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白髪の旅ガラス

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如月の雨

 不思議なもので、一年前の今日も雨であった。但し、昨年の雨は長い期間のことであり、降雪の少なさも兼ねて心配したものである。

 今年の降雪、降るべき地域に充分積もったから、水を必要とする季節も乗り切ることが出来るだろう。

 そう思えば、降りしきる如月の雨も、乾いた土壌に沁み込んで、草花の成長を加速する有り難い恵みの雨に思える。

 けれど、如月の雨は手の凍るほど冷たい。更に、重たいコートを濡らし、更に重たくする。

 こんな日は、炬燵に入り背中を丸める猫が羨ましい。早目に帰宅して、熱燗を一本浸け、炬燵でゆっくり楽しみたいものだ。

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如月の 雨は冷たく 犬困り
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by tabigarasu-iso | 2011-02-28 12:29 | 随筆 | Comments(2)

先生

 初めて文章の添削をして貰った作家の松原一枝先生の訃報が新聞に掲載された。千の風の仲間入りされたのは一月三十一日のことである。今頃、青春時代を過ごされた中国大陸の上空を舞っている頃かも知れない。

 お会いしたのは、二年前のことである。小柄な松原先生は、約束の時間に遅れることなくホテルのロビーに確かな足取りで現れ、ホテルマンに使い慣れた席を頼まれた。そこで、既に添削済みの原稿を取り出し、丸印を付けた良い箇所と×印を付けた悪い箇所を丁寧に説明して下さる。

 説明を終え、仲介者と三人の昼食を楽しまれた。かなりボリュームのある洋食であり、私は少し残してしまったが、松原先生の皿は綺麗なものである。食後のコーヒーカップを操る手付きも慣れたもので、指摘された内容を頭の中で反芻する当方とは異なり、先生は最後まで落ち着いていた。

 帰り際、地元名物のお菓子を差し上げたところ、大層喜んで下さったことを想い出す。それから、松原先生の忠告を念頭に何度も挑戦しているが結果は出ない。ある時、先生から手紙が届いた。自分の才を信じて書き続けなさいとあり、それに内容のヒントまである。こうした先生の恩に報いるには、風を感じながら書き続けるしかあるまい。
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蝿獲りの 蜘蛛に手をやり お逃げなさい
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by tabigarasu-iso | 2011-02-27 00:48 | 随筆 | Comments(2)

あなたも審査員

 そもそも、このコーナーは環境ISOの審査やコンサルに関するエッセイを紹介するものです。

 けれど、畑違いの人にも楽しんで貰えなくては、世界的なネットワークを利用させて頂く意味がありません。

 そこで、今回は初めて本文を読む人が、環境ISO審査員になったら、どんな審査したら良いのか紹介し、併せて審査員の適性も評価したいと思います。

《審査する会社の概要》
 環境ISOを導入する企業は、環境に関する法規制を守らなくてはいけません。貴方が審査する会社は、社長と7人の社員で環境設備を販売する年商1000億円の商社で、事務所には、机、パソコン、複写機があるだけで、電気の使用量は一般家庭と同じ、大きなビルの小さな部屋を借りて営業しています。

《審査Q&A》
 審査員(貴方);環境上、守らなくてはいけないルールや法規制はありますか?
 環境ISO導入者;何もありません。

《判定結果》
 これを認めた方は、審査員には向きません。疑った方は、審査員としての適性があります。適用される法規制があるかないか、これは環境分野の詳細な知識がないと判断出来ませんが、ビルを借りているところから、ビルのゴミ分別ルールがあること、常識として推定しなくてはいけません。

 あなたは、どちらの方でしたか?相手の言うことを信じながら、それが正しいか確認する手間を惜しまない方なら、審査員に合格です。
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まず信じ 次に確認 する審査
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by tabigarasu-iso | 2011-02-26 00:07 | ISOマネジメント | Comments(0)

痩せ我慢

 いつもの事ながら、天気予報を聞かないで家を出た。通勤電車に乗って、その日の陽気に初めて気付く。
「汗の匂いが漂う日ですな」

 とは言え、身に着けたオーバーコートとマフラーは外さない。せめて、マフラーだけでも首周りから取れば凌ぎ易くなるのだが。

「マフラーの見えないコートは、ネクタイの無いワイシャツと同じ。それに、娘からプレゼントして貰ったものだから、何があっても外す訳には行かない。」

 今度は、新幹線の中の人となる。相変わらず、頑固な男はスタイルを変えない。だが、顔が火照り額から汗が流れ落ちて来た。男は、仕方なく痩せ我慢を諦めマフラーを外す。

 心地良い春の風が胸元に立ち寄り、何か言い残して行く。
「今日は、背広だけで大丈夫な陽気ですよ」
「む」 
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片言で 暑いですねと 言いながら 本で風切る 陽気な人よ
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by tabigarasu-iso | 2011-02-25 00:08 | 小説 | Comments(2)

老兵は死なず

 その時の心境を表す端的な言葉と言うものがある。嬉しい時、悲しい時、切ない時、疲れた時、それに第一線を退こうとする時、ふと浮かぶ。

『老兵は死なず、ただ去るのみ』
 老兵を、役目を終えようとするコンサルに置き換えてみれば他人事ではなくなる。

『コンサルは死なず、ただ去るのみ』
 コンサルの死とは、支援を必要とする相手があるのに指名されないことであろう。

 それは、年齢には関係ないものであり、支援する能力や人格の問題である。とすれば、格言は次のように言い換えることができよう。

『能力の無き者は死なず、ただ去るのみ』
 マッカーサー氏にも、かように言い換えて欲しかった。
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他人事 還暦明日に 忍び寄り
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by tabigarasu-iso | 2011-02-24 00:03 | 随筆 | Comments(0)

審査指摘の事例研究

 環境ISOの審査員として、某審査機関に所属している者ですが、年に数回、審査基準の確認と審査レベルの向上を図る審査員の連絡会に参加しています。

 当初、判り切ったことを何で今更と思っていました。けれど、他の審査機関の審査に立ち会い、審査基準の不確かなことに驚き呆れるに及び、その考えを改めています。

 ただ残念なのは、審査機関や審査員により、審査の指摘内容に大きな開きがあることを、審査を受ける側に伝える機会が皆無でして、こうして呟く他にありません。

 一例を示してみましょう。例えば、環境ISOの要求には、「手順を確立し、実施し、維持する」ことがあります。

 ある審査員は、この文書がマニュアルに記載されていないことを不適合にします。別の審査員は、手順を関係者が理解し実施の状況が確認できれば問題なしとします。

 正解は後者であり、私の所属する審査機関の見解ですから、白髪の旅ガラスの仲間が行う審査は御安心ください。
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嫌だね 片手間仕事 審査受け
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by tabigarasu-iso | 2011-02-23 18:37 | ISOマネジメント | Comments(0)

白いカラス

 いや、本当に驚きました。
 白いカラス、この世に存在するようです。
 写真が在りますから、間違いないことでしょう。
 白髪の旅ガラスは、在り得ないものとして創作したものです。
 実在するとなれば、いつか会わない訳には行きません。
 人の想像したことは、実現すると誰か言いました。
 いや、本当のことです。

 あり得ない ことの見たさに 人生きる
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by tabigarasu-iso | 2011-02-23 00:01 | 随筆 | Comments(2)

野暮な想像

 仕事帰りの車内には、ツマミとアルコールの匂いが漂う。仲間に入る時には苦にはならないが、そうでない時には気になって仕方が無い。

 実行したことはないが、隣席の人が麦酒の栓を開けたところで、そっと手を伸ばしグイット一口飲んでから、何食わぬ顔で戻して置いたらどうであろう。

 そんな想像をしているとは知らない隣席の人、新聞に夢中になっているようだ。その裏に麦酒はあるから、今なら想像を実行するチャンスかも知れない。

 念には念を入れ、横目で相手の視線を探ってみた。それは、迷うことなく当方に向いている。その気が洩れて、相手に察知されたようだった。

 だが、その視線には温かみがある。
『分けてあげても良いよ』
 
 相手の寛大な気持ちを読み、野暮な想像を反省した。
『失礼しました』

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ミツマタの 迷い枝に 白い花
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by tabigarasu-iso | 2011-02-22 12:08 | 小説 | Comments(0)

2月22日2時2分2秒

 大きさや時間を表す数字の読み方に凝る人が居る。例えば、22;夫婦、39;感謝、4649;宜しくなどは誰でも思い付く。

 複雑なものには、√5=2.23600679;富士山麓にオオム鳴くなどがあり、難解ながら誰でも知っているから面白い。

 ならば、2月22日2時2分2秒は何と読む?
「夫婦のトリオと読みます」

 なるほど、少し捻った答えだが、他には?
「2月22日2時2分2秒と読みます」
「素直で宜しい」
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その数字 意味を持たせる 人が居て
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by tabigarasu-iso | 2011-02-22 00:00 | 随筆 | Comments(4)

孫子の兵法に学ぶ

 昔、中国に孫子と言う兵法の書がありました。孫子の考え方は、戦争に勝った理由と負けた理由を分析する点に特徴があり、今尚、その兵法からヒントを得る人が多数存在します。

 孫子では、次の七項目を事前に評価し、勝目があると判断した時のみ戦うことを説いていますが、自らの組織の仮想の敵を想い描いて評価してみましょう。

1)敵味方、どちらの君主が人心を把握しているか。
→相手の社長の方が社員の心を掴んでいる。

2)将軍はどちらが優秀な人材であるか。
→営業の責任者は、こちらの方が優秀である。

3)天の利・地の利はどちらの軍に有利か。
→ 両社互角である。

4)軍規はどちらがより厳格に守られているか。
→こちらには規律らしきものがない。

5)軍隊はどちらが強力か。
→結集できれば、こちらの方が力は勝る。

6)兵卒の訓練は、どちらがよりなされているか。
→統率した訓練はしていないが、相手も同じ状況である。

7)信賞必罰はどちらがより明確に守られているか。
→双方とも曖昧である。

 この勝負、両社とも力は似たレベルですが、社長が社員の心を把握していない点に致命的な弱点がありますから、戦わないことにしたようです。
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ISOから 孫子へ移る 着眼点
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by tabigarasu-iso | 2011-02-21 18:05 | 随筆 | Comments(0)