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白髪の旅ガラス

秋の運動会

 勢力の強い台風が接近する中、空模様を気にしながら、小学校の運動会を観て参りました。私共の為に用意された席は大きなテントの中にあり、周囲は高齢者の方ばかりです。

 孫やひ孫の競技に声を上げ、立ち上がってカメラを構える同類に埋もれ半日過ごせば、帰路の電車は夢の中となりました。

 夢から醒めて想い起こせば、自分の子が競技した時とは異なり、大声を張り上げなかったものの、徒に宙を舞うだけの玉入れに気を揉み、大きな割に足の鈍い選手に溜息をつき、騎馬戦の俊敏な帽子取りに立場を忘れて興奮したものです。

 それにしても、小学六年生にもなれば体格の良い子が多い。顔は小さく幼いものの、傍に寄れば見上げる長身には、爺様は歩きながら改めて驚きます。それに、挨拶も正しく出来ますから、職場に無言で入り、無言で出て行く大人よりとても立派でした。

 昔見た 爺様席に 座る今
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by tabigarasu-iso | 2012-09-30 10:00 | 随筆 | Comments(0)

いなり寿司

 その昔、運動会や演芸会があると、母親に作って貰ったのが「いなり寿司」でした。油揚げとカンピョウを醤油と砂糖で煮込み、酢飯を油揚げが破れそうになるまで入れ、胴体を味付けしたカンピョウで締めるものです。

 今では、「いなり寿司」など御馳走ではありませんが、何もない時代の山村のことですから、醤油と砂糖の煮込む匂いを鼻にしただけでヨダレが流れ出ました。その条件反射は未だに消えることがなく、コンビニでは「いなり寿司」を手に取り、幾重もの包装を開ける間にヨダレが流れます。

 残念ながら、母親の作った「いなり寿司」を、今は口にすることは出来ません。けれど、明日開催される孫の運動会に備え、夜遅く「いなり寿司」を作り始めた相方の姿から、当時の光景が蘇ります。

 その味は比べようもありませんが、誰かの為に必死で拵える「いなり寿司」は、店頭に並んだものより遥かに旨い。それだけは、今も昔も変わりません。また、これからも変わらない思い遣りの味と言えるでしょう。

 いなり寿司 分けてあげたい 隣の子
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by tabigarasu-iso | 2012-09-29 05:30 | 随筆 | Comments(0)

明るい明日に備えて

「ところで、どんな模擬審査を期待されますか」
「理解出来ていない点、運用されていない点を厳しく指摘願いたい」
「歯に衣を着せない指摘ですね」
「そうです。さもなければ、コンサルに模擬審査をお願いする意味がありません」
「望むところです。ずばり、理解度のABCランク付けをしましょう」

 そこで始めた模擬審査ですが、相手の顔を見れば厳しい言葉は言えません。優しく質問しながら、不充分な点を具体的に説いて行きます。
「トップの見直しは、年度末に実施されています。その中で、あなたの部署が該当する内容を教えてください」
「・・・」
 
 このままでは、次に進めません。事務局に頼み、その内容を液晶プロジェクターで表示して貰いました。
「この中から、あなたの部署に関係する指示事項を教えてください」
「・・・」

「それでは、質問を変えます。あなたの部署では、燃え易い危険物を扱っていますか」
「はい」
「それは、どんな法規制が適用され、どんな要求事項があり、どう対応されていますか」
 責任者は後を向き、担当者に確認します。けれど、その担当者も詳しくない方のようで、厚いファイルを当てもなく捲るばかりでした。

 つかつかと歩み寄り、ファイルの該当箇所を開いてあげてから、事務局に同じ箇所を液晶プロジェクターで表示するよう頼みます。
「宜しいですか。危険物の保管には、消防法が適用されます。保管量により届出が必要になりますが、その資料を見せてください」
「それなら分かります」

 かような場合、責任者と担当者の評価はランクCであり、早急な改善が必要でしょう。そこで、歯に衣を着せないで伝えました。
「何故、法規制が適用されるのか、その目的を理解したうえで全ての要求事項を把握し、要求事項毎に対応している証拠を自ら確認なさってください。さもなければ、明るい明日はありません」

模擬だから 本番超える 指摘して
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by tabigarasu-iso | 2012-09-28 09:00 | コンサルサービス | Comments(0)

安心して暮らせるメダカ

 これまで、左官屋さんが砂とセメントに水を混ぜる平らで丈の浅い練り桶に水を入れ、金魚とメダカに棲んで貰っていましたが、同じ魚でもサイズが違い過ぎて気を遣うことであろうと考え、メダカに引っ越して貰うことになりました。

 バケツに金魚とメダカを掬い入れ、稲の株ほどに勢力を増した水草を引き抜き、汚れた水をサイホンで桶の外へ流し出せば、ドブの匂いが漂うこと暫らく。それが駐車場から通りの脇を流れて行きました。

 近所から悪臭の苦情が発生する前に何とかしなければなりません。ホースで水を入れ、ヘドロで汚れた砂を急いで洗い、桶を傾けて汚れがなくなるまで何度も繰り返します。額から玉の汗が流れ落ちても拭く手を惜しみ、水草を一株だけ奇麗に洗い桶に入れ、そこに水を入れて金魚だけ移しました。

 その美しい泳ぎに見惚れていれば、天が味方して大粒の雨を落とします。その激しいこと頼もしく、駐車場から通りまで汚れと匂いを取り去ってくれました。ほっとしたところで、バケツに残ったメダカを水槽に移せば、かつて産み落とした子や孫が、爺さん、婆さん、初めましてと迎えてくれます。

 そこで爺さんメダカは、子や孫に言いました。
「やれやれ、漸く安心して暮らせる」
 素直な孫は不思議そうに尋ねます。
「何か恐いものでも棲んでいたの」
 爺さんメダカが言って良いものか迷っていると、婆さんメダカが替わって答えました。
「そうだよ、赤い身体で大きな口を開けた怪物さ」

 背広には ネクタイ似合う 秋の風
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by tabigarasu-iso | 2012-09-27 12:10 | 小説 | Comments(0)

法規制を守るPDCA

 環境ISOでは、法規制を守ることが必須です。それを環境方針で明らかにして、全ての要求事項を実行しなければなりません。

 守る法規制とその要求事項を明らかにするのは、順守システムの計画(P)になり、要求事項を全て守る行動は、順守システムの実施(D)となり、全てを守っているか確認する行動は、順守システムの点検(C)であり、順守システムの見直しは、システムが有効か否か評価する(A)ことになります。

 順守システムの計画(P)では、自社の活動に関して、どんな法規制が適用されるのか、環境的な側面と法規制の関係を連動させて考えなくてはなりません。例えば、硫酸を入れた大きなタンクを保有していれば、設備の老朽化や地震などが原因で、そこから硫酸が流出する可能性はないか、流出した硫酸が雨水溝から河川に到達しないか、環境的な側面を想定します。この側面に適用される法規制には水質汚濁防止法があり、事故時には行政機関に届け出なければなりません。

 こうした計画の内容を知らなければ、事故時の届け出は出来ず、当然のことながら法律違反であることも知らない。そうならないよう、計画を全て把握した上で全ての要求事項を守るのが順守システムの実施(D)です。要求事項は時代の要求に従い刻々と変化していますから、計画を軌道修正しながら確実に順守するのは、経験を積んだ担当者でなくては務まりません。

 順守システムの点検(C)は、そうした担当者の業務を更に確認することになりますから、専門的な知識と豊富な経験で、担当者から報告された内容の正当性や弱点を見抜く管理者が必要です。しかしながら、こうしたダブルチェックの点検体制は希であり、担当者が管理者の役目も兼ねているのが現状でしょう。

 システムの有効性の評価(A)は、順守システムの脆弱な点を見抜き、対策まで提案することです。その役目を果たす管理者が居れば、何の問題もありません。そうでない場合は、内部監査員、外部審査員、環境コンサルに評価させる経営者の判断が必要になるでしょう。

 寒暖の 節目正しい 彼岸かな
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by tabigarasu-iso | 2012-09-26 06:59 | ISOマネジメント | Comments(0)

赤トンボは何故赤い?

 昔、ある村の小川の傍には、何でも知っている爺様が婆様と二人で仲良く暮らしていました。誰の悩み事にも分け隔てなく相談に乗り、見返りは何一つ求めません。それでも智恵を貸して貰った村人は、お礼として野菜や米など何かしら置いて帰ります。

 ある時、子供から質問されて困った村人が、爺様の家を尋ねました。
「つまらない話ですが、赤トンボは何故赤いか、小学生の子に聞かれて困っています。トンボに訊いてみろと言ってはみたものの、トンボは話せねと返されてしまいました。このままでは、親の言うことを聞かない子供になりそうで心配です。爺様、何か良い智恵を貸してください」

 キセルをポンと叩き、爺様は坊主頭を撫でながら。
「うん、それは賢い子だ。赤トンボは何故赤いか、本当のところは知らないが、爺様の第六感では、気温の所為ではなかろうか。そこでだ、それが本当かどうか、これから一生懸命に勉強して、真実が分かる子になりなさいと、そう諭してはどうだろう」

 何でも解決してくれるものと期待していた村人は、肩を落として帰宅しました。そこで、子を呼んで正直に話せば。
「うん、良く分かった。おいら、爺様の言う通り、一生懸命に勉強するよ。そして、赤トンボは何故赤いのか、教えられる爺様になる」
 そこで村人は、爺様の智恵の深さを改めて知ったようです。

 赤トンボ 何故に赤いと 聞かれても
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by tabigarasu-iso | 2012-09-25 09:00 | 小説 | Comments(0)

環境法規制のおはなし

 環境側面とは、装置や活動の環境に影響を与える面であり、装置がコンプレッサーなら駆動する電気の使用や騒音の発生が該当し、また、活動が生産なら原材料の使用、原動電力の使用、廃棄物の発生、それに製品の出荷が該当します。

 では、環境側面に適用される環境法規制を特定するには、どうしたら良いのでしょうか。まず、電気の使用や原動電力の使用に関係する環境法規制を調べます。直ぐに省エネ法が関係すると分かりますが、適用されるか否かは使用量で決まり、その基準から外れていれば適用されません。同じ様にして、騒音の発生に関係する環境法規制を調べれば、騒音規制法があり、対象となる装置か、適用される地域か、何れにも該当すれば適用されると分かります。

 適用される環境法規制が特定された後は、その法規制が要求する内容を確認しなければなりません。騒音規制法であれば、コンプレッサー等の設置や廃止の届出が事業者への要求の内容であり、騒音の苦情があれば、該当地区の行政機関が騒音を測定することになります。

 環境側面と環境法規制の適用に関しては、環境側面の変化や環境法規制の改定に対応しなければなりません。有害物物質を扱う装置を新設しようとする場合、有害物質の使用が環境側面の変化であり、水質汚濁防止法では有害物質を扱う装置の設置許可が法規制改定内容であることを確認の上、対応する必要があります。

 赤トンボ 停まりたいなら この指に
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by tabigarasu-iso | 2012-09-24 08:55 | コンサルサービス | Comments(0)

ふるさと審査

 生まれ故郷の群馬県、そこで環境ISOの審査を行う機会に恵まれた。審査内容が変わる訳ではないが、故郷の二文字で心が変わるのは不思議なものである。

 まず、初回会議の挨拶からして、群馬の二文字は忘れない。
「初めまして、東京の方から参りましたが、生まれは群馬県ですから、故郷の為に環境ISO審査をさせて頂きます」

 ところが、審査先は群馬県に在るものの、審査の相手は他県の方ばかり。そこで、審査とは関係の無い話で肩の力を抜いて貰う。
「上毛カルタ、御存知ですか」

 誰も知らないようである。
「これは、重大な不適合に繫がる懸念があります。群馬で働くなら、群馬の文化を知らなくてはなりません。さもなければ、群馬の要求を満たせないではありませんか」

 元県人として言わせて貰えば、群馬の要求事項は、上毛カルタを何時でも言えること、焼まんじゅうの味を知っていること、カカア殿下を許すこと、義理人情に厚いこと、そして鶴舞う形ながら海を知らないことであろう。

 そう講釈を述べた後で審査に入れば、審査の旨く進むこと、驚くばかりである。
「いや、かように指導的な審査は初めてです」
「ありがとうございます。但し、審査アンケートには、指導的を抜かないように」
 こうして、故郷の審査は拍手を持って終えた。

 故郷の 想い出探す 言葉尻
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by tabigarasu-iso | 2012-09-23 09:23 | ISOマネジメント | Comments(0)

 吾妻線とは、何と素敵な路線名でしょう。カカア殿下の上州を代表する地名を路線に着けて貰いながら、利用客が減少したため常駐の駅員が居ない路線となりました。

 その事実は、大分前から承知していたものの、両毛線の車両にスイカの使えない吾妻線のシールが貼られていたことには、そこを故郷にする一人として改めて大きな衝撃を受けたものです。

 今や、スイカ等カード全盛期を迎え、現金が無くても電車を利用でき買物も可能な時代にありながら、それが使えない吾妻線であることを強調された訳ですから、時代遅れのシールを貼られたのと同じような気持になりました。

 良く考えてみれば、無人駅こそ自動改札専用のスイカ端末を設置するべきではないかと思うのです。入金額が不足した時などは、車内で精算できる装置を設置すれば良い。如何なものでしょう、JRさん。

 文明の 去り行く音は ダムの底
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by tabigarasu-iso | 2012-09-22 12:00 | 随筆 | Comments(0)

メダカの環境改善

 熱帯魚を飼育する水槽では、メダカの群が気持ち良さそうに泳いでいます。水が循環していますから、水流に向かい何匹も頭を揃えて、誰が生徒か先生か話し合っているのでしょう。

 水槽の近くに顔を寄せれば、メダカも反応して寄って来ます。きっと腹を空かせていることでしょうから、セッセとメダカ用の細かな餌を撒きました。それが朝と晩ですから、小さなメダカも忽ち大きく育ち、お腹の大きなものが増えたようです。

 間もなく、産卵するかも知れません。急いで産卵場所を設けてあげなくては、産んだ卵は餌になってしまいます。相方に頼み、産卵に適した水草を購入して貰いました。その配置、人の目では素晴らしい。

 幾種類もの水草に囲まれたメダカは、慌しく餌を食べ終えて、泳ぎを止めると水面近くに静止しています。下方の緑に狙いを定めて、今宵は産卵するものも現れるかも知れません。

 春ミリの メダカ育って 秋に親
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by tabigarasu-iso | 2012-09-21 09:00 | 随筆 | Comments(1)