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白髪の旅ガラス

ネクタイの出番

 暑さ対策に首から外されることになったネクタイは出番が少なくなり、生き延びるには大変な時代になりました。今後も暑い季節が多くなる傾向ですから、そろそろ商売替えを模索しているネクタイもあることでしょう。

 そんなネクタイに言わせれば、背広とネクタイは御飯に味噌汁と同じで、どちらか一方だけでは旨くない。背広にノーネクタイが許されるのは刑事くらいで、普通の方は丘に上がったカッパに見えると言いたいでしょう。

 かく言う自分の鏡に映ったノーネクタイ姿は、刀を質屋に預けたままの浪人に思えてなりません。どうせ背広を着るなら、ネクタイで首元を締め潔い姿で仕事をしたいものです。

 その昔、背広を着始めた頃の自分に上司の方が言いました。
「君、ネクタイはヨダレも拭ける便利なものだよ」
 驚く自分に飽きれ、更に教えてくれます。
「カーテンがあるだろう、あれは手を拭くものだよ」

 ヨダレを拭けとは言いませんが、背広を着るならどんなに暑くてもネクタイは着ける、さもなければ背広を着ない。そんな選択を、ネクタイは待ち望んでいることでしょう。待ち切れないネクタイは、いつでも利用されるハンカチに転職するかも知れません。

 冷え過ぎの 電車に乗れば 思い出す ネクタイ締めた バブルの時代
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by tabigarasu-iso | 2013-08-31 00:00 | 随筆 | Comments(0)

監査実話

 人とは面白い動物で、それまで居眠りしていた人も実話ですと前置きをすれば眼を覚ますものです。
「その昔、自分が監査を依頼された時の話です」
「話ですか」
「ええ、監査当日に発生したことでした」
「何か問題でも」
「ええ、排水処理場の薬品貯蔵タンクで想定される薬品洩れの緊急事態対応手順を確認している最中のことでした」
「まさか、薬品が洩れたとでも」
「ええ、そのまさかです。それも想定したよりも多い薬品が漏れ出し、雨水溝へ流れ出して白煙を上げました」
「本当ですか」
「実話です」
「で、どうなりましたか」
「緊急事態対応手順に従い、設備管理の担当者は備品のマスクを被り、手にはゴム手袋を着け、傍に置いてあった砂袋を雨水溝に投げ込み、見事、漏れ出した薬品の流れを止めたのです」
「それを眺めていたのですか」
「ええ、作業の邪魔にならない場所まで移動し、手順書を見ながら決められた通りに関係者が動く様子を観察していました」
「それで、監査の評価は」
「慌てず手順通り対応されたことを良い点として評価しました」
「それで終りですか」
「いいえ、漏れた薬品の処理をした後で、原因が配管の腐食であったことを究明し、配管の交換を行ってから、その点検を強化する手順改訂の計画に対して、更に高い評価をしました」
「なるほど。その後、排水処理設備は問題が発生しなかったのですか」
「暫らくして現場を訪問したところ、環境リスクが高い排水処理設備の監査報告を受けた経営者の判断で、排水処理設備そのものがリスクの少ない構造に更新されていました」
「監査とは、そんなに効果があるものですか」
「はい。そう願いたいものです」

 夕闇に ヒグラシ鳴いて 里心
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by tabigarasu-iso | 2013-08-30 00:00 | コンサルサービス | Comments(0)

ヤブイヌ

 珍しい野生のヤブイヌ、その生態をテレビで観る機会がありました。二度目のことでしたが、一度目の画像をすっかり忘れていましたので、新鮮な気持で観ることが出来ます。

 短足胴長の姿は犬と言うより痩せたブタに近く、薮の中で穴を掘って暮らし、アルマジロを穴から引き摺り出して食べる生活スタイルは、長年生活を共にした愛犬とは大きく掛け離れ、解説がなければとても犬には見えません。

 そう思った矢先のことです。後足を揃って上げて木の葉に放尿するヤブイヌと片足を上げて木の葉に放尿するヤブイヌを観てから、なるほど縄張りを示す犬の習性は同じだと思い直しました。

 ところが、後足を揃って上げたのはメスのヤブイヌとの解説です。飼い犬のメスは後足を揃えるところまでは同じですが、腰を下ろして上品に放尿しますから、とてもメス犬には見えません。

 根は同じ 道が違えば 仕草別
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by tabigarasu-iso | 2013-08-29 00:00 | 随筆 | Comments(0)

秋風が吹き

 毎日暑い日が続き熱中症に罹らないよう水分を摂り過ぎた挙句に食欲も失せ何となく力が出ないと振り返れば野菜ばかり好んで食べた所為でありました。

 幾ら還暦過ぎた爺様でも少しは肉を食べなければ元気が出ないと反省して食べ放題の焼肉に挑戦しても若い人ほど注文出来ない結果となり選択の甘さに飽きれながら定額の料金を支払います。

 ならば同じ肉でも魚にしようと経済的な回転寿司に乗り込み自分の裁量で皿を選んだつもりでも回る寿司の皿見れば眼が食べたくなり皿重ねた挙句は胃袋の容量ばかりか予算も越しました。

 そんな最近の苦戦も窓を開ければ過去の想い出に押しやる秋の風が吹くようになり睡眠も充分に取れて食欲も増し秋刀魚の塩焼きなど二人分食べても満足できず秋味の麦酒など流し込む今宵です。

 秋刀魚焼き 大根オロシで 飯を喰い
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by tabigarasu-iso | 2013-08-28 00:00 | 随筆 | Comments(0)

良く分かる内部監査

 講師の話を聞いて内部監査の流れは頭で理解出来ても、内部監査の本番を迎えると何から手を付けて良いやら迷うものです。内部監査に立ち会った機会が一度もなければ、それこそ不安になるでしょう。

 そんな方は、内部監査の経験者が被監査部門に対し、どんな質問を行い、どんな記録や文書それに現場を確認するのか目の前で演じて貰えば、内部監査の手順が分かる筈です。

 百聞は一見に如かずと言いますから、一度試してみると良いでしょう。まずは、コンサルが内部監査員になって事務局を監査する場面を演じてみます。

 内部監査員;環境ISO規格は、システムの適用範囲を文書化することを要求しています。事務局の立場で、システムの適用範囲を説明してください。
 事務局;(何処で誰が何を行う仕組みか記述された文書を提示し)適用範囲はこの場所で家具の製造とそれに関わる社員としています。
 内部監査員;常駐の請負業者の記載がありますが、対象ではないのですか。
 事務局;失礼しました。常駐業者の方も対象になります。
 この時、内部監査員は、事務局は適用範囲の理解が不充分であると判断しました。

 こうして内部監査の一部を演じて見せれば、初めて内部監査を担当する方でも、自分が何を質問し何を確認したら良いのか推測出来ることでしょう。

 気の緩む 素敵なホテル 値は張って
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by tabigarasu-iso | 2013-08-27 16:41 | コンサルサービス | Comments(0)

40年前のアパート仲間

 振り返れば、昔、昔、昔、その昔からの付き合いになります。今宵は、同じアパートに住んでいた仲間と数年振りに会いました。出会った頃と殆ど変わらない人とそうではない人に分かれるのは仕方ありませんが、想い出は何時までも変わりません。

 長い髪にギターを抱え、貧しくても楽しく暮らした二十代から六十代の爺、婆になりましたから、さっぱりした料理を三時間掛けて頂きました。酒も喉を潤す程度にして、メインデッシュは、四十年前から今日に至る長い話。

 話に飽きたら歌も楽しめる店でしたが、その必要性はありません。話を引き出す人、話したら止まらない人、なかなか話さない人、黙って頷く人、互いに旨く混ざり、気付けばラストオーダーの時間も過ぎています。

「来年の春、花見をしないか」
「いいね」
「そうねえ」
「異議なし」
 来年春の再会を約束し、アパート仲間と別れた夜でした。

 青春の 苦い想い出 ツマミにし
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by tabigarasu-iso | 2013-08-26 00:00 | 随筆 | Comments(0)

猫の寝床

 昼はともかく、野良猫の夜の寝床は何処でしょうか。夕飯を食べ終え、礼も言わずに夕闇に消える野良猫は、ネズミを獲る必要性もなくなり、何処かの軒下で夜露を避けて丸くなっていることでしょう。

 我が家の軒下も空いていますから、猫用の寝床を一つ用意して置きました。その夜は雨、こんな時には野良猫も濡れない所で寝床に入りたい筈です。そんな妻の予測通り、茶色の子虎猫が寝床に入りました。

 もう一匹、同じ時期に生まれた黒色の子猫は、その脇で眠っています。これでは可愛そうと、妻はもう一つの寝床を作りました。それは、使う機会がなくなり棚の置くに仕舞ったままの桶、中にワラを敷いた豪華なものです。

 暫らくして様子を見に行けば、黒色の子猫も桶の寝床で眠っていたと妻に聞きました。ところが、朝になれば二つの寝床は空です。私は、ワラの渦巻いた跡に二匹の子猫の寝姿を想像するだけでした。

 野良猫も 飼い馴らせば 野良が取れ

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by tabigarasu-iso | 2013-08-25 00:00 | 随筆 | Comments(0)

 南米で生きるタテガミオオカミの映像をテレビで観て足の長いことに驚きましたが、十尺余り跳躍して小動物を捕まえる場面で納得しました。長い足と首で高い木の葉を食べるキリンと同じく、無駄な身体構造はないようです。

 野性のタテガミオオカミを檻に誘い込み、健康状態を確認するシーンがありましたが、檻に入っているのは餌に騙されて入った放し飼いの犬ばかり。漸く捕獲したタテガミオオカミの首には、無線機付きの首輪が付けられていました。

 飼い犬の首輪がないのとは対照的で、野生と言いながら無線機を付けて保護しなければ種の保存が難しいタテガミオオカミの生活環境が推測できます。飼い犬のように人の保護下に入れば種の保存は容易でしょう。

 そうなればオオカミではなく、オオカミに似た飼い犬になってしまいます。長年生活を共にした我が家の愛犬は、どこかタテガミオオカミに似ていました。既に千の風の仲間に入っていますが、ひょっとしたらタテガミオオカミに似た本能を蘇らせ、野のネズミでも追い掛けているかも知れません。

 野良の猫 餌に誘われ 腹を見せ
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by tabigarasu-iso | 2013-08-24 00:00 | 随筆 | Comments(0)

汚染水の漏洩

 東京電力福島第一原子力発電所の汚染水貯蔵タンクから、放射線を含む汚染水が漏洩していたことが発覚しました。その後、当該のタンクから残っていた汚染水を抜き取り完了したとのことです。

 増え続ける汚染水を貯蔵するタンクは1000基にも及ぶそうですが、洩れ対策としては複数のタンクを防液提で囲み、雨水が溜まらないよう開閉バルブは開けたままにして、タンク内の汚水が洩れた際には、巡回時に目視で確認するとのことでした。

 何人で巡回しているのか不明ですが、視覚センサ、水位センサ、放射線センサなどを全てのタンクに配置して24時間監視することが可能な時代にしては、監視手段に問題があるとは思いませんか。

 防液提内の雨水の放出と汚水の流出防止用の開閉バルブが開いていた件、その説明は開いた口が塞がりません。何の為の開閉バルブでしょうか、基本を忘れた言い訳に唖然としました。もしも、環境ISO審査で現場を見たなら、その言い訳に対して不適合の評価をすることでしょう。

 不適合に対しては、真の原因究明と原因を除去し再発しない処置がなされなければ、再度の是正勧告となります。タンク内の汚水漏洩対策は可能でも、増え続ける汚水をゼロにしなくては汚水タンクだらけ。真の原因は、放射線を放出する核燃料ですから、汚染水を処理しながら、核燃料の除去もしなければ是正は終りません。

 応急の 処置に追われて 真見ず
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by tabigarasu-iso | 2013-08-23 00:00 | コンサルサービス | Comments(0)

心を形に

 思いとは、口にした方が相手に伝わり易いものですが、口にするとその思いが薄れるような、口にしなくてもいずれ思いを分かってくれるような、そんな気がして思いを口にしない人が多いようです。

 その典型的な例は、時代劇に登場する侍や女性達でしょう。現代においても、思いを軽々しく口にしない風潮は続き、それが国際会議などで現われたなら、相手の主張が通り意図しない方向に向かう恐れがあります。

 国際会議の場で主張を理解して貰い、賛同を得ることも重要なことですが、家庭で互いの思いを理解する事は更に重要ですから、積極的に口にしなければなりません。

 思いを積極的に口にするのも大切ですが、いつも口先だけでは飽きが来るものです。時には、思いを形に変えて表わさなければいけません。それは、花を贈ることであり、衣類や宝石を買ってあげることであり、一緒に旅することであり、レストランでの食事でも。

 陽を受けて 輝き放つ サボテンか
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by tabigarasu-iso | 2013-08-22 00:00 | 随筆 | Comments(0)