2010年 07月 14日
素敵な歩道
このままでは折角の人生が楽しめないから、コンサルの前後に多少の時間を割いて、名所を訪れる余裕を持ちたいもの。そんな想いを胸に秘めながら十数年、久し振りに夢を実現する機会に恵まれた。
新神戸駅から海に向かってなだらかに下る三キロメートル余りの坂の途中、昼飯に誘われて中華街を散策する。小雨の中、行き交う観光客より呼び込みの店員の数が勝り、執拗な勧誘に閉口しながらも、その店に入る観光気分を味わった。
通りから奥に数メートル入った狭い店内には、同じ手口で勧誘された先客が居る。連れの客人に勧められ、鱶ヒレラーメンを頼んだ。狭い厨房では、二人のコックが意味不明な母国語を話しながら器用に料理するから、味は期待出来そうである。
初めて口にした代物ながら、細い麺ばかりが目立ち、肝心の鱶ヒレが何処にあるのか判らない。そんな皮肉を言いながら店を出て、地震から復興した路地を歩けば、広い歩道の中央に狭い車道の人間優先を認め、熱いラーメンで吹き出た汗も消え去った。