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白髪の旅ガラス

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牽かれた車中の老夫婦

 東京駅の直ぐ近く、昼食に七百二十円のチラシ寿司を食べ、ホッとした後のことです。歩道を覆う桜の若葉が勢力を増す脇を見れば、警察のレッカー車が高級な外車を台車に載せて牽いて行くところでした。

 法律違反を取り締まる健全な光景に遭遇したのは、食後の消化には良いことでしたが、台車に載った外車の中を見れば、前後の窓を開け放った後部座席には、余生を楽しむ世代に入った夫婦が座って居るではありませんか。

 そのナンバープレートを見て、都内に詳しくない人の車と分かりました。レッカー車に牽かれたのは、運転手の不在が法律に違反したのであろうと推察したものの、老いた二人を後部座席に座らせたまま牽いて行く、強制的な執行は如何なものでしょう。

 ところが、そんな心配は御無用とばかり、後部座席の老夫婦は慌てる様子など微塵も見せない落ち着き振り。一方、停めて置いた所に車がなくて、気楽な運転手は大いに慌てたことでしょう。

 それにしても、牽引する車の中に人を載せ、果たして問題はないものでしょうか。万が一にも牽引の接続部が外れ、車内の老夫婦が怪我でもしたなら大変です。そんな心配をした所為でしょうか、胃の中でチラシ寿司のネタが踊りました。

 潔く 牽かれて行こう 違反車で
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by tabigarasu-iso | 2012-05-31 08:59 | 随筆 | Comments(2)

刀と同じ言葉

 知らない間に言葉にして、人を傷付ける言葉は沢山あります。余りに多くて、誰一人傷付けないように気を配れば、会話が成り立たないかも知れません。

 最初から人を傷付ける目的で用意した言葉もありますから、それらを可能な限り承知して置く必要があります。それを知らないで使用すれば、刀や銃と同じく言葉で人を傷付けることになるでしょう。

 人を傷付ける言葉には、センミン、ポリ公、木っ端役人、おたく、アカ、めくら、つんぼ、おし、どもり、びっこ、おかま、レズ、ホモ、白痴、廃人、チビ、乞食、ルンペン、ポンコツ屋などがあります。

 こうした言葉を使用して、相手を傷付けることは避けなければなりません。ただし、言葉は、使う相手、使う場所、使う時、使う人の人柄、使い方、使う目的により意味が異なる場合もあり、一概に善悪は決められないものです。

 竜巻の 注意報出て 閉める窓
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by tabigarasu-iso | 2012-05-30 08:58 | 随筆 | Comments(2)

温暖化の影響

 産業革命以降、人間は地中から化石燃料を取り出し、地上で燃やしては煙にして、大気中に放出してきました。その結果、気候の温暖化は進み、様々な影響が発生することでしょう。

 気温の上昇により、陸上の氷河や南極の氷が溶けて海に流れ出し、また海水自体が膨張して海面が上昇することで、海抜の低い所では海水に埋没する土地が増えるでしょう。

 動物や植物は、自分達に適した土地で種を維持しています。温暖化が進むと気温の低い地方に移動する必要が生じ、それが出来ない動植物は絶滅することになるでしょう。

 熱帯や亜熱帯の海に棲息するヒョウモンダコが、三重県南部の熊野灘沿岸で発見されています。このタコは、フグと同じテトロドトキシンと言う猛毒を持ち、うっかり触るものなら命が危ない。また、熱帯地方のマラリアの北上も想定されるでしょう。

 温暖化の影響で雨量が減り、アメリカの穀倉地帯やヨーロッパ、アフリカなどで水資源が大きく減少することが予想されています。その逆に、東南アジアなどでは雨が多くなって河川流量が増え、タイのような大きな洪水が今後も発生することでしょう。

 気温が急激に高くなることで、異常気象が多発し、水資源が足りなくなることなどから、バングラデシュでは小麦の生産量が六割減になるという予想もあります。また、日本の米生産は、北日本では増産になるが南日本では高温障害のために減産となり、トータルの収穫量は減ることになるでしょう。

 食糧の大半を輸入に頼る日本ですから、それが穀物輸出国から手に入らなければ、終戦後のように食糧を求めて田舎へ買い出しに走ることになるでしょう。そんな時を迎えない為には、私達の誰もが温暖化の影響を自分達の問題として捉えなくてはなりません。

          温暖化 動植物を 追い越して
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by tabigarasu-iso | 2012-05-29 11:46 | 随筆 | Comments(0)

飲み水騒動

 〇〇化学メーカーは、ホルムアルデヒドを生成する原因物質であるヘキサメチレンテトラミンを含む廃液60トンを、産業廃棄物として処理を△△産業廃棄物処理業者に委託した。

 その廃液について、△△産業廃棄物処理業者は塩素と混ぜるとホルムアルデヒドに変化する化学物質であることを知らない。利根川支流の烏川に排出された廃液は、下流にある浄水場で取り込まれ、殺菌に使用している塩素と化学反応して、ホルムアルデヒドを家庭に送り込むことになる。

 ホルムアルデヒドの濃度が基準以上の浄水場では、給水を停止した。結果、多くの家庭が安全な水を求めて移動し、給水車から水を分けて貰う騒ぎになったが、廃液を出したメーカーは廃棄物処理業者が適性に処理することを期待し、廃棄物処理業者はヘキサメチレンテトラミンが含まれていれば処理できないので引き受けなかったと言う。

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)では、排出事業者は適正処理方法について情報を提供することが要求されているから、後者の言い分が正しいようである。それが分かったところで、排出時に有害でない物質が遠く離れた下流の浄水場で有害物質に変化する事態を避けるには、塩素と化学反応する原因物質の全てを河川に排出させないようにするか、浄水場で塩素を使用しない殺菌方式に切り替えることが必要であろう。

 上流の 言い争いより 下流見て
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by tabigarasu-iso | 2012-05-28 09:00 | 問題解決 | Comments(0)

不名誉な化石賞

 化石賞、これは貴重な化石を発見した人に与える名誉な賞などではない。温暖化対策を議論する国連会議で、交渉に最も後ろ向きの国へNGOが与える不名誉な皮肉賞である。

 今回の受賞は、経済発展目覚しく、世界1位の温室効果ガス排出国となった中国だ。その理由は、「先進国がより重い責任を負うべきだ」とする現状を無視した後ろ向きの主張である。

 世界3位の温室効果ガス排出国であるインドも、予定外な議長に立候補して会議の進行を混乱させて負けていない。先進国の日本は、2020年まで削減義務は負わず、自主的削減に努めることにした。

 ここで問題になるのは、気候の温暖化が進み、海面上昇の危機にさらされている国が現に存在することである。してみれば、先進国であろうが新興国であろうが、今以上に温室効果ガスを増やさない責任がある筈だ。

 原子力発電が全て停止した日本は、今後暫くは石炭と天然ガスを燃やす火力発電に頼るしかなく、削減義務を負わない自主的削減の道を選択したが、その数値が後退すれば、次は化石賞を受賞できるかも知れない。

 海水に 沈む国から 物申す
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by tabigarasu-iso | 2012-05-27 10:00 | 随筆 | Comments(0)

解放されて

 自分の農場で牛を飼い、自分の畑で野菜を作り、自分の山から丸太を運ぶ。そんな自由人は、都会に向かうサラリーマンが痴漢に間違われないように両手を挙げて、汗臭く酸欠の満員電車に耐える光景を何と思うことであろうか。

 あれでは、仕事を始める前に疲れてしまうではないか。それは、当事者の思いと同じであるから正解である。時差通勤すれば良いが、相手の都合により誰でも出来る訳でもない。いつの日か、空いた電車で仕事に出掛ける日を夢見る。

 新幹線で仕事に向かう人も、通勤地獄を知らない。自由席に立つのは希であり、指定席で新聞を広げて殿様の気分である。ただ、そうなるには通勤地獄に耐えて、出世して高給取りになってからでないと叶わない。

 在宅勤務と言うハイカラな勤務形態がある。会社からパソコンと通信手段を借り、自宅で済む仕事は自宅で行い、会社に出るのは必要な時だけで良い。これは、実に合理的な仕事の形態である。通勤地獄から解放され、ゆっくり朝のコーヒーを飲み、じっくり新聞に目を通し、好きな音楽も聴き放題であるから、理想と言えるだろう。

 ただ一つ、自宅でも仕事が出来ると言う、事情を知らない近所の目が気に掛かる。天気の良い日には、携帯電話をポケットに入れ、近所の人には会わないよう、そっと玄関から抜け出す工夫は欠かせない。

        アマリリス いつまで経っても 葉ばかりさ
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by tabigarasu-iso | 2012-05-26 09:00 | 随筆 | Comments(0)

ヤタガラスが行く

 何故かしら、昨年の一月にまとめた「勝利のヤタガラス」と言う随筆を検索される方が急増した。発表した当時なら兎も角、一年も過ぎた時点であるから、私的には驚くアクアセス件数である。

 そこで、再びヤタガラスの謂れを調べてみれば、大昔、九州を統治する神武天皇が近畿地方まで遠征したが、地元の豪族の反撃に遭い苦戦していたところへ「ヤタガラス」が現れて進む道を教え、難を逃れた神武天皇は大和に都をつくることができたと言う。

 ヤタガラスは、組織を成功に導く象徴である。今が成功の只中にある人なら、誰が成功に導くカラスなどインターネットで探すものか。そうしてみれば、インターネットでアクセス件数が急増したのは、成功とは掛け離れた人が急増し、神頼みのインターネットでヤタガラスを探したところ、意に反して検索されたのが小生の「勝利のヤタガラス」であろう。

 そこには、迷える人を救う名言はなく、参考にする経験談もない。何故、ヤタガラスの足は三本なのか疑問を投げ掛け、俺流の解釈で終わるだけ。成功のヒントを期待した人は、裏切られたと思うに違いない。だが、そう簡単に成功の道を教えるヤタガラスなど見付かる訳がなかろう。自分流に成功は何か考え、自分流に成功の道を決め、その道を自分の足で歩く、自分がヤタガラスになれば良い。

 ネットにて 成功探す 暇な人
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by tabigarasu-iso | 2012-05-25 08:56 | 随筆 | Comments(0)

大き過ぎる雀

 この頃、かつては何処にでも居た雀を見掛ける機会が少なくなりました。時々、雨の上がった直後には、『晴れた、晴れた』と鳴く雀の声を聞き、その存在が漸く分ります。

 ある時、想像を越えた雀の置物を花売場で見掛けました。その大きさは、猫より大きく犬にも負けないものです。
「安いわね」
「必要ないね」

 突き放して答えたものの、花を植える鉢と土を選んだ帰路で、それをもう一度眺めてみれば、見上げる目付きが何とも愛らしい。

 その目で帰宅する自分を見詰めてくれたなら、どんなに癒されることであろうか。そう心を揺らしてから、先の見解を訂正することに。
「他では売ってない掘り出し物だよな」
「そうよ」

 竹薮じゃ 身動き出来ぬ 雀かな
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by tabigarasu-iso | 2012-05-24 08:04 | 随筆 | Comments(2)

遊び心を持つ人の育成

 資源の少ない日本が生き延びるには、技術開発で他の国より先行することが重要であった。その象徴として半導体デバイスやテレビ等があったが、品質競争で追い着かれ、価格競争で追い抜かれて、今やそれらの生産拠点が日本国内から消えようとしている。

 何故であろうか。アップル社やフェイスブック社などの大躍進を見れば判るように、技術開発よりユーザー開発に主眼を置き、夢を実現するのに必要な技術があれば、そこで初めて開発する姿勢の違いであろう。

 従来通り、ものづくりの高い技術力の重要さは変わらないが、その前に市場が必要としている物やサービスを知ることや、新しい市場を創り出す、洞察力、企画力、想像力に力点を置くことが必要なようである。

 それには、遊び心も忘れてはいけないようだ。ドラえもんに夢を語って貰い、鉄腕アトムから未来を学び、ウオークマンに発想の転換を教えて貰うのも、固い頭より柔らかな頭の方が良い筈である。

 環境ISOコンサル族にしても、国際標準の普及サービスに頼るばかりでは先がない。それを導入している組織に対して、ユーザー指向の製品やサービス開発が可能な遊び心を持つ人材育成サービスの提供が必要な時である。

 梅の実よ 酒に入るは いつと聞く
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by tabigarasu-iso | 2012-05-23 08:45 | 随筆 | Comments(0)

 太陽と地球の間に月が割り込み、瞬間的に太陽の光を遮る。そう滅多にないことであるから、大人から子供まで揃って、その瞬間を見ようとした。

 まともに見れば、太陽の光であるから眼が焼ける。何も持たない自分は、目を細くして少しだけ覗いてみた。その先には、月に反射して飛び散る朧な輝きがあったようである。

 いつもの光が急に途絶え辺りが薄暗くなった所為か、何となく不安な気持ちになった。それは、太陽から生きるエネルギー貰っていたウルトラマンが意地悪な月に邪魔されたかのようである。

「金環日食、見ましたか」
「残念ながら、その時間帯は電車で移動中でした」

 この答えは、正しくはなかった。まさか、ウルトラマンの立場で意地悪な月の話などしたら、還暦までの人生が疑われるではないか。

日食に 騒いだ後で 夕食も
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by tabigarasu-iso | 2012-05-22 08:45 | 小説 | Comments(0)