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白髪の旅ガラス

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重要な審査の継続性

 ISOマネジメント登録証の有効期間は、三年間あります。けれど、自動車の免許証と異なり、維持審査を毎年受けなければなりません。毎年、同じ審査員が継続して審査を担当する場合もありますが、前回の審査とは異なる審査員が担当した場合、前回の審査で指摘された事項に首を傾げたくなることや、重要な課題が指摘されていなかったら、どう対処しましょう。

 審査機関から審査員への指導は、審査の継続性を重んじることです。勿論、審査時に指摘した基準が適切なことが前提ですが、そうでない場合も多々ありますから、それを受審者にどう伝えるのか、実に悩ましい。この場合、維持審査を担当する審査員は、ISOマネジメント規格の解釈には、幅があることから説明を始め、どの道を選択されるのか、再検討を勧めなければなりません。これには二倍の手間が掛かるうえ、なかなか納得して貰い難く、コンサルのテクニックを陰ながら活かすことになります。

 前回の審査で重要な課題が指摘されていない場合、遠慮なく指摘するのは簡単ですが、審査を受ける側には、今更の失望感を与えることになりますから、やはり慎重に説明しなくてはなりません。この場合も、規格の要求事項を相手に判る言葉で説明することが基本です。その上で、要求内容を満たしながら、相手にとりこれまで以上に有効な活用方法を提示できれば、課題として指摘しても受け入れられることでしょう。この際、具体的な指導にならないよう、議論を通じながら相手が判断できるようにする、審査のハイテクニックが必要になります。

 いずれにしても、審査の継続性は重要ですから、前回審査の穴を埋める能力と余力がない審査員は、維持の審査を引き受けない方が良いでしょう。しかしながら、その穴は維持審査の依頼を受けた後で判ることですから、それこそ後の祭り。ですから、かような場合にも対応する覚悟と能力のある方のみ、審査員を続けましょう。さもなければ、審査の継続性など維持できそうになく、ISOマネジメント審査の信頼性が失われ、誰が好き好んで穴だらけの審査を受けるものですか。

審査とは 一期一会の 果し合い
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by tabigarasu-iso | 2008-05-31 20:02 | ISOマネジメント | Comments(0)

ああ審査

 御承知の通り、ISOマネジメントの登録審査や維持審査に、どうしても必要な役割が審査員。一方のコンサルは、仕組み作りや維持を支援する立場ですから、同じ組織の審査はできませんが、他の組織であれば可能になり、そんなコンサルが審査に臨んだ時に、思い浮かんだことをお話しましょう。

 審査の良し悪しは、審査機関ではなく、審査員によるもの。その審査員を育てるのも使い捨てにするのも、審査機関ですから、良い審査を行う審査員が所属する審査機関は、良き審査機関と言えます。

 しかしながら、審査機関の視点だけでは、良き審査員の育成は容易ではないでしょう。審査員には、審査を受ける側の意向を、瞬時に汲むことが可能な能力が求められているからであり、課題を検出することに終わる審査を、何度繰り返したところで、その場の空気を読む能力は身につきません。

 それは、コンサル経験を経て始めて身に付く能力ですから、コンサルの視点を持った審査員を育てる審査機関が理想と言えましょう。しかしながら、その戦術に賛同して審査員の役割を演じながらも、果たす役割の重さに対して、その報酬の低さには呆れるばかりです。

 かような状況では、審査を主体に生活できるのは、審査機関に所属する審査員だけであり、いつまで経ってもコンサル経験は積めませんから、良き審査機関になるには、良きコンサルとの協業が不可欠でありましょう。

 そうなれば、規格ばかりを口にする未熟な審査員は、コンサルの門を定期的に叩き、利用者の意向を汲む修練を積むことが可能になります。また、我流の指導を押し付け反省することのない、エゴの強すぎるコンサルは、審査の門を稀に叩き、規格を根拠に利用者の求める支援を静かに指摘する、客観的な指導能力が身に付きましょう。
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ああ審査 指摘と支援 別の席
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by tabigarasu-iso | 2008-05-30 06:37 | ISOマネジメント | Comments(0)

先送り

「当社の環境法規制順守状況に関し、社長に報告致します。まずは、工場立地法については、緑地面積率の要求など、全て満たしておりますので、御安心ください。続きまして、・・・」

 ここで、社長の顔色と時計の針の両方を見ていた管理責任者は、環境法規制の担当者に声を掛けました。
「済まないが、法規制の要求を満たしていない案件から、説明して欲しい」
 社長に報告する機会が滅多に無い担当者は、事前に描いたシナリオが狂い慌てています。

 そこで、同席のコンサルは口を挟みました。
「先ほど説明頂いた、早急に対応が必要な法規制に絞り、どんな対応が必要か、本音でお願いします。消防法の特定指定可燃物と地下水の件でしたね」

 すると、緊張感から開放された担当者は、身を乗り出し力強い声で説明を再開します。
「廃棄物保管場所に保管している布くずは、その量から消防法が適用されますが、その要求事項を満たしておりません!」

 これを聞いた社長は、担当者の説明に頷きながら言いました。
「ところで、環境法規制に関する届出は、あなたの担当でしたが、良く不備に気付かれましたね」
 
 瞬く間に静寂が訪れます。これを見逃したのでは、コンサルの役目が果たせません。
「流石、社長の言う通りです。自ら気付かれた担当者をほめて下さる。これぞ、ISOマネジメントの求めるところですから、大変結構です」
 この一言で、その場に笑いが起きたこと、ここに報告して置きます。
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話はね 半分聞いて あと見てね
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by tabigarasu-iso | 2008-05-28 22:04 | コンサルサービス | Comments(0)

迷惑な話

 たまたま列車の席で隣り合わせた方が無神経な人で、少しばかり酒の力も借りて自慢話を喋り続けたらどうしますか。静かに本を読み、寝不足の身体を休め、溜まった仕事を捌こうとしていたなら、鼻から申し訳ないがお静かに願いますと断るのが宜しい。

 それが出来ずに付き合わされた方は、お気の毒としか言いようがありません。迷惑を掛ける人は、自称経営コンサルとのことです。
「この場合は、システムの改善が必要だが、それが出来ていない」
どの場合か判らない方を相手に、持論をエンドレスで展開するから、席の離れた者にも、迷惑が及びます。

 相手が困惑しているのも判らず、経営コンサルの自分が指導したから、システムの改善が出来たと、自慢げに笑うから我慢なりません。
「あのう、車内マナーのコンサルも可能ですか?」
 喧しく話し続ける経営コンサルに向かい、トイレに向かう途中で話し掛けてみました。

 一瞬、驚いた様子を見せましたが、己の脱線状態が判ったようです。
「失礼しました。そればかりは、失念しておりました」
 これを聞き周囲の乗客が揃って笑い始めましたから、堪らずに経営コンサルの方は席を立ちました。
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暮れかかる 山の彼方に 夕焼けが 明日も染めると 別れを惜しみ
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by tabigarasu-iso | 2008-05-26 20:40 | 随筆 | Comments(0)

 或るテレビ番組で、同年の医師が言った。
「私は、子供にもどこが悪いのか、具体的に事実を話します。どうしたら回復するのか、それが危険を伴う手術であれば、そのことも伝えます。それを理解してくれたら、元気になろうとする本人の力が、病気を治してくれます。そう、医者は病気を治せません」

 脳の中の繊細な部位に手術を施す、白髪の医師の言葉に惹かれた方は、多かったに違いない。その話し方は、世辞にも旨いとは言えなかった。それが却って聞く者の心を打つ。話し方に苦心するコンサルにも、教訓になるものがある。

 彼の手術現場で生き生きと振舞う姿に、衰えは見えない。サラリーマンの五十六歳と言えば、早期退職も想定される年齢であり、無難に役割を果たす受身的な立場にもなろう。だが、果敢に挑む彼の姿を見れば、奮い立たない訳にはいかない。

 その彼が言った。
「石橋を叩いて渡る生き方はしません。壊れる石橋なら叩いて壊し、それから再び造り上げてから渡る、それが私の生き方です」
 こうも言った。
「今の私なら挑戦できる。けれど、五年先は無理かも知れない。だから、今できる手術は可能な限り挑戦する。そのことを子供の患者に話します。君も、石橋を叩いて壊して造って渡れとね」
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頂きに 雲か黄砂か 伊吹山
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by tabigarasu-iso | 2008-05-24 18:29 | 随筆 | Comments(0)

ズボンの裾が丸くなり

 横殴りの雨が路面で跳ね返り、傘を差しながら足元まで濡れる土砂降りに遭遇すれば、クリーニングから帰ったばかりのスーツも、瞬く間に節目の線が消え失せてしまう。それが顕著なのは、先程まで折れ目の正しいズボンの裾であった。

 革靴の上に張り付いたズボンの裾を引き上げてみれば、すっかり折れ目が取れて丸くなり、いつでも試合に臨める選手の足元の如く準備が出来ている。人差し指を入れて折れ目を再現しようとしてみたが、形状を記憶しない繊維が笑っているようだ。

 これがジーパンであったなら、鼻から苦にならないものを、スーツだから気になってしまう。こうしたことも、愚かな思い込みかも知れない。ズボンの裾に折れ目があろうがなかろうが、仕事を進める上で支障はないのだから、それを気にする習慣を見直すことが必要である。

 さもなければ、物事の本質を見抜き、今何を行うべきか、適切な判断など出来る筈がない。予定外の雨に打たれ、衣服はもとより革靴まで濡れて、そのまま満員の電車に乗り込めば、自他の汗の匂いが鼻を突き、改めて人間臭さを想い出すことができたようである。

模擬審査 本番以上 厳しくて
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by tabigarasu-iso | 2008-05-21 22:58 | 随筆 | Comments(0)

感謝します

 お蔭様で、「呟き」をブログに掲載してから、三年が経ちました。未だ見ぬ読者の方に、心より感謝します。誰もアクセスしてくれない日は一度もなく、時には驚くほど多くのアクセスがあり、その変動は激しいものの、常に誰かにアクセスされていることが、筆者の大きな励みになり、四百二十六話になりました。

 三等分してみれば、一年に百四十話近くを掲載した勘定になりますから、三日に一度の更新であり、本人も呆れるばかりです。これを反省すれば、数が多いことより、質の向上を目指したいところですが、そもそも「呟き」にそれを期待されても無理なこと。運良く質の高いと思われる放言も、時には間違ってありましょうが、大半は一笑に付して頂ければ、それで願いは叶うものです。

 ところで、最近の話題には暗いものが多過ぎて、夢を持てる明るいものが望まれていますから、それに応える「呟き」を目指すことにしましょう。従い、質の向上は今後も望めませんので、悪しからず御容赦ください。こう言ってしまえば、何とも気楽な気持ちになりまして、根も葉もない話が切れ間無く飛び出して来そうです。

 それでも、全くの作り話ばかりでは申し訳ありませんから、実話に題材を求めながらも、可能な限り小説風に展開してまいりましょう。そうしなければ、正義の味方に演出された方は良いとしても、悪役に回された方が深く傷つき、とても感謝されそうにもありません。

                 呟いて 岩をも砕く 念力に
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by tabigarasu-iso | 2008-05-19 23:44 | 随筆 | Comments(0)

人情

 上野発の高崎線と常磐線の特急列車には、同じホームの隣り合わせの番線で、同時刻に出発するものがあります。高崎線の特急は自由席が大半であり、常磐線の特急は指定席が大半ですから、間違って高崎線に乗り込んだ人は、指定席の番号を探す人で直ぐに判る。

 そうとは知らないで座席に座れば、途中で上野まで引き返さなければなりません。それでは気の毒ですから、車掌でなくても声を掛けるのが人情というもの。
「どちらまで?」
 土産を抱えたおじさんの手にした乗車券を見せて貰えば、上野から土浦とあります。
「これは隣の列車ですよ!」
 大きな声で教えてあげる。

 高崎線の列車を降りてホームを走り、閉まり始めた常磐線の列車のドアに向かい、おじさんが叫ぶ。
「待ってくれぇ!」
 どこか覚えのある光景です。どうにか間に合ってくれるよう祈っていれば、そんな人が多いのでしょうか、車掌さんは慌てないでと声を掛け、おじさんの乗車を待って、扉をゆっくり閉めました。

 同時に動き始めた車内から、指定席に座るおじさんの姿を見届けて、何故か一安心。もしも声を掛けていなければ、走り始めた列車の中で、行き先が違うことに気付いたおじさん、どんなに慌てたことでしょう。それにしても、同じホームの左右の番線で、わざわざ同時に出発する、何とも人騒がせな時刻設定ですね。
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大鯰 一揺れにして 五万飲む
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by tabigarasu-iso | 2008-05-17 21:47 | 随筆 | Comments(0)

教育の季節

 かつて流行った歌ではないが、「恋の季節」があれば「教育の季節」もある。新年度が始まり、新入社員や異動者が赴任する時期には、多くの組織で社員の力量を上げる、階層別研修や異動者研修が花盛り。何かに憑かれたように、脅迫的に開催されるから、講師を提供する側としては有難く、野次馬としては面白い。

 研修を受ける側となれば、短期間に次々と教え込まれるものだから、何を脳内に定着させたら良いのか迷う間に、興味深い知識も通り過ぎてゆく。分厚い資料を抱え、頭を垂れて部屋を去る姿は、何も理解できなかった研修生の苦悩を表している。それが良く判るのは、消化が無理なことを知りながら、多くを語る講師だから。

 ISOマネジメントシステムを導入する段階では、計画、実施、点検それに見直しへと、順を追って教育指導も展開される。しかしながら、導入が済んだ段階では、その仕組みを理解していない者は少数派であり、一方で本格的な運用が行われているから、導入の段階のように時間を掛けた研修は難しい。

 けれど、一年近く掛けて習い覚えるマネジメントを、二時間の講義だけで理解できる訳がなかろう。それに、一年掛けて説明したことを、二時間で説明できる訳もなく、飛ばしに飛ばして説明するから、聞く方が実に気の毒である。ISOマネジメントの運用で困った時に、配付した資料のどこを見れば良いのか、それだけ判れば良いのだが。

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              詰め込みに 押し出されても 想い出に
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by tabigarasu-iso | 2008-05-16 23:55 | セミナーサービス | Comments(0)

人災

 好ましいことではないが、地下で核実験を行えば地震が起こる。これは人災になるが、それ以外の地震は天災と言えよう。だが、地震が原因であっても、耐震構造の手抜きで建物が倒壊すれば、間違うことなく人災となる。今回発生した中国四川省の大地震は、昔から地震が想定される地域で、校舎など多くの建物が倒壊したことから、経済優先の政策が一因に違いない。

 そうとも知らないで、瞬く間に瓦礫に埋もれ、命を亡くした方は気の毒である。冥福を心より祈りながら、弔いの言葉を呟きたい。とりわけ、将来を担う子供達が通う校舎の倒壊は、痛ましいものがある。わが国では、学校は災害時の避難場所にも指定されている所が多く、他の建造物に比べれば倒壊の危険性は少ない場所であろう。その校舎が数多く倒壊したとの報道であるから、大地震とは言え建物を造った人の責任は免れない。

 ところで、話題の温暖化現象も、大地震ほど急激な変化は引き起こさないものの、地球全体に亘り災害をもたらす人災であろう。その原因は、人が地底に眠る資源を地上で燃やした挙句、大気中の過剰になった二酸化炭素などである。この変化はゆっくりながら、もとに戻ることはなく、誰もが原因になる物質を排出する側にあり、場所を選ばず気温上昇の影響を及ぼすから始末が悪い。

 従い、多くの二酸化炭素を排出する者が、削減の責任を取るのは当然のことであり、排出者が自分のところで排出した分を大気中から吸収するのが本来である。だが、経済的な発展と二酸化炭素の削減が両立できない場合が多く、他所から削減の枠を購入するとか、削減の支援を行った分を削減したことにするとか、色々な策が花盛りである。けれど、こうした他所に頼る削減策には、吸収する策が含まれないから、大気中の二酸化炭素量は減りそうもない。
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               削減や これからだけで 元までも
 
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by tabigarasu-iso | 2008-05-14 19:33 | 随筆 | Comments(0)