2009年 09月 18日
どこか似ている
維持審査の立会い現場、顎に髭を蓄えた審査員は、審査の開始会議で吠えました。
「堅い話は抜きにして、楽しい審査にしましょう」
これから審査を受ける側は緊張していますから、審査員の明るい呼び掛けに誰一人反応しません。
審査員には、堅いイメージが付きものです。その審査員が、始終笑顔を崩さないで基準と現場が違いますと笑い声で言えば、気味が悪くて誰も近寄らないことでしょう。ですから、どのようにして楽しい審査にするのか、緊張した相手にも判るよう、具体的な説明をしなければいけません。
初回会議のボタン掛け違いが修復されないまま、一人審査員だけが楽しい審査は進みます。けれど、反応しない相手に痺れを切らしたのでしょう。審査員は、立会いのコンサルに意見を求めてきました。
「審査内容には触れませんが、審査を受ける方の気持が引かないようにお願いします」
「はあ?」
どうやら先方は、楽しさを独りよがりしていることに気付いていないようです。この場面、良く似た行動パターンを取る己を見ているようでもありました。
言うほどに 効果上がらぬ 講釈師