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白髪の旅ガラス

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 人の話は聞いてみるものです。大気汚染はどうして発生するのか、その汚染をどうして防ぐのか、その道の専門家が説くセミナーを朝から晩まで聴講する機会がありました。セミナー受講の狙いは、審査員として大気汚染に関する法規制や対策技術・装置の情報を再認識することです。

 けれど、沢山の情報を一度に聞いても、どの位が脳内に残ったことか怪しいもの。その中で、唯一印象に残っているのは集塵の処理方法でした。重力を利用し塵が落下するのを待って集塵する方法は、風を待ち蕎麦や大豆の実を殻や埃から分けるのと似ています。また、洗浄して塵を集める方法は、濡れ雑巾で床を掃除するのと変わりません。それに、フィルターで塵を集める方法は、家庭で使う掃除機の原理と同じですから、すぐに頭に入ります。更に、遠心力を利用して集塵する方法に関しては、最近流行り出した吸引力の落ちない掃除機と同じであろうと納得しました。

 こうして、身近なものに置き換えてみれば、見たことのない複雑な集塵技術であっても良く判ります。その所為でしょうか、いつもなら居眠りする退屈な話も、最後まで眠ることもなく受講することができました。これは、講師の近くに座った方は別としても、多くの受講者が居眠りする中では画期的な出来事です。

 そこで、講師の立場で考えてみました。工場で使う集塵装置の原理原則を正しく説明する講義も大切なことですが、受講生の身の回りにある掃除機や乗用車を例に説明した方が記憶に残りますから、その例を受講生の頭に頼らず講師の側から提示する必要があるでしょう。
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風頼み 埃を飛ばす 大豆かな  
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by tabigarasu-iso | 2009-09-28 12:56 | 随筆 | Comments(0)

政策の一貫性

 前回の審査結果に疑問を持っても、それを受審者に対し何の説明も無く、いきなり伝えてはいけない。審査結果を覆すことは簡単なことだが、審査への信頼性を失うことになる。疑問に思う点があれば、審査を通じ事実関係を確認した後で、相手に理解を促すことであろう。

 このことを審査の一貫性と言い、審査を続ける限り、審査員は踏み外してはならない審査の掟である。政治家にも、審査と同じことが言えよう。ダムを造ると決めて工事を進めていたものの、政権交代で政策を見直し、関係者への説明も不十分なまま、ダムの工事を中止にすれば、政治家の信用を失うことになる。

 そもそも、人里に出没し話題になるツキノワグマや見事な六角形の巣を作る蜂と異なる人とは、生命の存続とは関係の無いものに執着し、それを守るため時には命を掛ける奇妙な動物と言えよう。従い、合理的な見地だけで、話題のダムが必要だとか不要になったとか言い切れるものではない。

 それが不要な物であっても、人々の心の拠り所になるものであれば、偶像として崇拝すれば良かろう。だが、その偶像を作り上げるのが良いか、中断して別の偶像を作るのか、偶像に関する政策の一貫性を守らなければ、庶民の信用を失うことになり、政権の座は脆いものとなる。
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友愛の 友は誰かと 聞いてみて
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by tabigarasu-iso | 2009-09-23 15:51 | 随筆 | Comments(0)

何故

 動植物の生存には、水は不可欠な物だが、その配分のされ方は気紛れで、飲み水に困る地域もあれば、洪水に悩む場所もある。とは言え、地球上に存在する水の量は変わらないと言うから、考えることができる人は利用方法に智恵を絞るしかない。

 そんな話の最中に、難問が飛び込んだ。
「ところで、その水はどうしてできたの?」
「もともと地球上にあったのさ」
「だから、そのもともとの水はどうしてできたの?」
「・・・」

 これが幼い子供の質問なら兎も角、還暦前の素直な人の質問だから、誤魔化したままでは済まされない。
「氷が解けたのさ」
「その氷を作った水は何処から?」
「地球ができたときからあった」
「なるほど?」

 だが、どうも完全には信じていない様子である。答える側も自信がないから、それが判るのだろう。そこで、何でも検索できるインターネットを使い調べてみれば、地球ができた時から水があること、それに有機物が高温で分解する時に二酸化炭素と水ができるとある。苦し紛れの回答も、真っ赤な嘘ではなかったようで、取り敢えず安心したが、次はどんな質問が飛び込むものやら。
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八ツ場ダム 造る目的  止める訳
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by tabigarasu-iso | 2009-09-22 12:48 | 小説 | Comments(0)

また秋刀魚

 むかしむかしの話です。新鮮な海の魚を食べたことのない山の子供が居りました。海の魚を山の中まで運ぶには手間が掛かり、高価な海の魚は手に入らなかったのでしょう。ただ秋刀魚だけは別でして、丸ごと一匹食べることができました。何でも便利な都会で子供時代を過ごした方には、こんな話は想像もできないことでしょう。

 その子供も大人になって、お金さえ出せば何でも手に入る都会で働くようになりました。見たことも口にしたこともない海の幸、ウニやアワビの刺身は恐る恐る口に入れたものの、その旨さに驚きを隠せません。親しみのある鮭の切り身にしても、安心して口にしたものの、塩辛くないことに驚いてしまう有様でした。

 その点、秋刀魚だけは昔と変わらない味です。冷凍ものであろうが、旬のものであろうが、良く焼いて熱いところに大根おろしを合わせ、醤油を浴びるほど掛けて食べれば、これに勝る食事はありません。ハマチやマグロと比べ、これほど旨いのに秋刀魚はいつでも驚くほど安く、それがまた良いところです。正直なところ、マグロの刺身より焼いた秋刀魚の方が、旨み成分は多いのではないでしょうか。

 ところで、昨年に比べ今年の秋刀魚はサイズが大きく脂ものっていますから、秋刀魚の塩焼きがメニューにあれば、迷うことなく注文します。その熱い身を箸で割きながら、もう一匹食べたくても食べられなかった子供の頃を想い出して追加注文するのは、かつての山の子供でありました。
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新秋刀魚 書いて出すなよ 冷凍を
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by tabigarasu-iso | 2009-09-19 13:32 | 随筆 | Comments(0)

どこか似ている

 世の中、同じ人は一人も居ません。良く似た人は、肉親や親戚を除いても、何人かは居るものです。顔の似た人、仕草の似た人、声の似た人、それに行動パターンの似た人、余りに似過ぎていれば驚きを通り越して気味が悪い。

 維持審査の立会い現場、顎に髭を蓄えた審査員は、審査の開始会議で吠えました。
「堅い話は抜きにして、楽しい審査にしましょう」
 これから審査を受ける側は緊張していますから、審査員の明るい呼び掛けに誰一人反応しません。

 審査員には、堅いイメージが付きものです。その審査員が、始終笑顔を崩さないで基準と現場が違いますと笑い声で言えば、気味が悪くて誰も近寄らないことでしょう。ですから、どのようにして楽しい審査にするのか、緊張した相手にも判るよう、具体的な説明をしなければいけません。

 初回会議のボタン掛け違いが修復されないまま、一人審査員だけが楽しい審査は進みます。けれど、反応しない相手に痺れを切らしたのでしょう。審査員は、立会いのコンサルに意見を求めてきました。
「審査内容には触れませんが、審査を受ける方の気持が引かないようにお願いします」
「はあ?」
 どうやら先方は、楽しさを独りよがりしていることに気付いていないようです。この場面、良く似た行動パターンを取る己を見ているようでもありました。
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言うほどに 効果上がらぬ 講釈師 
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by tabigarasu-iso | 2009-09-18 08:40 | 随筆 | Comments(0)

鳩山内閣

 先の衆議院議員選挙で単独過半数を占めた民主党は、いよいよ政権を担当する与党になりました。民主党党首の鳩山さんは内閣総理大臣になり、偉大なお爺さんの跡を継ぐことになります。また、少数派ながら国民新党の亀井さんや社民党の福島さんも大臣の椅子を確保しましたから、長い間耐えた野党の教訓を活かした大臣力を発揮されることでしょう。

 新政権には何を望みます。まずは、マニフェストで約束した事項を実現して貰うことでしょう。すべての約束が直ぐに実現するとは思いませんが、成果が誰にでも見えるようにして貰いたいものです。その一つが、工事が中断している群馬県の八ツ場ダム建設問題。工事を続行するのも中止にするのも、地元住民をはじめ多くの国民に負担を強いるものですから。

 コンサルサービス業の立場では、品質、環境、安全管理に積極的な姿勢を見せる企業に対するシステム導入補助金制度や税の優遇を期待したいものです。これらのシステム導入は、すぐさま売上に貢献するものではありません。ついては、経営環境が好転するまで、コスト負担する組織を支援するのも税金の使い道でありましょう。

 いずれにしても、発足したばかりの新政権に余り多くを期待しては、実現できないことが明らかになるにつれ、絶望感が大きくなりますから、ほどほどが良いのかも知れません。野党になった自民党と新たに与党になった民主党、元を正せば同じ仲間でしたから、画期的な政策は望み過ぎでしょう。
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新政権 成果見てから 祝い酒 
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by tabigarasu-iso | 2009-09-16 23:04 | ニュース | Comments(0)

スイカがない

 電車に乗るにも買い物するにも、切符も現金も不要なJR東日本発売のスイカは、大変便利なものです。今では妙な呼び名にも慣れて、電車で出掛ける時には無くてはならないカードになりました。ところが今朝に限り、いつも入れている名刺入れや財布の中を探しても、それが見付かりません。

 仕方なく、久し振りに自動販売機で電車の切符を買うことになりました。けれど、自動販売機の表示板には料金ばかりが縦横に並び、行く先の駅名は出ていません。料金を暗記していれば良かったのですが、カード精算のスイカを使い慣れた所為で、すっかり忘れています。

 販売機の上に掲示された路線図を眺め、漸く料金が判りました。いつもの駅ながら、初めて利用する客のようで、後ろに並んだ方が呆れています。待たせて申し訳ありませんから、チョコリと頭を下げました。その後で、自動改札に切符を入れ通過しようとしましたが、切符を扱う機械は隣に見えます。

 そこで急な進路変更でしたから、後続の方に迷惑を掛けました。再び頭を下げて、隣の改札機を無事に通過します。切符の扱いに幾らか慣れたものの、JRから地下鉄に乗り換える際にも、慣れない自動販売機と自動改札に戸惑いは隠せません。今や、スイカなしでは一日も過ごせない人間になったようです。


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改札の 手前で探す 切符かな 
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by tabigarasu-iso | 2009-09-15 12:28 | 随筆 | Comments(0)

無差別攻撃

 010911の数字は、米国で同時多発テロが発生した年月日の略です。それは、今から8年前のテロ事件でした。しかしながら、昨日のことのように記憶が鮮明なのは、どうしたことでしょう。きっと、その様子をテレビ局が生放送で世界に流した所為ではないかと思います。

 最初の旅客機が突入して燃える高層ビルディングに別の旅客機が突入する様は、まさか生放送ではあるまい。そう、誰もが放映されている現実に目を疑ったことでしょう。それだけに記憶が深く残り、いつまでも鮮明に蘇るようです。ところが、この事件は、未だ根本的な解決に至っていません。

 テロの主犯は、その後どうしたことでしょう。当時、犯人を追い詰めて攻撃する映像が何度も繰り返し放映されましたが、その後も主犯とテロ組織は存在し続けているようです。という事は、同じ悲劇が繰り返される可能性が今もありますから、テロに狙われやすい要所の警備に手を抜いてはなりません。

 それにしても、無差別攻撃は許されない。それが、戦争終結の手段であったとする原子爆弾の投下であれ、傷痍爆弾を振り撒く空爆であれ、また同時多発テロにしても。どんな理屈を並べても、命を奪われた人にとっては、決して許せないことです。こうした、罪のない人々が巻き込まれるテロや戦争、それらの凶悪性を再認識するのが、010911ではないでしょうか。
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惨劇を 映画化するも 気を配り
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by tabigarasu-iso | 2009-09-11 22:30 | 随筆 | Comments(0)

090909

 2009年9月9日を簡略化すれば090909になり、しみじみ眺めて思い付いたのが「オオサンキュウ」です。いやはや、何ともお寒い限りの想像力の持ち主でありましょう。悔しくて再び挑戦しても、他に何も思い付かない。もはや、寒さを通り越し、悲しい限りの還暦前であります。

 ところで、空前の販売部数を更新中の書籍がありますが、そのタイトル「1Q84」からは、何を想像したものでしょう。どう考えても、「知能指数84」が精一杯でありました。それでも歳の割には、かなり良いセンスではないかと思いますが、余り高くない知能指数ですから、書籍の内容を想像することができません。
 
 それなのに、大変良く売れている。風変わりなタイトルで買われたのか、内容で選ばれたのか、宣伝が旨かったのか。ベストセラーは買わない主義の人間ですから、その内容は判りませんが、まずタイトルの付け方が良かったのでしょう。それで手に取り内容を確認すれば、多くの人を引き付ける何かが、その本には在るに違いありません。

 聞くところでは、英訳を意識した日本語だそうです。いずれ、ブームが去った時点で確認するつもりですが、世界的に著名な作家は想定する読者の対象がはじめから広い。真に、それが海外で読まれることを意識した文体であれば、その方は作家であると同時に国際的なセールスマンとも言えそうです。
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味気ない 数の並びに 意味持たせ
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by tabigarasu-iso | 2009-09-10 22:29 | 随筆 | Comments(0)

八ツ場ダムは何処へ行く

 遥か昔から検討され、漸く着工になった八ツ場ダムの建設工事は、政権交代で雲行きが怪しい。ダム建設の目的は、治水と埼玉県や東京都への水の供給であった。その必要性が変わらなければ、政権交代などで中止の議論が生まれる筈がない。

 埼玉や東京の水は、不足しているのだろうか。ダム建設の議論が始まった時より、水が不足する事態はなかった。一時期の夏場、飲料用水の制限はあったが、農業用水の制限はない。同じ河川から取水しているのだから不思議なことで、実態は縦割り行政上の問題であった。

 河川が氾濫したことも記憶にないから、ますますダム建設の目的が霞んで見える。治水や飲料水の確保には、ダムの建設より森林育成の方が良いとする判断もあるから、自然を大きく変化させるダム工事は、継続するのも中断するのも、人だけでなく動植物の将来も見据えた判断が必要になろう。

 八ツ場ダムの現地を訪れてみれば判ることだが、中断するのも難しい状況にある。どのような判断があるのか不明だが、一度失った自然は元に戻らないから、将来を見据えた場合は中断も止むを得ないであろう。その場合、地元の住民をはじめ、関係者への補償を忘れてはならない。


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足元の 切り株倒す 樵かな
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by tabigarasu-iso | 2009-09-07 12:01 | 随筆 | Comments(0)