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白髪の旅ガラス

ヤモリの尻尾切れ

「あれ、別のヤモリかな」

「そうよ、身体が一回り小さいから」

 一昨日現れたヤモリは、先のヤモリから縄張りを引き継いだ別の個体のようです。


「縄張り争いで負けたのかな」

「きっとそうよ」

 それにしても、尻尾がやけに短く、途中で切れているように見えました。


「良く見れば、元のヤモリだ」

「うそ、本当だわ」

 移動途中、野良猫に襲われたのかも知れません。


「尻尾を切って逃げたようだな」

「それってトカゲでしょ」

「ヤモリもトカゲの仲間さ」

「そうでした」

 それにしても、難を乗り越え良く訪れてくれました。


 ヤモリにも 誰か重ねる 送り盆



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# by tabigarasu-iso | 2018-08-16 10:00 | 随筆 | Comments(0)

 1945年8月15日、昭和の天皇陛下は日本の終戦を国民に告げました。以来、日本では8月15日を終戦の日としていますが、机上のカレンダーには大安とだけあり、その記載がありません。


 山の日、海の日、緑の日と国民の休日が沢山あるのに、終戦の日が休日でないのは何故でしょう。自らの意思とは関係なく戦地に駆り出され無念の死を遂げた人の為、戦とは関係ないのに巻き込まれて死んだ成仏出来ない市民の為、国を挙げて祈る休日こそ必要です。


 終戦の日には、犠牲になった方に黙祷し、何故戦争が起きたのか、真の原因を考え、その原因が再び頭を上げてはいないか検討してみなければなりません。原因を知らないままでは、戦争の再発防止は難しくなります。


 化石燃料の安定確保が難しくなり、食料の安定確保が出来なくなり、武器を売って儲ける為に、独裁体制を維持する為に等、様々な原因が想定されますが、どんな原因にしても、互いに殺し合う戦争と言う策はいけません。人らしい知恵を絞って、平和な解決策を考える終戦の日にしようではりませんか。


ヤモリの尾 誰かに盗られて 短めに


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# by tabigarasu-iso | 2018-08-15 16:00 | 随筆 | Comments(0)

盆休み

 分校の校庭の真中に組まれた櫓から盆踊りの歌が流れ、浴衣を着た手慣れた村人が踊り出すと、それを真似て里帰りの自分が踊りの輪に入ったのは、遠い昔のことです。


 少子化の影響で分校が廃校になり、人の集まる場所は残したものの、人を惹き付ける学び舎の消えた校庭は唯の庭になり、盆に里帰りしても敢えて立ち寄りたい庭ではなくなりました。


 今となっては里帰りしても親の顔はなく、墓前に手を合わせるだけの翁になり、子供の里として遊びに来てくれるのを楽しみに待ちながらも、脳裡に里の盆踊りの歌が聞こえてくるのは不思議です。


 今でも、元分校の校庭では盆踊りが行われていることでしょう。ただ、踊りの輪に入る自分を想像することは出来ません。代わりに、夕涼みに出た猫の背中を摩りながら、夕闇の彼方に先祖の顔を思い浮かべています。


盆休み 宿題忘れ 遊ぶ孫 


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# by tabigarasu-iso | 2018-08-14 22:52 | 随筆 | Comments(0)

 野良猫に捕食され姿を見せなくなったヤモリが数年振りに現れて、毎晩定刻になると小さな虫を捕まえています。


 それが当たり前になり、現れる時刻に現れないと心配するようになりました。一日でも現れない日には、また野良猫に捕食されたに違いないと覚悟を決めます。


 出張先でも気になり、人、猫、ハゼは元気か、それにヤモリは現れたか、安否を確認しないことには気が済みません。これを知らない人が聴けば、妙に思うことでしょう。


「ヤモリは現れたか」

「まだよ」

「そうか」

「駄目かも」

「明日がある」

「そうよ」

 そんな心配をしていた我が家のヤモリも、こんなに大きくなりました。


百日紅 見上げる空に 先祖待ち

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# by tabigarasu-iso | 2018-08-13 20:59 | 随筆 | Comments(0)

蝉喰うカマキリ

 いつもより涼しい朝のことでした

 桃の葉に油蝉の姿が見えています

 直に舞い立つであろうと忍び足で

 焦点あてれば上方に草色カマキリ

 二本の鎌に油蝉挟んで食事の最中

 弱肉強食の虫の世界覗く朝でした


 舞う蝉を 鎌で挟むは 二刀流

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# by tabigarasu-iso | 2018-08-12 11:01 | | Comments(0)

一時休戦

 それは、自分が審査メンバーの時でした。審査チームの打合せ予定の時間になり、審査リーダーが担当する審査部屋に戻りますと張り詰めた雰囲気に包まれます。


 既に四時間が経つと言うのに、審査は序の口で立ち往生しているのが分かりましたから、何が起きているのか様子をみることにしました。分かったのは、関連部署の支援と書かれた部署の役割が不明確な指摘に対し、相手が納得していないようです。


 また、環境方針にコミットメントすることが求められている環境保護の内容として生物多様性をあげていながら、それが何か質問しても誰も答えられないこともありました。


 審査リーダーの指摘は間違いではありませんが、答えられない相手を追い詰め過ぎているようです。何とか雰囲気を和らげようと、追い詰め過ぎたことを自覚している審査リーダーに頷いて、同意の笑顔を見せました。


 それで安心したのか不明ですが、審査リーダーは矛を収めます。

「指摘内容を報告しますから後で検討してください」

 かように、燃え過ぎた審査は一時休戦するのが宜しい。


背中には 流れる汗の 音がする

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# by tabigarasu-iso | 2018-08-11 13:00 | ISOマネジメント | Comments(0)

巨大な藁草履

 御殿場駅の改札口を出ると直ぐ目の前に、誰が履くのか分からない大人の背丈より遥かに高い巨大な藁草履が置いてあります。


 きちっと揃えて置いてあるところから、礼儀正しい巨人の藁草履に違いありませんが、裸足で何処に隠れているのでしょう。


 忙しそうに働く駅員に訊ねる訳にも行きませんから、自分で勝手に想像してみます。

『富士山の裏で居眠りしているのじゃないかな』


 すると、富士山の裏の方から野太い声が聞こえました。

「居眠りじゃねぇ、山を枕に瞑想中だぁ」

 

藁草履 履いて遊んだ 夏休み

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# by tabigarasu-iso | 2018-08-10 06:57 | 随筆 | Comments(0)

長崎原爆犠牲者に黙祷

 1945年8月9日午前11時5分、アメリカ軍は長崎市にプルトニウム型原爆を投下した時刻である。同年86日午前8時15分、広島にウラン型原子爆弾を投下したばかりなのに。


かような無差別大量殺戮に対し、アメリカ軍は戦争終結を早める為だったと言うが納得など出来ない。殺戮された人は、無念の思いを今も漂わせているのではないか。


そう思い、事前に黙祷の時間の許可を貰い、環境ISO審査中ながら長崎原爆投下の時間になったところで、審査先の人と一緒に1分の黙祷を開始した。


どの位の時間が経ったか、腕時計を確かめる。予定を過ぎていたが、自分を除く全員は目を閉じたまま。

「黙祷、終わります」

 静かに告げて、環境ISO審査を再開した。


池の上 卵落として トンボ去り

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# by tabigarasu-iso | 2018-08-09 21:30 | 随筆 | Comments(0)

温暖化を避ける人

 今回の旅は、北上する嵐の直撃を受けるものと諦めて御殿場に出掛けました。その後の動きを示す天気図によれば、どうやら嵐を避けることが出来そうです。


これまで、地震や嵐の自然現象が発生する度、地震の発生していない地で何も気が付かず、嵐の直撃を受ける直前に晴れた地に必ず移動することから、相方は自分を「難を避ける人」と呼ぶようになりました。


これは偶然のことで、自分に念力や超能力と言った不思議な力がある訳ではありません。それがあるなら、地震が起こりそうだから備えて置きなさいとか、嵐が来るから外出を控えなさいとか、社会の為に使いたいものです。


それにしても、最近の嵐は過去のものとは異なり、山が抱えきれない雨を一気に落とし、山肌を削ぎ落とすので下方は堪りません。その原因は温暖化の所為ですから、温暖化を避ける人にもなりたいものです。


富士の山 雲に被われ 低くなり

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# by tabigarasu-iso | 2018-08-09 06:55 | 随筆 | Comments(0)

立場が替われば

 人の働く組織の審査を控えた前の日、自分の身体をCT装置で検査して貰うこと十数秒なり。


検査を終えて医師による診査まで待ち時間の長いこと、その間、隣で傍若無人に話し続ける無神経な人に閉口する。


それが病気の所為かも知れないと思えば、呆れることより同情する気持が勝るのは病院の待合室の所為か。


 何かを忘れる為に懸命に話す人の話に、改めて耳を傾ければ食物のことばかりで病には触れず、立場が替われば同じかも知れない。

 

待ち時間 浜辺の歌声 聞こえます

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# by tabigarasu-iso | 2018-08-08 06:26 | 随筆 | Comments(0)