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白髪の旅ガラス

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ヒコーキ雲に誘われて

 日本晴れの空には、二本のヒコーキ雲が併行して走っている。その両端を探しても、ジェット機の姿は見えないから、大分前の軌跡であろう。

 この地では、数年間に何度も訪問しながら、快晴の日に遭遇したことがなかった。いつも曇りか雨模様ばかりであったから、職場を明るくする話題探しには、相手の目を見ながら気を配ったものである。

 今日の空は、誰も彼も、何を抱えていても、ほんの少し見上げるだけで、晴れの心にしてくれそうだ。そもそも、大きな地球の表面に張り付いて生きる人間の存在なんて小さなもの。100歳を越す長寿と言っても、千年を越える樹木の足元にも及ばない。

 そんな人間が抱える問題など、当人には重大であっても無限の空から見れば噂にも登らないことだろう。ただ、それを知るには、ヒコーキ雲を追い掛ける子供心が必要である。

 日本晴れ ヒコーキ雲を 追い掛けて
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by tabigarasu-iso | 2012-04-30 13:46 | 随筆 | Comments(0)

ギターを弾こう

 その昔、夜になると世の中の寂しがり屋を救う歌が流行りました。
♫寂しがり屋が一人 黙って夜明けまで ギターを弾こうヨ♬

 今、かつての若者が元気を取り戻し、街のあちらこちらで、ギターを片手に叫んでいます。
♫今日の仕事は 辛かった 後は焼酎を煽るだけ どうせ どうせ 山谷のどや住まい 他にやること ありゃしねぇ♬

 想い出しましょう。働く人の評価される時代の来ることを夢見て、新宿の地下街でギター片手に歌った人達の存在を。
♫夜明けは近い 夜明けは近い 友よ・・・♬

 決して歌の世界だけではありません。アラブの春の如く、その夢を実現するのは、他でもない私達です。自らの意志表示をする、かつてのギターを弾きましょう。

 歌はね 上手い下手より 心です
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by tabigarasu-iso | 2012-04-29 05:58 | 随筆 | Comments(0)

 山国育ちの二人には、イワシ(鰯)とニシン(鰊)の違いが判りません。そこで、奇妙な会話が始まりました。
「ねえ、鰊の卵は数の子よね。それが稚魚の頃は鰯で、大きくなると鰊になるの」
「そうかな」
「知らないの。困った人ね。調べてよ」

 そうとも、そうでないとも言えません。早速、辞書で調べてみます。鰯には、魚類ニシン目ニシン科のマイワシとウルメイワシ、カタクチイワシ科のカタクチイワシの3種がありましたが、明らかに鰊の子ではありません。

 鰊の方は魚類ニシン目ニシン科の本家で、鰯とは異なる魚であることが判りました。
「鰊と鰯は別の魚だったよ」 
「本当に」
「本当さ。辞書をまとめた人を信じればね」

 食べ比べてみれば、鰊と鰯の違いは明確です。けれど、説明だけでは納得が行かないようで。
「今度、新鮮な鰯と鰊を買って、食べ比べてみましょうか」
「日本酒も忘れないで」

 雨上がり 濃霧の中を 突き進む
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by tabigarasu-iso | 2012-04-28 10:52 | 小説 | Comments(0)

猫の落し物

 真夏日の陽気に背中を押され、植木や花で占有された小さな庭へ出た。すると、妙な匂いが辺り一面に漂っている。農家で牛馬の肥料を撒いた後のようだ。

「強烈な肥料を撒きましたね」
「いいえ」
「おかしいな。糞の匂いがするぞ」
「そんなもの、撒きませんよ」

 まさかと思い、足下の植木鉢の中を覗く。そこには、猫の糞が行列を作っている。
「こちらに来て見ろよ」
「まあ」
「トイレに決めたようだな」
「それは困る。鉢を移動しましょう」
「しばらく様子を見てからにしないか」
「仕方ないわね」

 何処の猫の仕業か判らない。愛犬が庭を飛び回っていた時には、考えられなかった事態である。猫の落し物を穴の中へ放り込む相手を見ながら、愛犬のものを想い出して笑みが浮かんだ。

 北へ行く 桜を追って 旅に出る
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by tabigarasu-iso | 2012-04-27 12:39 | 随筆 | Comments(0)

地球温暖化は進む

 人の活動に由来する温室効果ガスによって地球温暖化が進み、異常気象の発生、氷河の消失、海面の上昇、植物分布の南北移動、降雨分布の変化などの環境問題が発生しています。

 これを抑制する為、1990年を基準として第一約束期間2008年~2012年の間で温室効果ガスを削減する京都議定書が発効され、我が国は6%の温室効果ガス削減を国際社会に約束しました。

 その策として、我が国は原子力発電の稼働を想定していましたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災によって殆どの原子力発電は停止状態に陥り、安全確保の目途が立つまで再稼働は難しい状態にあります。

 今夏、温室効果ガスの削減より電力の安定供給が課題となっており、火力発電の比率を高めて電力需要に対応するほかありません。

 かような状況を鑑み、我が国は第二約束期間2013年~2018年では、京都議定書に基づく削減約束の確実な達成に向け努力していくことになりました。

 こうした状況でも、地球温暖化対策は進めなければならないグローバルな課題であることに変わりはありません。産業部門、業務部門、家庭部門、運輸部門など、引き続いて省エネに取り組むことは必須です。

 エネルギー 地産地消を 視野に入れ
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by tabigarasu-iso | 2012-04-27 06:43 | ニュース | Comments(0)

仕事のけじめ

 自宅で仕事をする人の場合は、平日と休日の区別が難しい。いつでも仕事をしているようで、いつでも休みのような気持ちにもなる。

 自ら仕事と休みの「けじめ」をつける工夫がなければ、どちらも中途半端で具合が悪い。もともと、自宅から仕事先に出掛ける大工やコンサルタントは、自宅に居ても仕事をしているから、「けじめ」のつけ方には長けている。

 自宅で仕事をする大工の「けじめ」は、作業場で鉋や鋸を扱う時で、地下足袋を脱げば休み。自宅で仕事をするコンサルの場合は、コンサル先の資料や調査を開始した時から仕事になり、パソコンや資料を閉じた所が休みになる。

 仕事と休みを分ける「けじめ」のポイントは、作業着に着替えることで仕事モードになり、普段着に着替えることで休みとすることではなかろうか。普段着でコンサル作業をする場合、その日の課題を終えたら休みと考える頭の切り替えが「けじめ」になる。

 午前中に課題が終われば、午後は休み。犬と散歩に行こうが、映画を観に行こうが、競馬に行こうが、釣りに行こうが、本を読もうが、庭いじりをしようが、一杯飲もうが、何れも自由だ。

 片付けは 捨てる判断 することか
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by tabigarasu-iso | 2012-04-26 12:07 | 随筆 | Comments(2)

歩く

 歩くことは、楽しいことです。頭上の電柱からカラスに笑われても、苦になりません。生垣に咲く見事な牡丹や石楠花の花に足を止め、携帯電話のカメラに納めれば自分だけで楽しめる花になります。

 一方、電車やバスを降りて仕事先まで歩く機会は多くありますが、それを楽しむ心の余裕はなかなか持てません。到着後の仕事が頭を占有して、景色を楽しむ境地には至らないようです。

 何れも、歩くことに変わりはありません。仕事先まで歩くことも、歩く為に歩くのと同じように楽しめれば、どんなに素晴らしいことでしょう。

 それは、心の持ち方次第で実現出来ます。少し早目に仕事先に出掛け、途中の景色を楽しみながら歩いてみましょう。そこに椿が咲いていれば、立ち止まってカメラに納めることも可能です。

 ただし、それは相手先の敷地に入るまでのこと。その先はカメラを鞄に納め、情報セキュリティーのルールに従いながら現場まで歩きを楽しめれば、歩く為に歩くのと何等変わらないことに気が付くことでしょう。

 梅の木に 実の付け方を 聞いてみて
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by tabigarasu-iso | 2012-04-25 21:28 | 随筆 | Comments(0)

紫陽花の季節

 雨の中で喜ぶもの多くあり
 その一つに紫陽花の若葉も
 古い株を押し退けて葉広げ
 芯に色付く前のがく準備す

 更に雨降れば無言のままで
 白色から鮮やかな紫色へと
 蝶に取り付く暇も与えずに
 見事な変色を繰り返すがく

 花は何処かと尋ねてみれば
 花と見間違うがくに囲まれ
 小さくなっているらしいと
 そんなことはどうでも良い

 日毎に変化するがくを見て
 余りの美しさに食べようと
 その気になる人には耳元で
 毒承知でしょうかと忠告し

 美しい 花もキノコも 毒多く
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by tabigarasu-iso | 2012-04-25 12:01 | 随筆 | Comments(0)

もう梅雨かしら

 このところ、人間にはうっとうしい雨模様が続いています。そんなことは気にせず、花の散った梅の木の枝には、小さな小梅が顔を見せました。

 間引きしなければ梅の実は大きくならないとか、そんな話を聞いた所為でしょう。
「もう梅雨かしら」
「少し早目だが、そう言えるかも」
 溜まり水を避けながら、二人は気楽な会話を楽しみます。

 いつものことながら、通勤時間帯のバスは定刻に到着しません。それを承知の上で、バスを待つのも良いものです。それが証拠に、誰一人苛立つ表情の人は居ません。

 生憎の霧雨は風に押され、バス停の中まで舞い下りて来ます。屋根の下で傘を差したまま、当てにならないバスを待ちながら梅雨を語りましょう。

 節電を 強化した時 会社消え
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by tabigarasu-iso | 2012-04-24 12:20 | 小説 | Comments(0)

空調騒音に負けた夜

 室内の空調スイッチを切っても、廊下で鳴り響く空調騒音は終りを知りません。いつかは疲れて眠ることだろうと、淡い期待を抱いて眠ろうとしている間に夜も更けました。

 一時も過ぎたか
 なかなか元気な空調だ
 そう言えば宿題があったな
 今頃想い出してどうなる
 寝ようとしているのでは

 二時も過ぎた
 すると未だ四時間は寝られる
 その宿題は明日にしないか
 自分に言い聞かせても
 空調の騒音は止まない

 三時も過ぎた
 知らぬ間に
 幾らか寝たようだが
 夢も見ていたような
 想像していたような

 四時になる
 もう二時間しか寝られない
 このまま起きていようか
 それでは身体の疲れが取れぬ
 脳だけ起きていれば良い
 
 こうして起きる時間となりましたが、一晩くらい人間は寝なくても大丈夫なものです。顔を冷たい水で洗えば、目の周りの皺も見る間に消えました。歯を磨くと歯磨き粉が喉を刺激して、嘔吐するような悪い癖も始まります。

 いつもの調子で環境ISOの説明を開始しました。すると、次第に声の調子が強まり、話し方も「ですます」調から「べらんめぇ」調に変わって行きます。これも、空調騒音に負けた所為に間違いありません。何も知らないお客様には、話の後で深く頭を下げました。

 サボテンの 植え替え終えて 息荒く
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by tabigarasu-iso | 2012-04-23 00:52 | 随筆 | Comments(0)