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白髪の旅ガラス

御嶽山の噴火

 活火山である御嶽山が噴火した。紅葉の季節で山登を楽しむ人が被災し、心肺停止の方や重軽傷を負った方が大勢居る。活火山の本性をまざまざと見せた。

 噴火の予知は出来なかったようである。ただ、噴火の実績はそう遠い過去のことではなかった。被災された方は気の毒だが、活火山に登るからには噴火の可能性と噴火した際の影響を忘れてはいけない。

 浅間山も活火山の仲間である。長野と群馬の県境にあって、今も頂上から煙を出しているから油断ならない。御嶽山の噴火を教訓にして、予知の精度を上げることだろう。

 我が故郷は、浅間山の裾野に広がる。昔から噴火の凄まじい威力を見せて来たから、軽視する人は誰も居ない。だが、予知に頼り過ぎると、噴火の可能性を忘れてしまう。予知の精度は完全ではないから、活火山に登る時には噴火することを忘れてはいけない。

 高い山 深い海中 リスク大
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by tabigarasu-iso | 2014-09-29 09:00 | 随筆 | Comments(0)

無理を承知で

 土産に貰った広島の紅葉饅頭、当然のことながら人は中味に興味を持つ。だが、我が家のチビトラは容器に興味を示す。初めは饅頭を狙っていたように見えたものの、それは猫の本性を知らない誤解であった。

 饅頭の入った箱を開けると、彼はその上に載っただけで食べようとはしない。自分の縄張りを誇示し、饅頭が邪魔で押しのけようとしている。それと知った娘が饅頭を取り除けば、小さな空間に座り直して尾を巻いた。

 ところが、それだけでは満足できないようである。チビトラは、無理を承知で小さなスペースに身体を伏せた。箱の中で眠りたいらしいが、身体の大半がはみ出てしまう。それでも、小さな容器を占拠した気分だけは味わっているらしい。

 チビトラは、目を閉じて寝た振りに入る。随分と窮屈な姿勢だが、いつまでそうしているつもりだろう。秋の夜長、こちらも暇に任せ、小さな縄張りに飽きて身体を起こす瞬間を待つことにした。

 紅葉の 山に舞い散る 火山灰
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by tabigarasu-iso | 2014-09-28 09:00 | 随筆 | Comments(0)

約束

 約束は、それを果たすまで頭の隅から消えません。八月に約束してから、早くも一カ月が経とうとしています。約束した相手は幼子ですから、首を長くして待っていることでしょう。

 思い切り、約束の品を買いに出掛けました。自分一人では心細いものですから、相方も一緒です。
「丁度良いサイズがないね」
「インターネットで購入しようか」
「それでも良いが、現物を見て選びたいね」

 約束の品には、優先順位が書いてありました。一つ目を諦め二つ目にして、その売り場に回ったものの沢山並んで迷います。そこで、若い店員を呼んで尋ねました。
「あなたなら、どのゲームを選ぶ」
「私なら、迷わずこれです」
「なら、それにします」

 家に帰り、箱に詰めてから約束した相手に電話で伝えます。
「約束したもの、これから送る」
「ありがとう。良く忘れないで」
「勿論さ」
「お酒を飲んでいたから」
「メモがあった」
 そのメモには、幼子の欲しい物が絵入りで書いてありましたから、忘れようがありません。

 宅配の 箱に詰め込む 想いあり
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by tabigarasu-iso | 2014-09-27 09:00 | 小説 | Comments(0)

清々しき風よ

 強い風には揺れる木の家の二階から
 地球環境保全に微力ながら貢献の夢
 乏しい知恵絞り出しても実らぬ成果
 やがて考えているつもりが夢の世界
 心地良く誘ってくれる清々しき風よ

 人並みに 栗の実齧り 残す猫
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by tabigarasu-iso | 2014-09-26 09:00 | | Comments(0)

入力マシン

 パーソナルコンピューターに情報が入力してさえあれば、考えながら加筆して反省しながら修正もできますが、紙に印刷された文章をそれに入力しようとすれば、文字読取が自動的にできる賢い装置を持たない身には、一文字ずつ飽きずに入力しなければなりません。

 黙々と入力する姿は、意志のない機械のようです。目で見た文章を忘れないように頭の中で反芻しながら指先で入力するのですが、同じ個所でどうしても間違って入力してしまう。

 何とも出来の悪い機械ですから、入力作業で飯を喰うことは難しいようです。幸いにも、入力した後の文章を大きく見易くすることや、説明文を加えるのが自分の仕事ですから、出来の悪い入力マシンの姿は誰にも見られることはありません。

 入力誤りが多く入力速度も遅いのは、文章を読みながらその訳を考えてしまう点にあるようです。それなら、何も考えないで黙々と入力すれば良いと承知していますが、どうしても入力マシンに成り切れない自分には難しいようですね。

 曇り空 今は何時と 訊くアカネ
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by tabigarasu-iso | 2014-09-25 09:00 | 小説 | Comments(0)

地域から世界へ

 これからは、地域的(ローカル)な独自性を持って、地球規模(グローバル)の舞台に踊りでる時代が来たようです。

 これまでは、地球規模の標準を勝ち取ろうと先進企業は競争し、出来上がった標準に順応することが後進企業存続の術であるとか言われて来ました。

 しかしながら、独自性のない製品やサービスは低価格競争の渦に巻き込まれ、半導体やテレビのように世界的に有力な企業であっても、やがて破綻することになります。

 地域的な独自性を持つ製品で地球規模の市場に打って出るには、インターネットと言う地球規模のネットワークの利用が有効であることは誰でも承知のことでしょう。

 そこで重要になるのは独自性であり、それは地域で育まれるものにほかなりません。無農薬のリンゴ栽培、昔話など、その良い例ではないでしょうか。

 栗の皮 剥く手を覗く 猫が居る
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by tabigarasu-iso | 2014-09-24 09:00 | 随筆 | Comments(0)

象嵌

「ぞうがん、何のこと?」
 聞いただけでは、分からない。紙に書いて貰っても、難しい漢字だと読み方が分からない。象嵌の写真でもあれば、鉄などの表面に金銀の象を嵌め込む工芸だと分かる。

 そもそも、鉄は錆びるもの。鉄の錆を止めなければ、やがて鉄で作った刀や鉄砲は錆で形が崩れてしまう。そうならないよう、敢えて特殊な錆出し液に浸け、全体を錆びさせてから、茶の中に入れて煮るそうだ。

 すると、茶の中にあるタンニンが錆に付着して黒くなり錆びの進行は止まる。それで目的は果たしたことになるが、更に錆が止まった黒色の武具に金銀の象を嵌め込んで飾る思考は面白い。

 インターネットが武器になる今の時代には、武具の象嵌は不要であるが、象嵌されたペンダントやネクタイピンなどのアクセサリーは、錆止めの黒の地に繊細な金銀の図が融け込み、機会があれば手にしたいものである。

 鉄の錆 活かして飾る 金の花
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by tabigarasu-iso | 2014-09-23 09:23 | 随筆 | Comments(0)

面白い対話型セミナー

 通常のセミナーは、講師が一方的に話して受講生は質問の時間まで黙って聞くものが多いようです。それも話術巧みな講師であれば苦になりませんが、抑揚のない講師に遭遇したなら、特に昼過ぎの時間帯は、耐え難い時間を耐えるしかありません。

 その点、講師と受講生や受講生同志が意見交換する対話型セミナーは、自分が知りたいこと、確認したいことがセミナー中に明確になり有効です。ただ、受講生の中には自分の意見が言いたいだけで、誤った意見もありますから、取捨選択しなくてはなりません。

「只今の意見、自己流ではないでしょうか。先程の方の意見、客観的で納得できるものですが、講師は如何ですか」
 いつまでも暴走意見を述べる方には、それを制止する役割が必要のようです。

 それは講師の役割であり、説明する能力、意見交換を捌く能力のある講師でないと務まりません。今回のセミナー講師の方は、相反する意見を捌くことはなく、預かることに終始しておりました。

 預かった意見は、いつか返さなくては無責任になります。来年早々、その機会を設けることを約束してくださいました。こうした対話型セミナーは、手間は掛かりますが面白いものです。

 半袖を 長袖に替え 窓締める
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by tabigarasu-iso | 2014-09-22 09:00 | セミナーサービス | Comments(0)

 生ハムは、敢えて食べようとは思いません。食べ慣れたハムに比べ、何とも見た目が生々しいからです。
「あら、勿体ない」
 そう言いながら、相方は綺麗に平らげてくれますから、我が家では無駄にはなりません。

 いつかは美味しく頂こうと思い、生ハムとハムの違いを調べてみました。生ハムは、豚のモモ肉を塩漬けにしてから乾燥させ、その後で発酵させるか、燻製にして作るもので、一切加熱処理しません。

一方のハムは、生肉の塩漬け、塩抜き、乾燥、燻製までは生ハム同様ながら、その後で加熱処理してから急速に冷却して保管するものです。生ハムには加熱処理工程がありませんから、生々しく見えるのは当然でしょう。

 見た目の生々しさなら、刺身も負けていません。なら、刺身が嫌いかと言えば、それほどは好きでないものの、醤油にたっぷり浸すかワサビを付ければ、人並みには食べます。

 もしかしたら、見た目に加えて生ハムの匂いが好きになれない理由かも知れません。時には、大好物の秋刀魚の塩焼きでさえ、生臭い匂いが漂えば箸を置く自分ですから。

 好き嫌い 見た目と味に 匂いかな
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by tabigarasu-iso | 2014-09-21 09:00 | 随筆 | Comments(0)

読書の秋

 朝晩、掛け布団が必要な季節になりました。部屋の片隅で控えたままの扇風機も出番がないようですから、埃を拭いて押入れに移してあげます。来年の夏まで、そこでゆっくりお休みなさい。

 窓から吹き込む風は、湯上りの身体に心地良く、エアコンに頼った猛暑日が嘘のようです。テレビを消すと、今宵も何処からかコオロギの鳴く声が聞こえて来ました。

 新しい情報の少ない新聞は、朝一番、暇に任せて隅から隅まで読み終えています。さて、眠気が訪れてくれるまで読書することにしましょう。本棚に積んで置いた月刊誌を開き、気合を入れて読み始めたものの。

 数行も進まない内に、船を漕ぎ出していました。そうとは知らない本人は、夢の中で『ネルヨリラクハナカリケリ、バカハオキテヨルモハタラク』と呟き、布団に入ろうとしています。

「無理しないで寝たら」
「そうだね」
 夢から現実に引き戻されながら、素直に従う秋の夜となりました。

 リンリンと 透き通る音に 時忘れ
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by tabigarasu-iso | 2014-09-20 00:00 | 小説 | Comments(0)