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白髪の旅ガラス

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約束を守る

 組織の約束を知りながら、どうしても守れない人が居ます。
「申し込みを戴いたこの案件、発行した筈の見積書が確認できません」
「ええ?そんな不思議なことがありますか」
「あってはいけないのですが」

 個人経営なら兎も角、組織で商売するなら、現場で営業する人が見積書を発行すれば、その後の成約の可否を同じ営業が確認し、総務が契約とその後の請求書の発行から入金確認まで、業務の担当者は契約内容に従い仕事を進めるものです。

 ところが、そんな簡単な約束事を度々守れない人の噂が絶えません。本来なら、迷うことなく組織から去って貰うべきでしょうが、そんな人に限って受注金額が大きく、経営陣の判断が鈍るから可笑しい。

 約束を守れない人を認めたなら、軌道修正の指示を行うのが管理職であり、それでも無視する相手には組織から去って戴く。これは、どんな組織においても経営の道に叶ったもの。この当り前を経営陣が迷うようなら、その組織は消滅するに違いありません。

 経営の 道を忘れて 明日はない
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by tabigarasu-iso | 2012-02-29 12:23 | 小説 | Comments(0)

七人の客

 埼玉を横断する秩父線の秩父駅に駆け付けたのは、仕事を終え一席設けて貰った夜の八時半、熊谷方面の電車を待つホームの乗客数は両手に満たなかった。

 冷え込んだホームに時刻通り到着した電車、心で拍手しながら乗り込めば、期待に反して薄っすら寒い。客数を指折り数えてみれば、たったの七人であるから寒い訳だ。

 窓際を背にした座席は、何処でも選び放題である。着込んだオーバーは脱ぐ事も出来ず、鞄に仕舞いこんだマフラーを取り出し首に巻き、パソコンも取り出して膝の上に置いた。

 御存知かも知れないが、起動したパソコンの下部は熱を持っているから、膝を暖める暖房に丁度良い。それだけで十分だが、画面を見ていないと妙に映る。

 インターネットを見ながら、周囲の客の様子を窺えば、五人が携帯電話の画面を睨み、一人だけが座席に沈んで眠り込む。夜の車窓を楽しむ余裕など、誰も持たない秩父線の車中であった。
 
 秩父線 遊びに来なよ 手ぶらでな
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by tabigarasu-iso | 2012-02-28 07:36 | 随筆 | Comments(2)

あわてもの

 振り込め詐欺や押し込み強盗のない平和な世の中が望まれますが、それを破る心ない人の絶えることはありません。

 夜間になれば、盗難の危険性は高まります。そこで心配した責任者は、客から預かった現金を見ながら、職員に尋ねました。

「どうしたものかね」
 慌てものの職員は、思い描いたものと口にするものを比較しません。
「冷蔵庫に入れましょう」
「・・・」

 何の反応もないのを妙に思い、言い間違いに気付いた職員は改めます。
「間違えました。洗濯機です」
「・・・」
 呆気に取られたのでしょうか、誰からも何の反応もありません。

 再び言い間違えた職員は、今度こそはと思い切り。
「金庫です」
 
 そう言い終えた後で洗面所へと走り、個室に入ると声を出して笑いました。それが、皆の居る事務所まで聞こえていたことなど、知る由もありませんが。

 想い出し 笑い話に 花咲かせ
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by tabigarasu-iso | 2012-02-27 08:48 | 小説 | Comments(0)

悩みが見える

 注文の多い職場は明るく、外部の人にも活気が見えます。そうでない職場は、重苦しい空気の漂う様子が見えて溜息も聞こえ、誰にも隠しようがありません。

 未来の見える明るい職場でも、人の悩みと言うものは尽きないものです。自分で自分に満足できない不安定な動物が、他の動物と行動するとなれば更に満足できない事態が生まれて当然でしょう。

 未来の見えない暗い職場では、個人的な悩みに職場の悩みが入り込み、悩みを一層複雑にします。そんな時に頼れるのは、悩みを話せる自分以外の動物の存在でしょう。

 ただ、その動物に悩みを解決して貰うことは出来ません。胸の内に秘めた悩みを聞いて貰うことに感謝するだけです。悩みの解決は自分の役割ですから、それが生きて居る証拠ですから、誰にも替わることは出来ません。

 次々に舞い込む悩みを乗り越えて行く。それを当然とする人が多数になれば、そこは明るい職場になります。その為にも悩みが見えるよう、暗い心を照らす照明を点けてみましょう。

 山並みに 息吹の見える 心かな
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by tabigarasu-iso | 2012-02-26 13:17 | 随筆 | Comments(0)

 環境ISOコンサルを始めて三年目になろうとする頃のことでした。或る日、背の高い紳士と小太りで元気の良い方が来社され、コンサルタントとしての力を吟味されたことを想い出します。

 どうした訳か相手の眼鏡に叶い、それから七年間の長きに亘り相手先の環境ISOを拡大する支援が続きました。大半のコンサル案件が一年間で終了する中、何とも有り難い長期支援と言えましょう。

 それを若手コンサルに任せてから五年余り、またお世話になることになりました。約束の時間にエレベータを降りたところで、見覚えのある事務局の方が迎えてくれます。
「お久し振りです」
「お待ちしていました」

 招かれた部屋には、初めてお会いする方、それに遠方から参加された方も。
『はて、今日は挨拶だけでは』
 そう思いながら、念の為にスケジュールを確認すれば、コンサル実務を期待されているようです。

 ここで、コンサルは予想外の事態に慌ててはいけません。また、慌てる必要もないのです。液晶プロジェクターに映し出された資料は、日付は新しいものの見覚えのあるものばかり。

 その意味を新しい顔ぶれに聞き、古いメンバーに意見を貰い、歯に衣を着せないコメントを笑顔で伝えます。すると、古いメンバーの方が言いました。
「相変わらずですね」
「ええ、以前より磨きを掛けて」
「本当に」
「もう一度お世話になります」

 マフラーの 要らない陽気 気も晴れて
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by tabigarasu-iso | 2012-02-25 10:15 | コンサルサービス | Comments(0)

審査の心遣い

 相手の立場を理解しながら話すのも心遣いの一つです。
「失礼ですが、何年生まれですか」
 相手は、まさかの質問に驚きの表情を隠せません。
「・・・昭和二十七年です」

 相手は、立場上答えない訳には行かない。
「同じ年ですね。後世に迷惑を掛けないようにしましょうね」
「ええ」
 今度は素直に頷きました。

 確かに、審査を行う側と審査を受ける側とは、立場は対等ですと口では言っても、審査を受ける側の方が気後れしますから、心を開く呼び水を審査側が用意しなくてはなりません。これは、審査サービスの心遣いと言うものですが、大半の審査員が心得ていないノウハウです。

 相手の心が開いたところで、審査側は更に相手の話を聞かなければなりません。ここぞとばかり、審査の目的やら自分の言いたいことばかり説明しようとするのは、審査の初心者と言えます。

 審査側の狙いなど言わず相手の話を良く聞いて、その中から良い点を探して教えましょう。審査側の心遣いを判って貰ったところで、相手の弱点をずばりと言います。その時、何処に着目したら問題が解決するのか、幾つか選択肢を提案しなくてはなりません。これが、本当の心遣いと言うものです。

 審査終え 雪山に問う 出来ぐあい
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by tabigarasu-iso | 2012-02-24 12:13 | ISOマネジメント | Comments(1)

地下で審査かな

「どうぞこちらへ」
「はあ?」
 案内された審査会場は、工場の横壁にある扉を開けた先でした。そこには、地下に入る階段が待ち構えています。

 そこに案内されても構いませんが、敢えて地下に入るほどスペースに余裕のない工場ではありません。むしろ、工場内が広く目的地が見えて到着しないもどかしさを感じるほどです。

「そちらではありません。こちらです」
 申し訳なさそうに頭を下げて、案内者は地下階段の横から入る屋外の会議室を案内してくれました。

「まさかとは思いましたが」
 そう言いながら靴を脱ぎ会議室に入ると、狭い会議室には既に責任者が待ち受けて。
「驚かせたお詫びにコーヒーは如何ですか」
 冷えた身体に気遣いの熱いコーヒー、ゆっくり楽しむ環境ISOの審査会場でした。

 現場見て 意見を聞いて 頷いて 誉めて誉め抜き 仕上げの提案
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by tabigarasu-iso | 2012-02-23 07:05 | ISOマネジメント | Comments(0)

スキャンに戸惑う

 かつて、初めてのお買い物と言うテレビ番組がありました。親から頼まれた幼い子供が、生まれて初めて買い物する光景を隠しカメラで追い掛け、予想外の行動に驚き、予想通りの結果に安堵するものです。

 今宵、それを想い出すことがありました。仕事仲間と食事を済ませてから、翌日の昼食を食料品売場で購入した時のことです。そこでは精算の機械だけが並び、誰もが慣れた手付きで購入した品に光を当て、次々にスキャンしては精算していました。

 仲間の仕草を良く見て精算を始めたのですが、光の前を通過させても値札のバーコードが入力できません。後に並んだ人の冷たい視線を何本も感じたものの、今更止める訳には行かない位置に居ました。

 精算の機械に慣れた仲間が品を取り、スキャンすると簡単に反応します。それを真似たところ、同じく簡単に出来ました。どうやら、光に当てるバーコードの位置が間違っていたようです。

 もしも、自動精算機に慣れた仲間が居なかったなら、レジ係の居る精算所に回っていたことでしょう。また、有難うと言われない機械の前に立つことなど、決してなかったと思います。

 想像の 小さな駅に 派手な店
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by tabigarasu-iso | 2012-02-22 22:37 | 随筆 | Comments(0)

穏やかな昼下がり

 大宮駅からはやてに乗る
 車内は家族連れが目立つ
 背広姿は場違いのようだ
 仕方なくパソコンを操り 
 近場の枯野に田舎を想い
 遠くの雪山に命を感じる
 空は晴れて風もなかった
 冬のコートは場違いかも
 だが夜の冷え込みに備え
 マフラーも巻いた旅姿に
 軽装の人は何を感じるか
 それも気にならなかった
 
零下から コート要らない 昼下がり
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by tabigarasu-iso | 2012-02-22 07:11 | | Comments(0)

雪山

 車窓に飛び込む雪山の連なり

 暖房の効いた車内から眺めて

 どっかり座る姿にほっとする

 やがて山並の色を緑に変えて

 数多の動物養い憩いも与えよ


 東北に 一人向かうも 山迎え
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by tabigarasu-iso | 2012-02-21 07:45 | | Comments(1)