2010年 07月 22日
裸足のコンサル
移動中の新幹線の床は大層綺麗に掃除されているから、コンサルは窮屈な靴から足を抜いて床に置いた。潔癖症の人には許せない行為であろうが、そんなことは構わない。潰された指先が元の姿に戻って感謝している。
それまで活動を停止する直前の脳が生き返り、考えるより先に指先を動かした。その結果が「裸足のコンサル」と言うタイトルである。このタイトルで何を言いたくて指先を動かしたのか、脳に聞いてみれば笑って答えた。
「何、夏になれば裸足のゲンを想い出すのさ」
考えるだけで行動する手足の無い脳の考えることは、いつでも突拍子もないことが多い。まともに脳を信じて行動しては、手や足が疲れるばかりだから、真意を確かめるまで行動に移るのは止めよう。
「ところで、夏と裸足のゲンのつながりは」
愚かにも、理論では負けたことのない脳に手足は尋ねてしまった。
「それはね。夏になると被爆した広島や長崎を想い出し、そこには漫画で描かれた裸足のゲンが登場する」
その漫画を知らない人には、脳の自由連想は判らないことであろう。
それに、裸足のゲンと裸足のコンサルの繫がりは不明のままである。その時、不満な手足を見て脳が言うには。
「真実を知るには裸足で歩くに限る」
手足には、その意味が少しだけ判ったようである。
暑い日に 熱い鍋焼き 選ぶ脳