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白髪の旅ガラス

 サーキュラーエコノミー(Circular Economy)と言う舌を噛みそうな言葉がある。循環型経済のことを意味するようだが、消費された製品を廃棄するだけでなく、回収し再利用することが狙いのようだ。


 それなら、日本は得意な分野である。江戸時代はサーキュラーエコノミーが当り前であった。それが、知らぬ間に大量生産、大量消費、そして大量廃棄の時代になり、資源枯渇のリスクから見直しが必要な時代になっている。


 資源が無限にあれば良いが、資源は有限で枯渇するから、無駄なく資源を使うことが求められ、製品やサービスを提供する側はサーキュラーエコノミーの視点から製品やサービスを提供しないことには生き残れない。


 資源の枯渇を抑制するには、製品の寿命を延ばすことだが、寿命が延びれば製品が売れなくなるから、製品のメーカーとしては悩むところだが、製品を売る考えからサービスを提供する考えに切り替えれば良い。


例えば、家を売る考えから、生活空間を提供するサービスに切り替えれば、家の長寿命がサービスの寿命を延ばし、利益も長く上げ続けられる。タイヤの販売から走行距離を売るサービスに切り替えた例もあるから、発想の転換が必要だ。


討ち入りの 太鼓が響く 布団中

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# by tabigarasu-iso | 2017-12-14 12:22 | 随筆 | Comments(0)

 清水寺では、2017年の漢字一文字を「北」に選んだようである。だが、北ばかり気にして生きている人は少ない。それより、病に苦しむ人は健康を願う。


 良からぬ細胞が縄張りを広げ、やむを得ず両親から貰った身体にメスを入れるような状況に遭遇すれば、覚悟を決めて手術台に上る。後は、専門家の手に己の未来を任せるしかない。


 そもそも、長年生きれば、細胞に疲れも出て来る。中には、細胞同士の共存の約束を忘れ、相手に迷惑を掛ける細胞が現れたなら放って置けない。それが国なら北になるだろう。


 人の身体なら、迷わず悪い細胞を取り除く。だが、国となると簡単には取り除けない。そこには多数の国民が生活しているから、麻酔の効いている間に病巣を取り除き、健康な国にすることは出来ないものであろうか。


酉年に 忘れた良き日 想い出し

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# by tabigarasu-iso | 2017-12-13 17:00 | 随筆 | Comments(0)

再びスナックの時代へ

 スナックで想い出すのは、軽いタッチで唄う「小さなスナック」と言う流行り歌ですが、その価値が再び見直されているようです。


 社会との接点が少なくなった人が増える傾向にあり、認知症に罹る可能性が高くなっていますが、その対策としてスナックで語ること、唄うことが見直されました。


 一日中パソコンに向かい人と直接話すことがない人にも、スナックでのコミュニケーションが見直され、中には客ではなく主として飛び込む人の話題もあります。


 これから益々高齢化が進み、家の中に閉じこもる人が増え、人間らしさが失われるリスクの高まる中、小さなスナックは老人や孤独な人の憩いの場所として繁盛することでしょう。


空いた部屋 スナックに変え 唄も良し

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# by tabigarasu-iso | 2017-12-12 20:25 | 随筆 | Comments(0)

審査員の力量

  少なくとも、環境ISOの審査員は、ISO14001規格要求事項を正しく理解していること、審査先の環境マネジメントシステムを資料、現場確認、面談などで理解し、審査先のシステム改善に有効な指摘を行う必要があります。


しかしながら、ISO14001規格要求事項を正しく理解していない審査員、理解しているものの審査現場で展開出来ない審査員、理解して審査現場で展開しているものの相手に伝える文章に疑問が残る審査員、場合によりそうなってしまう審査員は反省しなければなりません。


ISO14001規格要求事項を正しく理解していない箇所は、リスク及び機会の決定、取組み計画の策定、運用管理に集中しているようです。これらは、環境ISO20159月に改正された際に追加や大幅な改正がなされた箇所であり、環境ISOを導入している組織の課題にもなっていますから、少なくとも審査員は正しく理解していなければなりません。


では、どうすれば理解が進み、相手に正しく伝える文章が書けるようになるものでしょう。まずは、審査を行う際に、規格要求事項を相手に説明すると良い。説明することで、審査員の理解が進み、相手も不明な点をすることが可能になります。また、白板などがあれば、基準、事実、両者のギャップを書いてみること。相手が首を傾げれば、判るように書き直します。


更に審査員が必要な力量は、質問する、聞き出す、話して貰う、見せて貰う、それに楽しんで貰う力量でしょうか。これらは、そう簡単には会得が出来ない力量ばかりです。日々、努力を忘れないようにしなければ、審査がつまらない、他の審査機関に乗り換えよう、それでも同じであり環境ISOなど返上だと言う事態になるかも知れません。


出窓から 枯葉の舞いを 猫が見る

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# by tabigarasu-iso | 2017-12-11 08:00 | ISOマネジメント | Comments(0)

カワセミを発見する

 カワセミは、水中に飛び込み小魚を捕獲する小さな鳥です。川に棲む蝉と勘違いする人も居ますが、池の端に置かれた石の上に陣取り、水中のメダカの様子を窺い、ヒョイと水中に飛び込む。


そこからパッと飛び出した時には嘴にメダカを咥え、元の石の上で辺りを見回す姿は威厳に満ち、頭の毛は赤と青で鮮やかな貴族風、黒光りする全身は宝石のように輝いていました。


 カワセミが獲物を捕獲する現場は、生まれて初めて見るものです。食堂に移動する足を止め、カワセミがメダカを飲み込むまで暫く見守りました。

「良くある光景ですか」

「いえ、なかなか見られない光景です」

「運が良いのですね」

「間違いありません」


 カレーライスを食べながら、ガラス越しにカワセミの様子を見張っていましたが、腹が満ちたのでしょうか、カワセミは何処かに飛び去り、二度と姿を見せない。

「あれは錯覚でしたか」

「いいえ、現実に間違いありません」


水清く メダカ捕らえる カワセミが

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# by tabigarasu-iso | 2017-12-10 16:54 | 随筆 | Comments(0)

BGMを変更できたら

 無音の中で、人は平静では居られない。仕事中、クラシックギターの演奏をBGMに聞けば、心穏やかになり、穏やかな仕事になる。それが演歌に切り替われば、心乱れて仕事にならない。


自分が通う歯科医院では、治療中にクラシック音楽が流れている。治療される人の心を慰めるつもりであろうが、その分野に暗い人や興味を示さない人には効果がない。


 出来ることなら、自分の好みに合ったBGMを流して貰えないものであろうか。それが叶えて貰えるなら、インプラント治療に要した1時間近い手術も苦にならない。


「何か必要なものがありますか」

「ええ、BGMをクラシックギターの演奏にして貰えますか」

 ギター弦の擦れる音に耳を傾けながら、いつの間にか口を開けたまま眠ってしまう。

「終わりました」

「・・・」

 目覚めれば治療は終わり、心地良く帰路に着く筈だ。


皇帝の ダリヤ見上げる 他所の庭


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# by tabigarasu-iso | 2017-12-09 12:20 | 随筆 | Comments(0)

ブランデー

 グッと一息に飲み干すビールも良いが、たまには香りやアルコールの深みを少しづつ楽しむブランデーも良い。


ブランデーグラスに少しばかりブランデーを注ぎ入れ、グラスをゆっくり揺らしながら、暖炉の前で香りを楽しむ。


パキパキと薪の燃える音に包まれながら、舌の上にブランデーの広がる瞬間を感じる生活が出来たら良い。


薪を燃やす暖炉が無理なら、電気炬燵でも良いだろう。炬燵板に肘を着き、猫と睨めっこをしながら飲むブランデーもまた美味い。


少しだけ 楽しむ酒は 濃くて良い



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# by tabigarasu-iso | 2017-12-08 12:12 | 随筆 | Comments(0)

息は白く

 布団から抜け出すのが億劫になる朝のこと、これまでになく厳しい冷え込みに頬が冷たく、布団を頭から被れば更に起き難い。


 それでも、廃プラスチックを指定の置き場まで運ぼうと布団から這い出し身支度を整えれば、チビトラが散歩を期待して玄関マットで屈伸運動し始める。


大きな白い袋を手にした主人に、がっかり顔の猫に言った。

「直に戻るから、散歩はその後でな」


 分かったような、期待を裏切られたような、チビトラは不思議な顔をする。

 ゴミ置き場は廃プラスチックで埋まり、カラス除けのネットを持ち上げ、その中へ我が家のものを押し込む。


ひと仕事を終えて玄関に戻れば、さあ次は僕だとチビトラが腰を上げる。陽だまりで暫く立ち止まり、太陽を背に浴びるチビトラに言った。

「寒いから中へ入ろう」


大雪に 山の仕事は 諦めて


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# by tabigarasu-iso | 2017-12-07 12:25 | 随筆 | Comments(0)

詫び状

 車両製造の完成検査工程で無資格者に検査させていた自動車会社の社長から、詫び状の入った手紙が届きました。


事が表沙汰になったのは10月のことですから、既に1ケ月が経過しています。手紙で詫びるなら、1週間以内が適切ではないでしょうか。


契約をキャンセルしようかとも思いましたが、販売担当者からの詫びがあり、経過観察することにしました。


届いた詫び状には、詫びる言葉ばかり何行もあるものの、「いつまでに」と「何をどうする」が、どこにも記載されていません。


肝心な点が漏れた手紙は、意識的なものであれば間抜けであり、そうでなければ内容点検に問題があるようです。


雨降りて 銀杏の寝床 広がらん

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# by tabigarasu-iso | 2017-12-06 12:30 | 随筆 | Comments(0)

インプラントの是非

 歯を根から抜いた場合、そのまま何もしない、入れ歯にする、インプラントにする、何れかを選択することになります。自分は、食感が保てる観点からインプラントを選択しました。


「昔の人は、若くして入れ歯、それも総入れ歯の人が多かったな」

「そうですね。最近はインプラントもあるようですが、寿命を考えないと勿体ないですね」

「そう、50代の人なら30年はインプラントを楽しめますが、80代の人ではインプラントを楽しめるのは数年かも知れません」

「自慢話にする人も居ますから、利用年数は問題にならないと思いますが、やはり勿体ない」


こうして、頻りに勿体ないを何度も繰り返すのは床屋の主人です。一昨日、インプラントの歯を入れたばかりの自分は、否定も肯定も出来ない微妙な表現で会話は進みました。


「それにしても、美味しく物が食べられるのは幸せなことです」

「そう、硬いリンゴを思い切り齧る感触は、入れ歯では味わえないかも知れませんね」

「利用期間が短くても、美味しくリンゴが食べられるなら、インプラントも良さそうです」

「そうですね。もしかしたら、あなたもインプラントを」

「ええ」


贅沢は 敵だと言った 時代あり


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# by tabigarasu-iso | 2017-12-05 18:00 | 随筆 | Comments(0)