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白髪の旅ガラス

限界削減費用

 二酸化炭素を1トン削減する費用のことを、限界削減費用と言うそうです。この費用、これから削減する際に発生する費用ですから、同じ量の二酸化炭素を減らそうとすれば、省エネの進んだ国とそうでない国では、前者は多大な設備投資を必要とし、後者は比較的簡単な改善で済むでしょう。

 これから日本が二酸化炭素を1トン削減する費用は、1071ドルだそうです。これに対し、米国は30ドル、欧州は50ドルだそうですから、桁違いの費用であることが分かるでしょう。日本が1990年比で25%の二酸化炭素を削減する約束を果たす費用は、一世帯あたり年間22万円から36万円とも言われますから、相当の経済負担をする覚悟が1人1人に必要です。

 その費用、将来の為に必要であれば捻出しなければなりません。しかしながら、大量に二酸化炭素を排出している国が同じ土俵に立たなければ、気候温暖化現象が治まることはなく、国際間の意見調整をするパフォーマンスを繰り返しながら、経済優先に走る間に取り返しがつかない局面を迎えることになります。

 そうならない為に、鳩山総理は自らの言葉である「公平かつ実効性のある国際枠組み」に関し、公平の基準を明らかにした上で、米国、中国、ロシアなどに提案しなければなりません。つまり、二酸化炭素削減のパーセントを言うだけでなく、日本の限界削減費用とトータルコストを説明し、他国においても二酸化炭素削減を生き延びるコストとして計上する必要性を主張する時でありましょう。

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子と親の 顔色違う 七五三
by tabigarasu-iso | 2009-11-16 20:06 | 随筆 | Comments(0)