2010年 07月 04日
久し振り
「久し振りです」
その方は振り向いて驚いた。
「はあ・・・」
こちらの短く刈り込んだ頭から顔に視線を移し、漸く誰だか判ってくれたようである。
「どうも、コンサルでしたか。失礼しました」
以前は髪も長く、白髪を黒く染めていたから無理はない。
顔見知りの方と食堂で会う。
「随分と頭を涼しくされましたね」
その方とは三ヶ月前に会っていたから、白髪に戻した自分を迷わず認識して貰えたようだ。けれど、少しも驚かないことに淋しさを感じる。
人の気持というものは、他人の言葉で大きく揺れもの。特に、久し振りの後には相手を傷つけない言葉が必要である。また、年輪を重ねた方には、久し振りは老いに繫がる言葉になるから、相変わらず元気とか活躍されているとか、未来に希望を持たせる言葉を補足するのが望ましい。
【コンサル川柳コーナー】
№74 久し振り 若いですねと 年下に