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白髪の旅ガラス

牛の呟き納め

 この一年、過去の記録を塗り替えて実に良く呟きました。コンサルの仕事が減った訳ではありませんが、旅先のホテルで過ごす機会が多くなり、その日の疲れはその日に癒さないことには、還暦近くの身では旅を続けられそうもありません。

 それには、心に浮かぶ思いを抑え込むことなく表に出してあげるのが最も効果的です。けれど、そのまま表に出しては、多くの方に迷惑を掛けることになりますから、そうならないよう随筆を思わせる書き方ながら物語に組み直す作業に励んでまいりました。

 すると時間が嘘のように流れ、片道四時間の新幹線に座ったまま苦にもなりません。こうして丑年の一年間も瞬く間に過ぎ、明日からは寅年になろうとしていますが、世の中に静寂が訪れない限り、世情に敏感なカラスの心は反応して呟くことでしょう。

 今年の干支にちなんで日々の出来事を反芻しながら、数えてみれば二百六十話も呟きました。来年の寅年は何話呟くことになりますやら。旅ガラス、一年を牽引した牛に感謝し、虎に飛躍の期待を込めて本年の呟き納めとします。
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牛が去り 虎に替われば おめでとう
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by tabigarasu-iso | 2009-12-31 00:41 | 随筆 | Comments(0)

情熱コンサル

 ある方より情熱溢れる前向きなコンサルティングとの評価を頂いた旅ガラスは、いつもより更に空高く舞い上がる。遊び疲れを知らない初孫からジイジと呼ばれても、その子の守や朝のゴミ出しを日課にしながら年金の給付日を指折り数えて待つ訳には行かない。

 コンサルティングに注ぐ情熱が消えた時、空を飛べないカラスはその道から引くことになるだろう。情熱を失い冷めた心では、活性化や合理化の支援を期待する組織に失礼であり、ガソリンの切れた車が途中で停まり目的地に到達しないのと同じく、満足な成果を残せる筈がない。

 コンサルティングに必要なものは、智恵、情熱、それに愛情であろう。知識があるからと安易にコンサルを引き受けた方は、相手に理解を促し活用して貰う智恵のなさに落胆する。また、淡々と上から目線で語る冷めた支援は、相手も冷めたままだから、いつ打ち切られても仕方がない。

 それに、支援相手の組織を何とか良い方向に導こうとする愛情が不可欠。組織は、人の力の引き出し方で大きくもなり小さなままで終ることにもなる。支援の相手が横を向いているなら、飽きずに何度も通って訳を探り、じっくり話し込んで前を向いて貰う。前を向きながら次の段階へ進めず苦戦しているなら、一緒に汗を流して実現可能な解決策を見付る。とは言うもの、これがなかなか難しい。

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情熱を 忘れて久しい 夫婦かな
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by tabigarasu-iso | 2009-12-30 00:51 | コンサルサービス | Comments(0)

蘇る木肌

 身の丈が五尺にも満たない椿は、引っ越して来た時から庭木にあったから、少なくとも二十年以上の樹齢である。幹の一番太いところでも、二寸まで行かないから真に育ちが悪い。それに木肌が薄汚れ、春先に咲く花だけが人目を引く。

 剪定されて木肌が露になった椿の樹幹をタワシで洗ってみる。洗う傍から黒い水が滴り落ち、黒い木肌は肌色に生まれ変わって行った。この世に生まれて六十年近く、椿の樹幹を洗うことなど想像したこともなかったが、男は剪定職人の言葉を信じてみた。

「この椿、だいぶ木肌が汚れてますな。磨けば、そりゃあ見事なものですよ」
「はぁ」
 木肌が汚れていることも考えなかった男だから、職人の話す意味が分からない。職人は、木肌の明るい箇所を指差して言った。
「これが本来の木肌ですよ。周囲の植木の所為で陽が当たらず、木肌がカビで汚れているから、後で洗って御覧なさい」

 手先の冷たさを忘れて椿の幹を洗い終えた男は、距離を少し置いてそれを見る。薄暗闇に包まれながら、そこには己の存在を示す肌色の椿が浮き上がり。
『ありがとう。さっぱりしたわ』
そんな椿の声が、男には聞こえたような気がする。


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肌洗い 椿喜ぶ 顔を見た
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by tabigarasu-iso | 2009-12-29 09:56 | 随筆 | Comments(0)

正しい剪定

 伸び放題の植木も良いが、それ程広くない庭では枝が暴れて見苦しい。剪定鋏はあるが枝の整え方を知らないから、その道のプロにお願いした。これまでも別の剪定職人にお願いしていたのだが、どうも腕前が怪しく替わって貰ったばかりである。

 と言うのも、毎年春に咲く五月の花を見ることができないまま二十年が過ぎた。どうやら秋口に依頼していた剪定時に花芽まで切り落とされていたようで、これでは咲く筈がないと気が付いたのである。そこで過日、長年のお付き合いにけじめをつけた。

 葉の落ちた植木は、葉に隠れて見えない乱れた枝を人前に曝け出す。それが自然のものであれば無駄がなく調和も取れて美しいが、人の手で不自然に残された枝であるから実に見苦しい。或る日、散歩途中で剪定職人を見掛け、その仕事振りを確認してから声を掛けた。

 陽に焼けた顔に白いチョビ髭が良く似合う背の低い小柄な剪定職人は、伸ばす枝と切り落とす枝の選定方法を教えながら、器用に剪定を進めていく。
「植木の気持になるんだぁ」
 剪定職人は、梢や枝先に登場する鳥の巣状に混乱した枝振りを指差して言った。
「かわいそうに」

 鋏の音が消えたところで、剪定職人の成果を確認すれば、どの植木も頭と手足が明確になり、余分な手足はなくなっている。勿論、新芽は伸ばしたい頭や手にあり、五月に鋏を入れる愚は犯さなかった。漸く、本物の剪定職人に出会えたようである。


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剪定の 選定違い 木の毒に
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by tabigarasu-iso | 2009-12-28 00:10 | 随筆 | Comments(0)

財布の中身

 毎月が年末であれば、冷え込んだ景気回復など容易なことでしょう。クリスマスに忘年会で物やサービスが売れ、働く人が年末休暇で生産が間に合わない。飲み過ぎや食べ過ぎを反省したところで、翌月が再び年末ですから胃の休まる暇もなく、胃薬が飛ぶように売れます。

 期末が年末の組織では毎月が決算になりますから、売上と経費の時間管理が求められることでしょう。それもパソコンが普及していますから、入力の手さえ抜かなければ難しいことではありません。けれど、盆暮れの清算を長いこと慣習にしてきた組織では、どうも馴染まないようです。

 そこで案件毎の収支を毎月算出する強制的な指導が必要になるでしょう。既に実行している組織も多いことでしょうが、売上を追う余り経費の処理を後回しにする組織では、売上から材料費、光熱費、それに旅費や外注費などの直接経費を引いて、月毎の粗利を明確にしなければなりません。

 こんな当たり前のこと、組織が小さな段階では必要に迫られて実行します。けれど、組織が大きくなり案件が増えるに従い、売上集計が先行して経費のまとめが遅れ出すのは、組織の構成員が歯車の役に徹底し、自分が組織を運営する自立した細胞であることを忘れるからでしょう。それを防ぐには、個人、部門別、組織全体へと積み上げる収支のリアルタイム化制度の導入かも知れません。

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赤黒の 判別揺れる 決算期
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by tabigarasu-iso | 2009-12-27 00:03 | 問題解決 | Comments(0)

ISOの手前味噌

 子供や孫のことを人前で自慢し、遠い親戚の出世振りを自分のことのように話す人は、自分で自慢することのない人に多く見掛けます。時として、それが筆者であったりしますが、そうした自慢話も聞くに耐えられる場合とそうでない場合がありますから、聞く相手の顔色を見ながら話題を選ばなければなりません。

 こうした手前味噌とは逆に、自らのことは一切自慢することもなく相手に押し付けることもしない生き方があります。仕える人のために強い信念で行動し、その結果に応じて相手の評価を潔く受け止めるのが武士道とするなら、それを実践する人やそれに憧れる人も数多く存在することでしょう。

 ところで、手前味噌にも実態の伴ったものとそうでない場合があります。また、相手から要求されて話す場合とそうでない場合がありますが、できることなら相手から要求があった場合のみ、嘘にならない範囲で自慢するなら、話を盛り上げるネタとして許されましょう。

 その話題がISOマネジメントなら、手前味噌であっても立証する仕組みが伴うので大いに自慢して頂きたいもの。自らの方針の良い所や目標管理で成果の上がった点を自慢すれば、その内容を利害関係者が尋ねてくれますから、それなりに回答する仕組みが回り、再び手前味噌の出番になることでしょう。


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手前味噌 ISOなら 勧めたい
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by tabigarasu-iso | 2009-12-26 09:27 | ISOマネジメント | Comments(0)

迷い人

 右に行こうか左に行こうか進路の決まらない人、レストランに入ってから何を食べようか暫く迷う人、いずれも目的を決めないまま先に進もうとする結果ですから、その癖を改めない限り同じ迷いを繰り返すことになります。

 審査機関に所属しながら審査を殆ど経験しない隠れ審査員、コンサル機関に勤めながら相談に乗る術を知らない偽コンサルタント、それに教育機関に席を置きながら人前で話すことが苦手な落第講師、いずれも迷い人と言えましょう。

 忠臣蔵ではありませんが、敢えて迷った振りをする人も居ます。本命を全うするためなら、それも仕方のないことでしょう。それに、迷いながらも成果を上げるか、傍に迷惑を掛けなければ、迷い人でも構いません。傍の人に迷惑を及ぼすようであれば、それぞれの立場から潔く去るべきです。

 それは、定年退職後の余暇として、また年金が支給されるまでの繋ぎとして、審査の力量もないのに審査に出向く方であり、コンサルと言いながら相手の気持を理解しようとせず、支援する智恵も指導力もないのにコンサルを名乗る輩であり、講師と言いながら人に聞かせる己の哲学もなく、生活を賭けた受講生の質問に答えられない人でしょう。


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リンゴ北 ミカン南も 腹で会う
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by tabigarasu-iso | 2009-12-23 00:16 | 随筆 | Comments(0)

雪国

 その昔、大雪の降った翌日は周囲の雑音が全て消え異次元の世界に入り込んだようでした。黒い電話器が静まり返った屋敷に鳴り響き、受話器の向こうから大きな声で学校が休みになると漏れ聞こえます。

 直ぐに布団から抜け出して身支度を整え、長靴の上部を縄で縛って家を出れば、既に庭先の雪を掃き終えた母親の姿が村道近くに見えました。
「おふれか」
「うん」
「気ぃつけろ」
「はい」
 村道の雪は膝まで埋まり、勢い良く飛び出したものの先には進みません。

 踵を返して家に戻るとスキーに履き替え、隣の竹ちゃんの家までスイスイ。
「学校、今日は休みだぞ」
「おう、朝からごくろうな。俺も付き合うか」
 二人が三人に増え、それが大勢になる頃には子供たちの足は裏山に向いていました。

 朝飯も食わず斜面を横二列になって雪を踏み固めながら上り、出来上がったばかりのゲレンデを一人ずつ滑り降りる爽快さ。途中の段差は手頃なジャンプ台になり、そこで大半の子供が転倒します。雪に頭から突っ込み歓声を上げれば、遠くの方から聞こえてきました。
「めしだぞ」
 そんな大雪は降らなくなりましたが、日本海側が大雪とのニュースを聞いて、想い出すのは当時のことです。


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灰色の 空でも見たい 想いあり
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by tabigarasu-iso | 2009-12-22 08:18 | 随筆 | Comments(0)

エコドライブコンテスト

 環境省主催のエコドライブコンテストと言うイベントがあります。9700もの事業所が参加する大きな大会になり、環境を配慮した輸送サービスへの期待とそれに応える輸送業界の姿勢が現れたコンテストと言えましょう。

 そのコンテストに参加した武蔵関運輸は、半導体製造装置などの精密機器輸送を得意とする企業ですが、多くの競合を差し置いて環境省の小澤大臣から入賞の栄誉を受けました。その背景には、輸送技術だけではなく、輸送を管理する仕組み、それにドライバーの取り組む姿勢の高さがあるようです。

 燃費の良い車を積極的に導入して安全運転と環境を配慮した運転を実行する技、その技を環境目標に掲げ、計画、実行、点検、見直しの仕組みを回すISO14001の仕組み、そこにドライバーが環境配慮サービスを提案する心を足して、「心」、「技」、「体」の三拍子が揃っている点を評価されたのでしょう。

 二酸化炭素の削減、燃料の高騰、物流コストの見直しなど、輸送業界を取り巻く環境がますます厳しくなる中で、1万近くのライバルに注目されることになる武蔵関運輸のエコドライブコンテスト入賞(http://www.musashiseki.co.jp)は、他社の良き目標となるに違いありません。


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環境の 配慮心に ハンドルを
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by tabigarasu-iso | 2009-12-21 12:07 | ニュース | Comments(0)

審査員の質

 ISOマネジメントシステム審査員は、規格への適合性とシステムの有効性を検証する使命があります。それを厳格に実行するのが良い審査員か、それとも審査を受ける側の状況に見合った指摘をするのが良い審査員でしょうか。いずれにしても、審査を受ける効果を受ける側が見出せなければ苦情になります。

 審査に関する苦情には、基本的なものと本質的なものがあり、どちらも見逃せません。まず、基本的なものとして、審査をしてやると言う横柄な態度の審査員は、審査がサービス業であることを忘れていますから即刻退場して頂きましょう。また、誤字脱字が多く何を言いたいのか分からない審査報告を平気で提示される方、日本語の書き方教室に再入学頂きたい。

 次に、本質的な点で問題になるのは、指摘の根拠を誤ったもの、不適合の握り潰し、逆転した所見などがあります。例えば、製品開発部門に対する環境法規制としてPL法が特定されていないから不適合とするもの。確かに、製造物が廃棄された段階で有害な物質を土壌に流出させる恐れがある場合、そのことを取り扱い説明書もしくは製品本体に明示する責任が製造者にはあります。しかしながら、環境法規制としては製品の廃棄段階で所有者に対し適切な廃棄物処理をすることが要求されるものですから、先の不適合は根拠が怪しい。

 また、審査中に不適合の発言をしながら審査報告書には載せない場合、それが審査を受ける側にとって好ましければ苦情になりませんが、そうでなければ苦情になります。誰でも不適合を受ける事を好みませんが、それを契機に改善を図りたい場合もありますから、期待を裏切る発言は戒めなければなりません。

 最後に、逆転した所見については、不適合とした案件を取り下げ、不適合としていない案件を不適合にすることですから、審査の信頼性を大きく損ないます。先の期待を裏切る発言より厳しく戒める必要がありますが、事前に所見の内容に関して審査を受ける側と意見交換していれば避けることができるものでしょう。それができない審査員は、審査に向かない方ですから、定年を待たずに審査の世界から退場して頂くしかありません。


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人相の 悪さも隠す マスク掛け
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by tabigarasu-iso | 2009-12-21 00:06 | ISOマネジメント | Comments(0)