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白髪の旅ガラス

夢うつつ

 静かな寝場所は有り難いものですが、枕の加減で寝たようで寝ないような、知らぬ間に時が徒に過ぎるものです。どうせ眠れないなら、起きて仕事でも趣味でも、好きに時間を使えば良いと思いながら、これも夢だろうと寝た振りをする。

 寝たようで起きていたようで、時計を見れば、床に着いてから既に五時間が過ぎています。このまま深い眠に陥れば、予定の時刻には起きられそうもありません。ならば、夢うつつを楽しむ事にします。

 美味しい料理、Eメールでコメントや写真など送るより、自分を無線通信で相手先に送り込み、その場で料理してあげようか。これは誰も想像したこともないアイデアであり、実現すれば人の役に立つこと間違いありません。

 けれど、好ましくない相手も通信回線から当方に乗り込むことになります。それを避けるには、受信拒否機能を通信端末に付加すれば良い。それも突破する輩が現れたらどうするか、折角のアイデアだがどうしたものだろうか、あれこれ思案する間に起床の時間となりました。

 カッコウの 鳴き声遠く したような
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by tabigarasu-iso | 2013-05-31 12:30 | 随筆 | Comments(0)

鐘二つ

 日曜の昼、予選を通過した歌好きが熱唱する。中には、歌唱力より努力賞を狙って参加する人も居るが、それはそれで構わない。開催地特有の匂いを感じたくて、昼飯の箸を停める。

 大半の参加者は、鐘を三回以上鳴らそうと努力する。その通りになれば司会者に抱き付き、そうでなければ何となく居心地が悪そうな複雑な表情になり、それでも気を取り直して控え席に戻って行く。

 そんな出場者の中にあり、鐘二つで満面の笑みを浮かべる人が居た。十年前の評価では鐘一つ、それが悔しくて今回の狙いは鐘二つを鳴らすことであったそうな。その願いが叶い嬉しそうに引き上げる後姿は、不思議なことだが輝いて見えた。

 プロの歌手を目指すなら兎も角、歌を楽しむのならそれで良い。過日、自分でも歌を歌う機会があったものの、晴々と歌う人の声援に終始したことを想い出させる鐘二つだった。

 鐘二つ 喜ぶ顔に 赤いバラ
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by tabigarasu-iso | 2013-05-30 12:45 | 随筆 | Comments(0)

今年のヤモリ登場は早く

 いつもなら六月半ばか七月初めに台所のガラス窓に登場する我が家のヤモリですが、今年は五月末に早々と登場してくれました。

 このところ、野良猫とコミュニケーションを頻繁に取るようになりましたから、もしかしたらヤモリは近寄らないかも知れない。近寄ったにしても、野良猫に捕食される恐れが多くなる。

 そんな心配を余所に昨夜遅く、我が家の台所の窓ガラスに現れ、室内の明りに誘われて集まる小さな蛾を狙い、ガラス枠に隠れて自分の影を隠すか、ガラスに貼り付いたまま静止して、捕食の気配を消す様は何とも愛らしいものです。

 もっとも、それを発見したのは相方で自分は教えて貰っただけですから、今宵は自分の目で確かめて喜びを味わいましょう。それが昨年と同じ親であれば永年に頭を下げ、子供であれば成長振りに遠くから拍手を贈ります。

 野良猫に ヤモリ加わり 賑やかに
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by tabigarasu-iso | 2013-05-29 00:00 | 随筆 | Comments(0)

 スギ花粉の飛散が多い三月になり、生まれて初めての経験であった。近眼、老眼、乱視の他に病んだことのない両眼には、何物かが入り込んだようで渋く、風邪も引いていないのに鼻汁は止まらない。

 これが、今の世の中で多くの人が苦しむスギ花粉症と言うものか。花粉であれば植物が子孫を残す自然の産物だから、季節の贈り物として諦めるしかない。ただ、花粉を飛ばす杉ばかり植えたのは国策であり人である。

 これは、工場から排出する汚水や排気ガスが水や大気を汚染する公害と同じではなかろうか。昨今、環境に有益な影響を与える活動として植林活動があるくらいだから、杉の植林がやがて公害を引き起こすとは誰も想像しなかったであろう。

 とは言え、自ら花粉症の仲間に入り、その原因を少し考えてみれば、広葉樹林を皆伐して杉の植林を優先した国策だと分かる。無理に増やした杉林を皆伐して広葉樹に切り替えることで、スギ花粉症公害の責任を取る政策転換が必要ではなかろうか。

 最中過ぎ 漸く語る 花粉症
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by tabigarasu-iso | 2013-05-28 18:27 | Comments(0)

朝鮮アザミの蕾

 昨年と同じ場所に蕾を膨らませた朝鮮アザミ、子供の顔より幾らか小さめながら、自転車置場の隅にあっても大陸から渡った貫禄を見せつける。

 いつも車道から成長振りを見守っていたが、近くで見ればそれは見事な蕾であった。一瞬、食べても旨そうだなと思ったものの口には出さない。

 やがて、色濃い鮮やかな大輪の花を咲かせてくるだろう相手に対し、一瞬たりとも湯がいてマヨネーズを付けて口にする想像などもっての外である。

 それにしても、幾重にも折り重なった花弁の肉の厚いこと。つい先程の不謹慎を反省しながら、囲炉裏の灰に埋め熾きの余熱で蒸した百合の根を想い出してしまった。

 蕾見て 涎垂らすは 情けなや
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by tabigarasu-iso | 2013-05-26 20:12 | 随筆 | Comments(0)

メダカの孵化する季節

 成長したメダカが群をなして泳ぐ姿は美しいものです。やがて水草に卵を産み付けるようになりますが、子孫を餌と看做して食べてしまうメダカが後を絶ちません。

 卵の産み付けられた水草を発見したなら直ぐ取り出し、メダカの居ない水槽に移せばやがて孵化することは分かっていても、そのタイミングを考えている間に卵は消えてしまいます。

 そんな失敗をしないよう、水槽に入れた水草を定期的に入れ替える。ただし、水槽から取り出した水草はバケツか水槽に入れて暫らく水に浮かせて置く必要があります。

 それを実践してから二週間が経ち、何気なしに水草を浮かせた水槽を覗いてみました。予測した通り、そこには数ミリの命がリズミカルに動いています。もうしばらく泳がせ、網で掬えるようになったなら、親の元に返してあげましょう。

 水草を 親と信じる メダカかな
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by tabigarasu-iso | 2013-05-25 15:47 | Comments(0)

マイカレー

 カレーの素、米、肉、タマネギ、ニンジン、ニンニクなど、購入した品々に包丁を入れ、鍋に入れて炒めて煮る。こうして、他では味わえないマイカレーが完成した。

 ニンニクの玉一つ分を油で炒め、そこにカレー用の豚肉を混ぜて表面が狐色になるまで炒めながらその上にコショウを少し振り落とす。辛いカレーにしたければ、タップリとコショウを振り落とせば良い。

 その上に切り刻んだタマネギを呆れるほど落とし込み、幾らか透き通るまで炒め続ける。適当なところで水を足し、大きく刻んだジャガイモと色を楽しむニンジンを入れ、圧力釜の蓋をしてから、蒸気の噴出すまで麦酒を飲んで待つ。

 蒸気の音が聞こえたらガステーブルの火を止める。蒸気の音が消えたところで鍋の蓋を開け、灰汁を取り除いてからカレーの素を溶かし込む。その時、板チョコを入れるのを忘れない。

 弱火で数分煮込めば、カレーは完成する。米は良く磨ぎ、水を入れて半時間程待ってから急いで炊く。すると、表面が輝いて粒の立ったライスになる。そこへカレーをたっぷり掛ければ、マイカレーは完成だ。

  白州に 赤松萌えて 夏近し
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by tabigarasu-iso | 2013-05-24 00:00 | 随筆 | Comments(0)

親子関係の判明

 街の中を自由に歩き回る猫族は、それが出来ない犬族からみたら羨ましい限りである。野良猫であろうが、飼い猫であろうが、屋内外を自由に動ける点では変わらない。最近では屋外に出さない飼い方も増えたようだが、犬族より身軽だから逃亡のチャンスは何時でもある。

 もとより野良猫は、車の下や生垣の中で寛ぎ、腹が減れば餌のありそうな縄張りを探す。その一つになってから、トラ猫、ブチ猫、ミケ猫が次々に訪れるようになった。やがて慣れてくると、旨い餌を求める厚顔な猫も現れた。

 瓜二つの黒色系のトラ猫は姉妹であろう。大きなブチ猫は色から雄だと思い込んでいたが、腹を見せて寛ぐ姿から雌だと分かる。大きな暖色系のトラ猫は、甘える鳴き声から雌だと決め付けていたが、歩き去る後姿に玉を見付けて雄だと分かった。

 ミケ猫は殆ど現れないから、同じ餌場を仲良く分け合うトラ猫とブチ猫は家族に違いない。だとすれば、大きなブチ猫と大きな暖色系のトラ猫が夫婦であり、黒色系のトラ猫二匹と時々顔を見せる全身が黒い猫の三匹は子猫であろう。

 寝苦しい 夜の暑さは 夏を呼び
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by tabigarasu-iso | 2013-05-22 12:12 | 随筆 | Comments(0)

 環境ISOの審査を終えて、小田急線の新松田駅から小田原駅に急行で数分までは順調な帰路であった。

 そこから、JRの湘南新宿ライン高崎行で◎◎駅まで車窓を楽しむつもりであったが、JR京浜東北線与野駅で早朝に起きた人身事故の影響で二時間余りの遅れとホームの掲示板に表示され、取り敢えずホームに入った東海道線の東京行に乗る。

 ところが、平塚駅で少し待てば湘南新宿ライン高崎行の電車に乗れると車掌が言う。その言葉通り電車は来て乗り込んだものの、暫らくして車内アナウンスによれば新宿駅を終点とする勝手で、そこから先に行く乗客のことを何と心得ている。

「新宿から先に行きたいのですが」
「はい、後から湘南新宿ライン宇都宮行の電車が数分後に参ります」
 ならば有り難い、新宿駅から大宮駅まで行けば高崎線の下りに乗れるだろうと思ったのは間違いであった。

 大宮駅の高崎線の下りも大変な遅れである。一時間近く遅れて入った電車に乗り込む余地はなく、当てにならない次の電車を待つことになった。

 赤松の 林を迷う 朝の霧
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by tabigarasu-iso | 2013-05-20 00:00 | 随筆 | Comments(0)

大先輩

 幾つ歳を取っても、先輩の方には敵いません。普段は一人で審査することの多い環境ISO審査において、大先輩の方とチームを組むことになりました。

 かつて、同じ先輩と審査チームを組んだ記憶が俄かに蘇ります。当時、抽象的な発言をすれば厳しく叱られ、冗談など全く通じなかった方ですから、審査前日まで気持は沈んだまま。

 ところが、あれほど厳しかった先輩の表情は温和になり、言葉尻に当時の面影は残っているものの、眼の奥に力強さを感じられません。一体どうしたことでしょうか、まさか本人には確認できず推し測るばかりです。

 それを見抜いたのでしょうか、先輩は突然自分から告白しました。
「永年勤続表彰をして貰ってから、審査に臨む気持が燃えなくなりましてね」
 審査員にも定年があります。永年勤続表彰は定年の予告とも言えますから、黙って頷くだけでした。

 あの花は 誰が名付けた ネズミモチ
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by tabigarasu-iso | 2013-05-19 00:00 | ISOマネジメント | Comments(0)