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白髪の旅ガラス

飲み放題の魔術

 食べ放題のバイキングコース、飲み放題の宴会では、大半の人が食べ過ぎて飲み過ぎることとなります。そんな節度のないことはしない自信のある方は、食べ過ぎで太ったことを嘆く人に冷たい視線を向け、また飲み過ぎで理性を失った人に軽蔑の眼差しを向けることでしょう。

「この沢山のメニューから二時間内で何を何杯飲んでも、一人1240円の価格は信じられますか」
「いいえ、普通は麦酒二杯分の値段でしょう。オンザロック一杯800円のメニューも含まれていますから、何杯も飲まれたら赤字ですよね」

 そう言いながら、誰も店を潰すつもりなど毛頭なく、次から次に飲み物を追加注文しては胃袋に納めて行きます。その頻度に合わせて、食べ物の皿も次から次に運ばれて来ますから、誰も遠慮などしません。こちらは飲み放題の対象ではありませんが、そんなことは忘れてしまったようです。

 制限時間が近付き係りの人がラストオーダーを確認すれば、すっかり酔いが回っている筈の人も断わりません。それを飲み終えて帰路の電車に乗れば、自分の定量を遥かに越えた人は酔いに沈んで眠ってしまう。こうした飲み放題は魅力的なサービスですが、飲み過ぎ、食べ過ぎ、乗り越しにも注意したいものです。

 飲み放題 己の量を 知って飲み
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by tabigarasu-iso | 2013-06-30 00:00 | 随筆 | Comments(0)

慌て者

 大切な物を忘れた相手に呆れて言いました。
「良く確認してから出掛けて」

 そう言った当人も次のような慌て者ですから、人の事は言えません。
「貴殿から送付頂いた解答、未だ問題が残っています。全て解答してから再度の送付をお願いします」

 テスト問題を終え、さっさと返信したまでは良かったものの、問題を途中まで読んで終りと勘違いしたのです。回答も、次のページがあるとは気が付かない。

 昔から、他人の振り見て我が身を正せとか言いますが、誰か慌て者を見掛けましたら、それを他人事と笑う前に自分の行為に間違いないか、もう一度念には念を入れて点検したいものです。

次々に 時を忘れて ムクゲ咲き 
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by tabigarasu-iso | 2013-06-28 00:00 | 随筆 | Comments(0)

カッコウ鳴いたかな

 数日前の早朝、雨の降り出す前のことでした。何処からか、カッコウの鳴く声が微かに聞こえてきます。その声は余りに小さく、注意をそらせば再び捕まえることは難しい。

 夢かも知れませんから目を擦り、耳を澄ませば間違いなくカッコウの鳴く声です。生まれ故郷を忘れず今年も渡って来たものの、羽を休める元の林が消えて戸惑ったことでしょう。

 ようやく落ち着いた所で恋する相手を探しているのでしょうか、それとも自分の縄張りに近付かないよう仲間を威嚇しているのでしょうか、一里も届く声で鳴き始めたようです。

 ところが、それを数回聞かせたところで、降り始めた強い雨に掻き消されてしまいました。その後も雨は降り続き、カッコウの鳴き声は幾ら耳を澄ませても聞こえては来ません。

 カッコウに 真似て預ける 人もあり
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by tabigarasu-iso | 2013-06-27 00:00 | 随筆 | Comments(0)

宇都宮の餃子

 通過することはあっても降りることはなかった宇都宮駅、冷房の良く効いた電車に揺られて降り立ったのは夕刻のこと、取り敢えず腹ごしらえすることにして寄った店は、名物の餃子専門店でした。

「二人前でも食べ切れそうですか」
「ええ、大丈夫です」
 店員が無理だとは言う筈がありませんから、馬鹿な質問をしたものです。

 後から入った人は常連でしょうか、焼きを二倍と当り前のように言うのを聞いて、此処では一人で二人前の注文が普通のこと知りました。

 餃子が出来上がるまで何も腹に入れないで待つのは寂しく、つい生麦酒を頼みます。そこに熱い餃子が登場し、口に入れたら熱く麦酒で冷して頂く夕飯になりました。

 名物に 旨い食い物 時にあり
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by tabigarasu-iso | 2013-06-26 00:00 | 随筆 | Comments(0)

太陽の甘味

 雨や曇りの続く天候では、枇杷の実も大きくなっても甘くはなりません。そんな日に収穫した実は、新鮮なレモンを齧ったようです。一つ口に入れ、二つ目は二人とも手にしません。

 空の晴れるのを待ち、玄関に立て掛けて置いた折り畳み式の脚立を取り出し、腰にはレジ袋を結わえ、手には剪定鋏を持ち、散歩用の靴を履いて、余分な枝を切り落とし、色の濃くなった枇杷の実を探します。

 一つの枝先に数個はある枇杷の実を一つ二つ三つまで切り取れば、既にレジ袋が重くなり、二人で楽しむには充分な量ですから、昇る時より注意して脚立からゆっくり降りました。

 さっと水で表面を洗い、皮を剥いて口に放り込む。みずみずしくて甘い枇杷の果肉、これまで収穫した中で一番旨かった。もう少し太陽を浴びせたら、どんなに甘さが増すことでしょう。
 
 良く熟れた 枇杷の実少し 鳥に分け
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by tabigarasu-iso | 2013-06-25 00:00 | 随筆 | Comments(0)

沖縄戦終結68年

 一度は行きたいと思いながら、これまで一度も行ったことのない沖縄で、組織的な戦が終結した日から68年が経ちました。

 その当時に生まれた子は68歳、沖縄戦を知る母親も88歳以上の高齢となり、戦を知る人は次第に少なくなっています。

 沖縄でなくても、身近な周辺に戦争を体験した人は少なくなり、戦争の体験を語って貰う機会も皆無に近くなりました。

 映画や書籍で戦争の悲劇を観て読むことは出来ますが、身近な人から語り継がれる戦争の実話は貴重なものです。戦後生まれの私達は、それをしっかり聞いて子孫に語り継がなくてはなりません。

 雲の湧く 空を教える 牡丹咲き
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by tabigarasu-iso | 2013-06-24 00:00 | 随筆 | Comments(0)

蟻に学び

 家の中の甘い果物の匂いを嗅ぎつけて、蟻は何処からともなく現れます。それも一匹や二匹ではなく列を作り整然と現れますから、当方はただ恐れ入って見守るしかありません。

 当方、地下の巣で腹を空かせて待つ幼虫に持ち帰る邪魔などする気持など毛頭もなく、やがて訪問する要件がなくなる時期を待つことにします。その間、こちらに何か悪い影響でも引き起こすなら放っては置けませんが、余り物を持ち帰るだけですから問題はありません。

 猫の食べ残した僅かな餌も見付け、蟻は列を作りせっせと巣に運びます。まもなく猫の餌は跡形もなく消え失せ、腹を空かせて立ち寄った猫は空になった容器の前で唖然とするばかりでした。

 何処までも出掛けて餌を探す働きものの蟻には餌を与える必要はありませんが、鼠を獲れなくなった猫は痩せ細る。つい見かねて餌をあげながら、蟻に学びなさいと説教するのでした。

 梅雨空に 蟻の行列 良く栄えて
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by tabigarasu-iso | 2013-06-22 00:00 | 随筆 | Comments(0)

剪定の後片付け

 剪定した枝、積み上げて置くほど広い庭ではありません。燃えるゴミの日に出し、市の焼却場で燃やして貰いましょう。

 それには、市の指定した燃えるゴミ袋に入れなくてはなりません。切り落として散乱した枝を剪定鋏で三十センチメートルほどに切り刻み、手袋を両手に嵌めてせっせと燃えるゴミ袋に詰め込みます。

 素直に入ってくれたら良いのですが、中には袋を破る元気な枝もあり、飛び出さないよう上手に丸めて詰め込まなくてはなりません。

 そこは田舎育ちの腕前でテキパキ袋詰めすれば上手いと誉めて貰い、調子に乗って剪定の後片付けは終了となりました。

 剪定の 枝から臭う 夏の香よ
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by tabigarasu-iso | 2013-06-21 00:00 | 随筆 | Comments(0)

枇杷の季節

 太陽光を葉に受け根から水分を吸い上げ日毎に育つ植物のお陰で、我ら動物は生かされています。

 その勢いの凄まじいこと動物のようで、今日より明日は一回りも大きく枝先を伸ばして頼もしいではありませんか。

 小さな庭先に根を張った枇杷の木も遠慮なく伸びて、今年も小さな実を沢山付けてくれました。

 少し分けて貰おうと周囲の椿と金木犀の枝を鋏で払い、枇杷の実を見えるようにすれば、それを狙ってオナガ鳥も立ち寄り、人の去るのを見守っています。

 もぎたての 枇杷の甘さよ すっぱさよ
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by tabigarasu-iso | 2013-06-20 00:00 | 随筆 | Comments(0)

選挙に出馬する猫

 いよいよ、海外では猫までが選挙に出馬することになったようです。人の権利だけを主張する政治に呆れ、猫の権利を主張することにしたのでしょうか。真意は猫に聞いてみなければ判りませんが、同じ地球上に生きる生命体の代表として、犬やメダカも注目しているようです。

 そんな海外の動きを知れば、人に従順な国内の犬も自由を求めて市長選に出馬するかも知れません。首輪を付けて鎖に繋ぐなど、犬族が自由に生きる権利を奪う人間の勝手には我慢がならない筈です。

 ところで、猫が市長に当選したなら、どんな政治を行うことでしょう。当然のことながら、猫族にも税金を納めさせることになります。さもなければ、税金を納める市民が猫市長の指示に従うことはありません。

 また、犬の市長が当選したなら、何処でも好きに歩き回り交通ルールも守らない猫族に対して、どんな義務を負わせることでしょう。鼠を捕獲することは元より、夜間の喧嘩は禁止になるに違いありません。

 ブチ猫よ 白黒付ける 役担い
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by tabigarasu-iso | 2013-06-19 00:00 | 随筆 | Comments(0)