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白髪の旅ガラス

泣ける歌

 亡き夫から妻に宛てた手紙には、少しずつなら自分を忘れて良いよ、たまにはお洒落して町に出掛けなさい、そして素敵な人が現れたら優しくして貰いなさいと続く。

 切ない歌詞に想いを込めて歌い上げる女性の歌手は、今にも泣きそうで歌い終えるまで泣かなかったが、テレビを観る側は胸に迫るものがあり、知らずに大粒の涙が零れ落ちた。

 一方、老いた男が故郷の母に送る手紙には、この歳にして初めて判る母の苦労や思い遣り、出来る事なら会いに行きたいところだが、それが叶わぬ親不孝と続く。

 自分の母へのを想い浮かべて歌う男性の歌手は、歌い始めて間も無く涙を流し始め、泣くことを堪えながらも涙は止まらないから、テレビを観る側も遠慮なしに涙を流した。

 さかのぼって、こちらが宴会の二次会で歌う機会があり、盆の休みに帰れない親不孝を許して欲しいと歌い上げるところで気持ちが入り過ぎ、泣きながら歌ったことを想い出す。

 良く考えてみれば、これが泣ける歌の真価ではなかろうか。

泣ける歌_d0052263_742865.jpg


盆迎え 涙出やすい 齢知る
by tabigarasu-iso | 2010-08-09 07:42 | 随筆 | Comments(0)