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白髪の旅ガラス

裸足のコンサル

 家では裸足のコンサルも、仕事先では靴を脱いで歩き回ることはしない。出来ることなら、午前中は我慢しても、午後には体重を支え続けた踵から指先まで開放してあげたいものである。

 移動中の新幹線の床は大層綺麗に掃除されているから、コンサルは窮屈な靴から足を抜いて床に置いた。潔癖症の人には許せない行為であろうが、そんなことは構わない。潰された指先が元の姿に戻って感謝している。

 それまで活動を停止する直前の脳が生き返り、考えるより先に指先を動かした。その結果が「裸足のコンサル」と言うタイトルである。このタイトルで何を言いたくて指先を動かしたのか、脳に聞いてみれば笑って答えた。

「何、夏になれば裸足のゲンを想い出すのさ」
 考えるだけで行動する手足の無い脳の考えることは、いつでも突拍子もないことが多い。まともに脳を信じて行動しては、手や足が疲れるばかりだから、真意を確かめるまで行動に移るのは止めよう。

「ところで、夏と裸足のゲンのつながりは」
 愚かにも、理論では負けたことのない脳に手足は尋ねてしまった。
「それはね。夏になると被爆した広島や長崎を想い出し、そこには漫画で描かれた裸足のゲンが登場する」
 その漫画を知らない人には、脳の自由連想は判らないことであろう。

 それに、裸足のゲンと裸足のコンサルの繫がりは不明のままである。その時、不満な手足を見て脳が言うには。
「真実を知るには裸足で歩くに限る」
 手足には、その意味が少しだけ判ったようである。

裸足のコンサル_d0052263_1237694.jpg


暑い日に 熱い鍋焼き 選ぶ脳
by tabigarasu-iso | 2010-07-22 06:52 | コンサルサービス | Comments(0)