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白髪の旅ガラス

寒風の中を歩く

 タコには、八本ある足にも脳があるらしい。歩きながら、泳ぎながら、それぞれの足が考える動物が存在するとは、つい最近まで知らなかった。


 歩きながら考えるのが得意なタコと同じ人、座して静かに考える方が良いアイデアに浮かぶ人、両方とも可能な人も居ることだろうが、自分は座して考えるタイプで、気が付けば数日間も歩いていない。


座して考え事をしていれば立派なものだが、気が付けば夢の中である。これでは脳と足が退化して、いずれダルマになるかも知れない。いや、居眠りしているようでは、足が退化するだけで達磨大師さんにはなれないだろう。


思い立ち、寒風の中を歩くことにした。両手を大きく振って、歩幅を長く取って、伸縮した全身の筋肉を思い切り伸ばして縮める。額から汗が吹き出し、冷たい風が心地よくなった。手や足も考え始め、頭も負けずに知恵を絞り始めたような気がする。


 三時過ぎ 散歩する人 みな紅葉

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by tabigarasu-iso | 2016-11-30 10:00 | 随筆 | Comments(0)

地球を征服するタコ

 先日、あるテレビ番組を観て驚いた。タコには足にも脳があり、足が八本あるから、合計九個の脳があると言う。その所為であろうか、学習能力も高く、隣のタコが行うカニ取りの様子を見て、自分のえさとりに活かした。


 彼等、今は海の中で暮らしているが、やがて九個の脳をフルに活用して、互いに殺しあう愚かな人の活動を学び、地上にも這い上がって勢力を拡大し、人間を餌にする時が来るかも知れない。


 ところで、映画や漫画に登場する宇宙人の姿は、タコの姿を模したものがある。それは、原作者がタコは宇宙人だと見抜いた結果であり、学習するタコの映像を自分の目で確かめれば、原作者の鋭い観察力に脱帽せざるを得ない。


 いつの日か、タコが人間に勝る知恵を付けた時、それまでタコを食い物にしていた人間は復讐されることだろう。酢ダコが好きで何匹も食べた自分は、タコに復讐されて酢に漬けられるかも知れない。


 陽だまりで 朝から舟漕ぐ 気楽猫

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by tabigarasu-iso | 2016-11-29 10:22 | 随筆 | Comments(0)

酢を嫌う審査員

 複数の審査員で臨む審査前には、事前打ち合わせが審査機関より要請されます。電子メールでも打ち合わせは可能ですが、相手の心模様を読むことは難しく、まして匂いを嗅ぐことは出来ません。


そこで繰り出した打ち合わせ場所は、帰宅途中のサラリーマンで満席の居酒屋でした。以前、審査リーダーが立ち寄り、味と雰囲気が良かった店とのことでしたが、その期待は外れたようです。


それでも事前打ち合わせは決行され、喧噪の中で互いに大声を出さなくてはなりません。従い、審査先が分かるような発言は一切控え、過去の武勇伝に耳を傾けることに終始して、明日からの審査に備えることにしました。


そうした中、審査リーダーは元気良く二杯目の酒を頼みましたが、我等メンバーは明日の審査に備えて酒の追加は遠慮します。後は、出された皿の料理を片付けるだけですが、もう一人のメンバーの皿を良く見れば、全く箸が付いていません。


「どうされましたか」

「発見されましたか。この料理、酢を使っていますから、自分は食べられません」

「はあ、酢が嫌いですか」

「ええ。酢になる前なら幾らでも大丈夫です」


 こうして、審査の事前打ち合わせでは、審査員の一人が酢を嫌うことは分かりました。また、審査リーダーに依れば、審査先で嫌うのは検出課題を残すことのようですから、どちらも嫌いなものは避けて通る他ないようです。


 ガラス窓 外見る猫も 紅葉狩り

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by tabigarasu-iso | 2016-11-28 09:05 | ISOマネジメント | Comments(0)

マスクに帽子の怪しい人

「散歩ですか」

「はい」

「大人しい猫ですね」

「ええ」

 マスクで顔は分からない。

 毛糸の帽子で益々怪しく。

 声に反応して見上げた猫。

尻尾を下げ家に逃げ込む。


 咲く前に 雪に打たれた 皇帝の ダリヤの花は 隣家で見るか

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by tabigarasu-iso | 2016-11-27 09:56 | 随筆 | Comments(0)

鳳凰

 鳳凰の雄姿を見上げ

飛翔する瞬間を待つ

今にも浮きそうだが

百年は待ち切れない


橋の上 鳳凰見掛け 立ち止まる

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by tabigarasu-iso | 2016-11-26 12:10 | | Comments(0)

農業を食い物にする

 新聞のある個所に目が留まった。

「農協や流通業者がよってたかって農業を食い物にしてる」

 さて、よってたかって農業を食い物にするとは何のことであろうか。どうも、良くないことのようである。


 その前の文章を読んでみれば、食い物にする内容が分かった。小売価格156円のキャベツ、生産コスト38円、農家の手取り29円、小売りや流通経費が88円だそうで、腰を伸ばす暇もなく働く農家の手取りは如何にも少ない。


 これでは農家の暮らしは楽にならず、農家で生まれた子供は農家を継ぐより流通関係で働くことになる。農家の手取りを仕事量に応じたものにしなければならないと、誰もが昔から思っていても実現できないままだった。


 その原因の一つは、農家に肥料や資材を販売し、農家から集めた農産物を販売する農業商社の存在である。農家の生産コストと手取りを合わせたものより、大きな流通経費を牛耳る巨大組織の構造改革なくして、農家の手取りが増えようがない。


そうは言っても、巨大な農業商社の構造改革は進む筈もなく、一国一城の農家は、肥料や資材の仕入れから生産物の販売まで、農業商社に頼らない手段を自ら選ぶ決断が必要であろう。と言うのも、政治家が農業商社に自主改革を求めるのはパフォーマンスに過ぎなく、当てにならない。


 雪解けの 水音聞いて 目が覚める

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by tabigarasu-iso | 2016-11-25 09:00 | 随筆 | Comments(0)

コンサルの梯子 Ⅱ

 一軒目で飽き足らず、二軒目はもとより、三軒目へと飲み歩く梯子酒は、懐かしい想い出の彼方に消えそうです。今では、一軒目の酒屋ですっかり出来上がり、二軒目を目指す気力は湧きません。


 それがどうしたことか、コンサルの仕事が珍しく梯子になりました。朝一番の電車で名古屋に出向き、午前のコンサルを捌いてから神戸に移動し、そこでのコンサルを終えて夜中に自宅へ。


 若い頃なら当たり前の仕事ですが、老人と言われて間違いのない年になれば、少し厳しいコンサルの梯子と言えます。そんな無理しなくても良いと言われても、依頼されたならコンサルの看板を上げている限り断ることは出来ません。


 サービス業ですから、依頼があれば喜んで引き受け、依頼がなければラジオに耳を傾けながら猫の腹などくすぐる。それが嫌になったなら、潔くコンサルの看板を外して爺様に専念しましょう。


 名古屋駅 カレーそばに 額汗

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by tabigarasu-iso | 2016-11-24 09:00 | 随筆 | Comments(0)

海の見える部屋

 新神戸駅からタクシーで10分、海外の有名ブランド店が並ぶ繁華街に良く似合う、古風な構えのビルディングがある。石段を上がり、期待を込めて玄関に入った。


その先には、ウェディングドレスのショウウィンドウがある。自分には用のない店を横目に、エレベータホールで行く先のボタンを押した。普通、左右のどちらかに開閉ボタンがあり、乗り込んでから行く先のボタンを押すものだが。


 通された部屋は、眼下に港の見える部屋だった。山国育ちの者には、海が見えるだけで気持ちが昂る。仕事中ながら、スマートフォンを胸から取り出し、ブラインドを掻き分け、ピントを合わせた。


 その時、見覚えのある支店長が現れ挨拶となり、写真の許可を貰ってから、堂々とスイッチを押す。その写真を後で眺めれば、迫りくるものがない。やはり、海は裸眼で眺めるのが一番のようだ。


 神戸港 見下ろす山に 紅葉狩り

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by tabigarasu-iso | 2016-11-23 10:00 | 随筆 | Comments(0)

有益な審査情報

 環境ISO2015年版への移行審査を終えた組織から、改善の機会はありましたが有益なものでしたとの連絡を貰いました。指摘ゼロを暗黙に強いる組織もある一方で、有難い感想です。


 そもそも、環境ISOの狙いは、環境面での負荷を減らし、環境面での成果を上げること、それにシステムを継続的に改善することであり、環境ISO審査員はシステムの改善点を検出するのが役割ですから、審査の指摘ゼロや改善提案ゼロは審査員の役割を果たしていないと言われても仕方ありません。


 改善の機会を提案された先の組織では、緊急事態の準備と対応のプロセスの構築を謳いながら、そのプロセスに緊急事態の訓練やテストの結果を繋げる点が明確でないことでした。


審査で提案された改善の機会を前向きに取り入れることで、緊急事態のプロセスも現実に即した流れになり、予防と対応のレベルアップが期待出来ます。これは、環境ISO審査を受ける組織が望む審査の好例でしょう。


 前向きな 組織に向いた ISO

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by tabigarasu-iso | 2016-11-22 12:33 | ISOマネジメント | Comments(0)

指摘ゼロ

 過日の環境ISO審査では、指摘事項が皆無の結果となりました。仕組みが良く出来ていること、そして良く運用されていれば指摘はゼロです。


 更に仕組みを良くする点があれば、改善の機会を提案するところですが、それもありません。と言いたいところですが、それはありました。提案しても対応が期待出来ない相手、つまり影響を及ぼせない相手と判断し提案はしないのです。


 指摘ゼロは、二十年近い審査経験でも初めてのこと。脂肪ゼロやノンアルコールは製品としてあり得ても、形を残さない審査サービスで指摘や改善ゼロは如何なものでしょう。


 その替わり、全ての部門で優れた点を嫌と言うほど報告します。その内容が誉め過ぎの場合もありますから、誉め過ぎたレベルまで改善して下さいと提案するのと同じ。表現が変われば受け入れるとは、妙なものです。


 指摘ゼロ 仕事しないと 同じかも

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by tabigarasu-iso | 2016-11-21 09:30 | ISOマネジメント | Comments(0)