2010年 07月 23日
里帰り
同じ様な変身として、水中生活のオタマジャクシが陸上生活も可能な蛙になることは誰もが承知だ。その変化は、蝉が十年近く掛けて変身するのに対して、たった数日であるから驚くほど早い。観る者の前で、尾ビレの近くに後足が現れ、それがなくなる頃には前足が出てくるから、飽きずに変身を確認できる。
それらをヒントに人が作り出した変身は、狼男、吸血鬼、ウルトラマン、仮面ライダーなど、何れも数秒の変化で何とも忙しい。観る者が厭きないようにする作り事だから仕方ないが、それより身近な自然で変身の早いオタマジャクシを観察させた方が感動して貰えるだろう。
だが、変身した後の蛙のことを忘れてはいけない。水中生活のオタマジャクシの世話は簡単だが、跳ね回る蛙の餌とその将来を考える必要がある。変身を身近で観察できた礼として、オタマジャクシの頃の場所に返して上げれば蛙の里帰りになる。その大切さは、人の子にも伝えたいものだ。
オタマがね 蛙になって 里帰り