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白髪の旅ガラス

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後姿を見せるが良い

 誰が録音したのか判らないカセットテープが気に入っている。初めて聴いた時に自分の趣味ではないと思ったが、バックミュージックとして何度も繰り返し聴いている内に好ましく感じるようになった。

 親が良く聴いたり歌ったり観たりするものを、その子供が知らない内に好きになるのは、これと同じ現象と言えるだろう。その効果を信じ、胎児教育と称して音楽を聞かせた覚えがあるが、刷り込みの効果は三十数年経て未だ現れていない。

 一方、好ましくない指示や食べ物は、何度繰り返し出されても、嫌悪感が増幅するだけで好きにはなれないものである。学生だから勉強をしろとか、社会人だから仕事をしろとか、手間暇掛けて作った料理だから食べろとか、強要するものは拒まれ易い。

 それを承知で、生徒を教え、部下を指導し、家族と生活する。導きたい絵画の世界があれば壁にそっと貼って置く。歌って貰いたい歌があれば、さりげなくバックミュージックで流す。学ばせたいものがあれば、自ら学んでいる後姿見せるが良い。

断酒して 天国行くは 御免だね
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by tabigarasu-iso | 2011-07-31 13:14 | 随筆 | Comments(0)

笑顔で歩きます

 ♫三歩進んで二歩下がる♫
 これだと、確実に人生は一歩前進する。

 ♫元に戻って一歩進む♫
 いつになっても、人生は前進しないかも知れない。

 ♫それでも心が晴れるから♫
 前進しない幸せな人生もある。

 ♫黙ってあなたに着いて行く♫
 そんな相手になるか、そんな相手を探すか。

 ♫それも自分で選んだ道だから♫
 他人に何を言われても、自分で悔いがなければ。

 ♫胸張り笑顔で歩きます♫
 これに越したことはない。

 入道の 雲は何処かと 雨に訊き
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by tabigarasu-iso | 2011-07-31 00:23 | 小説 | Comments(0)

自分の言葉に責任を持つ

「自分の言葉に責任を持ちたい」
 当り前のことを今更言うのは、自分の言葉に責任を持たない人の証です。それが一国を率いる首相の発言ともなれば、迷惑する人は数え切れません。

 言葉に責任を持つことは、誰が、何処で、何を、どんな方法で、何時までに、どうするか、これらを明確にした上で実行することに他なりません。

 実行する意志はあっても、人の浅智恵では解決する方法が判らないものも数多くあるでしょう。例えば、原子炉から放出された放射能汚染物質の無害化処理、大地震の予測と対策、大雨による河川氾濫の予防など。

 それを無視して、責任を持てない範囲の事柄を言葉にすれば無責任になります。例え個人的な見解として述べても、その言葉に責任を取らなければなりません。

 責任を取らなければ嘘つきと呼ばれます。それを個人的な嘘だからと言い訳し、組織の立場上は嘘つきではないと、普通の人を納得させるのは難しい。

苦瓜の 一夜変身 種弾け
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by tabigarasu-iso | 2011-07-30 14:04 | 随筆 | Comments(0)

 携帯パソコンの電池は四時間も持つが、ウルトラマンのエネルギーは三分しか持たない。食餌と睡眠を十分に取った翌日、人のパワーはどれほど持つものであろうか。

 朝から居眠りする人は、パワーの充電が不足している人であろうから、目覚めて働こうとすればウルトラマンと同じになる。

 朝一番から猛烈な勢いで仕事に突入する人は、携帯パソコンと同じ位であろう。午後一番にパワーを補充しなければ、夕方まで持たない。

 何とか夕方までパワーを持たせれば、それから先は燃焼効率の良いアルコールが助けに加わる。すると俄に蘇るから、その人は天に昇るまでエネルギーの切れる暇もない。

熟れ過ぎて 苦味飛ばせば キュウリかな
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by tabigarasu-iso | 2011-07-30 00:33 | 小説 | Comments(0)

頭上の足音

 電車のホームには、車両の長さに応じた屋根がある。最近のものは、明かり取りが着き、見た目も美しい。

 感心して見上げれば、カサコソカサコソと規則正しい足音がする。
『彼女に違いない』
 姿を現すのを待った。

 飛び立つ予想は外れ、コンコース上の屋根を歩く姿が見える。その音は、遠く離れても同じリズムを刻む。

 それは、慌しく電車に乗ろうとする通勤客を嘲笑うかのように聞こえる。ついに姿を現したカラスの体長は驚くほど大きく、カサコソカサコソ、その足音は変わらない。

ムクドリの 飛来恐れて 枝下ろし
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by tabigarasu-iso | 2011-07-29 18:25 | 随筆 | Comments(0)

ありがとうと言えなくて

 満員の通勤電車に乗り合わせた時のことです。足の不自由な人、電車に乗ると優先席に座った人に向かって言いました。
「身体不自由者です」

 それと知って、座って居た中年男性は気持ち良く席を立ちます。けれど、その後がいけません。席を譲って貰った人は、怒った顔で当然のように座っているだけです。
『ありがとうと言えば良いのに』

 そう思いながら、なかなか言い出すことができません。その場に居合わせた他の乗客も同じ思いであったのでしょう。その人の顔を見ないようにしています。

「席を譲られた人に、ありがとうと言いましょう」
 電車から降りる際、その人に言って振り向けば、大半の乗客は頷くばかり。

朝顔の 萎れた花に 水をやり
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by tabigarasu-iso | 2011-07-29 08:53 | 随筆 | Comments(0)

飲み損ねた麦酒

 どの職場でも、昼休みの消灯は当り前になりました。
「申し訳ありませんが、消灯させて貰います」

 丁寧に断わりがあって、研修会場の明りが消されます。それからは、暫くパソコンを操作していましたが、居合わせた方は揃って机にうつ伏せ。こちらもそれに倣うことにしました。

 仕事先での昼寝は珍しく、僅かな時間ですが何とも心地良いものです。眼や肩の疲れが瞬く間に取れて、随分長いこと眠ったように感じられました。

 開講時間が迫り、部屋が明るくなった時には大変残念に思ったものです。もう少し寝ていれば、冷たい麦酒が喉を越すところでしたから。

左手に 扇子を持って 扇ぐ癖
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by tabigarasu-iso | 2011-07-28 07:23 | 小説 | Comments(0)

親ヤモリ登場

 しばらくガラス窓に現われなかった親ヤモリ、大きな白い腹を見せています。やはり、子ヤモリに比べて虫を捕獲する動きに無駄がありません。

 ガラス窓の中央に身を置き、上下左右の何処に獲物が現われても対応します。それも、身体を器用に捻り口だけを素早く動かすものですから、相手は気付かない。

 子ヤモリは、獲物を見付けて嬉しそうに全身で走り寄るものですから、直ぐ相手に気付かれてしまう。

 見ている側が手を貸してあげたくなるほど狩りは下手で、朝方までガラス窓に貼り付いたままです。

 その点、親ヤモリの捕食時間は短く、直ぐに獲物で腹の色を黒く変え、数日は餌場を子ヤモリに譲る。こうした親子のバランス、実に上手く出来ているものです。

暑い夜 ヤモリに語る 癖もでき
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by tabigarasu-iso | 2011-07-27 20:01 | 随筆 | Comments(0)

燃えるコース

 燃えるのは木や紙だけではない。打てば響く受講生を前にしたセミナー講師も燃える。講師が燃えても地球温暖化の原因にはならない。

 地球温暖化の原因になる二酸化炭素の替わりに、具体的なアイデアが矢継ぎ早に披露されるだけ。

 直に役立つアイデアを聞き漏らす者など一人もいない。懸命にメモを取る人に向かい、そのアイデアの理解度を確認する。

 相手の意見を聞くまで質問を続ければ、それをメモする音も絶えない。どの受講生からも洩れなく意見を聞くから、静かに眠れる筈もなく、思考の熱気で会場は暑くなる。

 講師が乾いた喉を潤せば、受講生もそれに習う。互いに冷たい水で生き返ったところで、更に問答は白熱する。

 互いに頭がフル回転している瞬間を狙い、講師は内部監査の極意を披露した。
「監査を受ける側に立ち、取り敢えずどうする、原因は何か、その何故を三回繰り返すのです。何故の故郷は、仕組みを構成する17本の柱のどれか、両者で考えてみましょう」
「教育訓練の柱が弱いと判ったら」
「教育訓練の計画、実施、点検、見直しの何れが弱いのでしょうか」
「そうですね、計画と実施はされていますから、点検でしょうか」
「そうです。その点検をどうするか、提案するのが内部監査に他なりません」

 鉄は熱い内に打てとは、内部監査員の養成コースにも言える。その気に受講生をさせることから始め、その気になった時に講師は極意を出し惜しむなかれ。

サービスは 現場に於いて 花咲かせ
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by tabigarasu-iso | 2011-07-27 07:17 | セミナーサービス | Comments(0)

地震に吠える

 涼しい夜は眠りが深くなる
 それでも覚めた夜中の地震
 じっと布団の上で待つ間に
 逃げるか否かを決めようと
 遠くで犬の吠える声を聞く

 激しく吠えたら逃げようと
 耳を澄ませて鳴き声聞けば
 地面揺れたと教えるだけで
 鎖切って逃げるほどでない
 吠えるのを止めて寝静まる
 
 いつまでも激しく吠える時
 身支度整え出掛ける準備に
 眠気を覚まして取り掛かる
 まず照明点けて備品見付け
 逃げ口開けて犬の声を聞く

 更に激しく吠え続けるなら
 家人を連れて逃げ出そうか
 屋根の瓦に気を配りながら
 家を飛び出し近場の空地へ
 そこで犬の吠え声更に聞く

 真夜中に 地震に揺れて 迷う人
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by tabigarasu-iso | 2011-07-26 19:21 | 随筆 | Comments(0)