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白髪の旅ガラス

きさらぎの長雨

 きさらぎ(如月)も終り、やよい(弥生)を迎えようとしている。この時期に長々と降り続ける雨の記憶はない。いつもなら、咲いた梅の花を凍らす大雪が降り、受験生が試験時間に間に合わず、試験の開始を遅らせる報道が季語であった。

 草花は温度も上がり雨が降れば有り難い。土の中で出番を待っていた虫も這い出して来るだろう。きさらぎには珍しい長雨が、そのまま春の前座になれば、当地では何も心配することはないが、彼の地では困った事態が起こる。

 雪の多い地帯に雪が降らなければ、積雪の貯水機能が働かないから、雪解け水を当てにしていた農作業や飲料用の水不足が発生することだろう。昔から雪が降らなければ、それを当てにしない生活を営むことも出来るのだが。

 急激な気候の変化には着いて行けない動植物が多い。長雨の後で咲いた梅花に雪が積もれば、受粉は出来ずに花は落ち梅の実も生らないだろう。咲いた水仙の花を雪が被えば、地下の球根を残すことなく枯れ果てる。それに春だと早合点して土中から這い出した虫は、シベリアからの寒波に襲われ寒さで凍死するに違いない。
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季節にも らしさ欲しいと 梅の花
by tabigarasu-iso | 2010-02-28 11:05 | 随筆 | Comments(0)