-03 12:29 | 随筆 | Comments(0)