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白髪の旅ガラス

トイレ革命

 中国には、古い集落や住宅街で自宅にトイレがなく、公衆トイレが使われている場合が多いと言う。その公衆トイレには間仕切りがなく、用を足す際に隣の人と顔を合わせるニーハオトイレと呼ばれているそうである。


こうした公衆トイレには悪臭や汚れが付きものであり、国家をあげての美化運動、トイレ革命が進められているそうだ。かつて、日本の田舎でも似たような状況があったから、覚えのある人間の役割として紹介して置きたい。


 一つ異なるのは、古い集落であっても自宅に厠があり、自分の田畑の農作物に与える貴重な肥料であったから、それを他の家に与える公衆トイレなどあり得なかった。他所の家で用を足して帰宅しようものなら、勿体ないことをしたと叱られたそうである。


 ニーハオトイレは、公衆ではないが自家用にはあった。大きな樽を土中に埋め込み、その上に板を二枚渡したトイレである。汲み取り易さを優先した構造だけに、悪臭や見た目など問題にしていない。食べる時間が同じなら、排泄する時間も重なり、二枚板の上で会話しながら排泄した記憶は消えないそうだ。


それから半世紀余り、日本では腰を上げれば自動で洗浄してくれるトイレまで普及し、中国のトイレ革命を想像もできない時代になったが、自らが排泄した物の行く先を忘れないようにしたいものである。


清潔な トイレで判る 品格か



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by tabigarasu-iso | 2017-11-29 10:00 | 随筆 | Comments(0)

楽しく有益な環境ISO審査

 自己主張の下手な種族の割には、楽しく有益な環境ISO審査を目指すとは、我ながら良く言ったものです。それと言うのも、審査の大半は世辞にも面白いとは言えず、システムの改善に言及することは余り期待出来ません。


審査を楽しいものに変え、更に有益なものに変えなければ、環境ISO審査の返上はあっても導入する組織は減るばかりです。また、ISOを導入している組織において、品質記録を捏造するニュースには、自浄作用の働いていない組織の審査の役割を考えればなければなりません。


楽しい審査には、難しい規格要求事項を日常の言葉で分かり易く解説しながら、実態とのギャップがどうして生じるのか、担当者と一緒に課題を確認する中から、原因を担当者に気付いて貰う審査などがあります。


有益な審査の一つには、楽しい審査を通じて、部門における環境ISOの使い方を理解して貰う審査であり、それも一度の議論ではなく、時間の許す限り何度でも議論を繰り返し、審査後に使えるレベルまで理解して貰うものもあり得るでしょう。


それには、幅広く浅い審査では用をなしません。ある部署では業務目標と環境目標の整合や目標値と施策について議論を繰り返し、別の部署では内部監査の指摘に対して原因と是正の適切性を議論し、経営責任者の審査では、環境ISOの有効性に言及し、効果が出ない原因は、経営責任者の見直しの何処にあるのかなど、それぞれ部署毎の特性を考慮した深掘り審査が必須でしょう。


ジャガイモを 茹でて頬張る 味噌付けて

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by tabigarasu-iso | 2017-11-28 09:00 | ISOマネジメント | Comments(1)

仲間

 食住に不足なく

寒さ避けて眠る

目覚めれば暇に

話し相手求めて

擦り寄る熊さん

静か過ぎ飽きる

それでも弾いて

落とすことなく

いつか動き出す

その日まで待つ

決して齧ったり

爪など刺さない


大相撲 土俵の上で 戦って

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by tabigarasu-iso | 2017-11-27 15:00 | | Comments(0)

人参畑の前まで

 西部池袋線の所沢駅からタクシーで20分ほど、城と言う場所があります。カーナビゲーションを備えたタクシーであれば、住所を頼りに間違いなく到着しますが、駅前から乗り込んだタクシーには、それがありません。


「この場所ですが、大丈夫ですか」

 見せた住所に覚えがなかったのでしょうか、住所の書かれた資料を見た高齢の運転手は、無線で本部を呼び出しています。


少しばかり嫌な予感がしたものの、プロの腕を信じて黙って座っていましたが、予定の時間になっても昨日の光景とは違う場所まで来たところで、運転手は間違いに気付いて言いました。

「間違えました。来過ぎたようです」

「そうですね。慌てなくても結構ですよ」


タクシーの料金メーターを倒して戻ること数分、狭い道に入ると直ぐに見えた人参畑の前が目的地です。

「お世話なりました」

「御迷惑を掛けまして」

「いえ、時間に余裕がありますから大丈夫です」

 

 高齢の 似た者同士 助け合う

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by tabigarasu-iso | 2017-11-25 12:00 | 随筆 | Comments(0)

18年の御礼

 貴社の物流センターへ環境ISOの導入支援を始めたのは19998月からです。当時生まれた子供が高校を卒業する18年間に亘り、貴社にはコンサルサービス御愛顧頂きました。今回、環境ISO返上の御連絡を頂き、感謝を込めて振り返ってみます。


 当時の私は、環境ISOのコンサルを始めて2年経ったばかりでした。従い、支援するコンサルと言うより一緒に悩みながら仕組み作りを行う仲間であったような気がします。


 一番に想い出されるのは、コンサルを終えた帰路の車中の反省会のこと。立ち会われる本社の方と毎回繰り返されるカップ酒の車中会議は、話の内容はさて置き30分間でワンカップの日本酒2缶を空にすることがノルマのハードなものでした。


下車するまでにすっかり出来上がった自分は、赤い顔を見せないようにしたものです。それが翌年の7月まで毎月繰り返され、通勤や通学の人で賑わう車中302缶勝負は、懐かしい想い出になりました。


そうこうして漸く迎えた登録審査の日、環境管理責任者の方は緊張する余り体調を崩し、畳の敷かれた部屋で横になる光景が焼き付いて脳裡から離れることがありません。


あれから対象サイトが日本全国に拡大し続け、審査前と審査後の支援を続けて参りましたが、世代交代された経営者の考えで、環境ISO返上が決定されたようです。何より、環境ISOを維持する効果がなければ仕方のないことかも知れません。


今はただ、長年の御愛顧に感謝し、今後の発展を祈るしかないようです。やがて、若い経営者の方が環境ISO導入の必要性を再び見出されたなら、声を掛けて下さること願って止みません。


想い出す ふた昔前の 紅葉かな

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by tabigarasu-iso | 2017-11-24 09:00 | 随筆 | Comments(0)

青春の路線

 西武池袋線は、青春時代を蘇らせる想い出の路線です。中でも石神井公園駅は、人生の岐路を決定した駅でしたから、45年経った今、当時を想い出そうと懸命に見詰めましたが、人の息で車窓は曇り何も見えない。


 当時、駅の隣にある手荷物集配所でアルバイトをした時のこと、何となく気の合う先輩に夕飯を馳走になったことがあります。確か、その方は大学を中退し、身重な奥さんを抱えていました。想い出すのは、大きなハマグリが入った椀です。


 将来を語る先輩の目は輝き、それを見詰める奥さんの顔も幸せそうでした。それこそ、お金はなくても幸せな若い二人に、自分は将来を決心したものです。


 その時、連絡先も聞かずに別れてしまったこと、未だに残念でなりません。無事に人生を重ねていれば、既に70歳の頃。車窓には、見えない景色の替わりに、白髪の爺様が遠い過去を見詰める姿が映っています。


足元の 冷えが気になる 洋室か

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by tabigarasu-iso | 2017-11-23 15:00 | 随筆 | Comments(1)

小雪

 雪がちらつき冷え込む頃、エアコンの熱風を頭に受けて顔は火照るものの、足元は寒く膝の震える複雑な体調で臨む環境ISOの審査は、大きな不適合もなく初日を終えました。


 それでも、環境ISOの仕組みは継続的な改善が狙いですから、改善の機会を幾つか用意して終了会議の前に提示する予定です。それは、環境ISO:2015移行に伴い追加されたもので、内外の課題から決定されたリスク及び機会の関連するもの。


どの課題から決定されたリスク及び機会なのか、両者の関連が不明であり、そのことに関係者が気付かない点です。また、文書化を求める要求に対し、説明出来れば良いと勘違いしている点でした。


確かに、環境ISO:2015は手順の要求はなく、プロセスが要求されています。プロセスは文書化しなくても良く、説明が出来れば問題はありませんが、リスク及び機会は文書化が要求されており、幾ら主張しても残念ながら要求を満たさない。


こんな遣り取り、小雪を肌で感じる会議室で展開すれば、心は熱く燃え上がるものの、指摘を受けた担当者は、小雪ではなく小説であって欲しいと願ったことでしょう。


小雪を コユキと読んで 知らん顔

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by tabigarasu-iso | 2017-11-22 07:30 | ISOマネジメント | Comments(0)

 環境ISOの環境方針には、環境保護のコミットメントが要求されています。

「何、環境の保全に努めるとすれば良いのでは」

「環境保護と環境保全は一字違いですから、私もそれで良いと思います」

「いいえ。それは良く調べてから結論を出した方が良いと思いますが」


 さて、環境保護と環境保全の違いはあるのか辞書で調べてみました。環境保護は「protect」とあり、環境保全は「maintenance」で、英文にしてみると明らかな違いが判ります。


環境ISOは英文の要求事項と和文の要求事項があり、原文は英文ですから、そちらの意味を調べてみれば、「protect」は、過去に遡って元に復帰、現状回復、滅亡予防などの意味があり、「maintenance」は、ある基準を維持するとあり、両者の差は大きなものでした。


後日、両者の違いを指摘した事務局は、社長に伝えます。

「環境方針には環境保護のコミットメントを入れ、具体的に何を行うのか明記する必要があります」

「そうか。なら、わが社で出来る具体的な環境保護に何が考えられる」

「再生可能エネルギーの利用、生物多様性の保護、気候変動の緩和などですが」

「ふむ、どれも難しいが、絶滅危惧種を守る活動に関して、わが社が出来ること、明日までに調査するように」


一文字の 違いの判る 人になり

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by tabigarasu-iso | 2017-11-21 19:30 | ISOマネジメント | Comments(0)

囲炉裏

 地元の人に紹介され飛び込んだソバ屋には、炭の替わりに白い玉石が敷き詰められ、その真中に鉄瓶の置かれた囲炉裏がありました。


 手をかざしても暖まる訳などありませんが、心に温もりを感じるのは遠い昔の記憶が蘇る所為でしょうか。つい、店の方に許しを請い、写真を撮らせて貰います。


 その昔、玄関を跨ぎ土間に入れば、大黒柱の前に座った祖父が囲炉裏に大きな手をかざし、寒さに震える孫の小さな手を暖めた両手で包んでくれたものでした。


 そればかりか、話の続きをせがむ孫のリクエストに応え、一心太助の物語を読んでくれます。時折、薪の怒る声が聞こえ、邪魔するなと睨めば、薪も黙ってくれました。


そんな光景が、囲炉裏を見る度に次々と浮かびます。暖を取り、煮炊きを賄い、会話の場を作る囲炉裏の価値は、エアコン世代には少しも判らないことでしょう。


囲炉裏端 沢庵皿に 酒交わす

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by tabigarasu-iso | 2017-11-20 12:30 | 随筆 | Comments(0)

秋のカマキリ

 午後一番に

歩道通過の

私を見付け

 胴体つまみ

 くさむらへ

 

運ぶ人の恩

来年返すと

言ったよな

大きな鎌を

振り上げて


棲むならば 庭に来なよと カマキリに

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by tabigarasu-iso | 2017-11-19 22:00 | | Comments(0)