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白髪の旅ガラス

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有り難いメール

 何通となく舞い込む迷惑な電子メールに、そうとは知らない携帯電話の身では、その都度、正直に反応して電池を減らしていきます。その内容は別にしても、受け側の都合も聞かず、電子メールを使い宣伝する側にもなりますから、受信した迷惑メールのセンスに嘆きながら、黙って削除するしかありません。

 こうした迷惑メールに紛れ、有り難いメールを頂戴すれば、携帯電話に頭を下げます。
『昨日、内示があり、異動することになりましたので、お知らせします。この二年間、ISOマネジメント導入に際し、大変お世話になりました。時には、コンサルを怒らせることもありましたが、お許しください。再び、異動先でお会いできる日を、楽しみにしています』

 コンサルは、お客様に怒りを表すことなど、滅多なことではありません。ニーズを満たすのが商売ですから、その節は、怒りを表す事が必要と判断してのことでしょう。
『早急に資料を確認のうえ、コメントを返してください』
 金曜の夕方に届いた電子メールに、その日の夜中に返信したコンサルですが、週が開けて訪問すれば、返信のメールは未開封のまま、自分の考えを関係者に配信したとの拍子抜け。

 コンサルに意見を求めながら、その回答を待たず、その説明にも耳を貸さず、自分の考えを曲げないお客様には、コンサルは不要です。このコメントを、怒りと理解されたお客様から、感謝の言葉に詫びを添えて頂いたメールは、コンサルにとり何とも有り難い成果でありましょうか。
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田圃道 上下制服 つくしんぼ
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by tabigarasu-iso | 2007-03-29 19:18 | コンサルサービス | Comments(0)

迷惑な話

 運悪く、隣に座った人が話し好きな男性でしたら、どうしましょう。何処まで行くのか序の口に、後は自分のことばかり、見ず知らずの女性に話し掛けて切りがない。その女性、止せば良いのに、話が終わりそうになると相槌を打つものですから、脈絡のない話が長々と続きます。

 その男性は、既に奥さんを亡くされ、話し相手が居ないのでしょう。その女性も、同じ様な境遇かも知れません。その女性が困っているようなら、助け舟を出そうと覗いて見れば、執拗に話しかける男性に、満更でもない様子ですから、放っておきました。

 そんな傍迷惑な旅人の話し声に、或る日の車内アナウンスを想い出します。
「御乗車、有難う御座います。この列車には、楽しい旅の途中、仲間の方と楽しく賑やかに過ごされる方々や仕事で静かに移動される方、色々な方が乗車されていますので、他の方の楽しみの迷惑にならないよう、マナーモードで会話をお楽しみください」

 何とも気の効いたアナウンスであったことでしょう。ひょっとしたら、読書や資料作りの方が、余りに騒々しい集団に閉口し、車掌さんに御願いしたのかも知れません。うるさいから静かにして下さいでは、直接過ぎて脳がありませんが、自分も楽しみながら他人の楽しみも気遣う、マナーのアナウンスは、この場でも御願いしてみようかと思います。
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審査員 コンサル恐れ 指摘せず
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by tabigarasu-iso | 2007-03-28 12:08 | Comments(0)

ベツ腹

 食後のデザートに大きなケーキが出されたら、躊躇する男性が多いのに比べ、女性の多くは、これはベツ腹ですから満腹でも大丈夫ですと明るい顔で平らげる。確か、牛の胃袋は複数あって、ベツ腹の意味が良く判るが、女性のベツ腹は得体が知れない。

 環境ISOマネジメントを導入する組織にも、ベツ腹を用意して臨む場合が多く、一つの腹にするのがコンサルの役目と心得る。
「ところで、内部コミュニケーションの項目に、既存の改善提案手順によるとありますが、実物を見せて頂けますか」
 そこには、業務目標を定め、それを実現する実施計画を作成し、委員会で発表して情報の共有化を図り、関係者全員が施策の改善提案を年間計画に沿って実施する手順が明記されていた。
「ここに定めた業務目標と環境目標の関連性はありますか?」
「それは、考えたことがありません」
「それでは、改善提案に関する年間計画を、環境目標の一つに加える余地は?」
「確かに、言われてみればその通りですが、審査が迫っているので次回の課題に」

 業務目標と環境目標を、食事とデザートの関係にしても宜しいが、一つしか胃袋のない組織では、後者をベツ腹に納める余地はない。主食の業務目標を優先すれば満腹だから、デザートの環境目標を、食べ残してしまうのは当然のことではなかろうか。

 斯様な場合は、どうするか。環境目標を設定する際、考慮事項の筆頭に、年度初めに設定された業務目標を置くが良い。そうすれば、用紙の削減、照明電気の節約、ゴミの分別と言ったデザート的な環境目標から、組織が生きるのに必要な業務目標の側面である「業務環境目標」が設定できよう。
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斜面より 人待ち侘びる 山桜
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by tabigarasu-iso | 2007-03-27 23:22 | コンサルサービス | Comments(0)

下弦の月

 今にでも天から落ちそうに、地平線の間近に巨体を浮かべる満月だが、その翌日になれば見事に減量した三日月となり、月の初日を迎える。それを新月とも呼び、満月とそれとの中間を下弦の月と言う。

 月が満ちた直後から欠けて行くように、桜の花も満開になった途端に散り始め、散った後には葉が育ち、その葉が養分を太陽から分けて貰い、秋風が吹く頃になれば役目を終えた葉は枯れて散り、それを哀れに涙する人の眼の前にある、枝のあちらこちらに翌春の新芽を見せてくれる。

 下弦の月を見る度に、安定したその姿に心が和む。満月や満開の花ほど派手さはないけれど、次の段階が期待できる力を秘めながら、それを自慢しない謙虚さが、寒風の中で隣の蓑虫と一緒に耐える桜の新芽に似ている。

 だからと言って、いつまでも見続けている訳にはいかない。夜空を楽しむ趣味のない相棒は、道脇に残る雌犬の臭いを追うのであろう、鼻先に泥を付けても落とそうともせず、暢気な主を散歩に引き戻そうと軽く吠えた。
『いい加減にしてくれよ』
 こう諭すように聞こえたのは、間違いではあるまい。
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懐かしき 家鴨の声に 天仰ぐ
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by tabigarasu-iso | 2007-03-25 11:27 | 随筆 | Comments(0)

+思考

 東京から名古屋まで、新幹線を利用することに慣れた人なら、「のぞみ」に乗ろうが「ひかり」に乗ろうが、大した時間差はありませんから、先に出る列車に乗るでしょう。指定席がなければ自由席に、一人なら大抵は座って名古屋に行けますから当然のことです。

 そんなつもりで、岡山駅から東京行きの新幹線に乗った男の選んだ列車は、「ひかり」でした。数分後に「のぞみ」が利用できましたが、東京から名古屋までに慣れた男は、車内アナウンスで名古屋まで各駅の断りも、そう大した時間差はなかろうと、軽く聞き流してしまったのです。

 岡山駅から暫らく経過したところで、乗り込んだ「ひかり」は、東京と名古屋間の「こだま」に相当することを知りました。各駅に停車中、次から次と後続の列車に追い抜かれても、焦ることもなく各駅に停車するものですから、名古屋駅に着いた時には、「のぞみ」に乗った時の倍にも感じたものです。

 これは、神様がゆっくり帰ることを与えてくれたものですから、自由な時間が延びたことに感謝し、男は乗客の疎らな車内で創造の世界に耽ろうとしました。けれど、プラス思考の思いとは反対に、指先はキーボードの同じ箇所に静止したまま。人の疎らな車内は冷えに包まれ、男は指先思考を諦めると、脱いだコートを再びまとい、各駅で乗り降りする乗客の姿を、じっくり眺める観察者となりました。
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黄昏の 薄闇急ぐ 親子鴨
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by tabigarasu-iso | 2007-03-24 15:13 | 随筆 | Comments(0)

ラストスパート

 年度末になれば、あちらこちらで道路工事が始まり、舗装された路面が、市松模様に色を変える。水道管やガスの配管、それに電気や電話の配線の作業を合理化するには、地中に共通のトンネルを掘り、その中で変更や更新を図れば、案件の都度掘り返すこともあるまい。

 それらの多くが予算消化だとすれば、予算達成に向けて努力する仲間として、幾らか理解もできるが、使われる資金は我々が納めた税金であるから、計上した予算を消化するためだけの無益な工事と判れば、その分は還付して貰いたいものである。

 営利を目的とする企業は、売上を上げ、経費を抑え、利益を生み出し、その大半を税金に収めることで、社会に貢献する使命を持つ。利益を確保する為には、月末、四半期、それに年度末の節目に、ラストスパート掛けて売上増に汗を流す。

 一年中、その気合を持続できれば良いけれど、伸びっぱなしでは切れてしまう輪ゴムと同じ、伸びた後で縮小すると同時にエネルギーを放出し、販売促進に向かうと受注率が良いと言う。さあ、年度末はスパートのタイミング、皆で足並み揃えて参ろうか。
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地を這いて 春の脇役 ハコベソウ
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by tabigarasu-iso | 2007-03-23 12:39 | コンサルサービス | Comments(0)

大将の器

 実の父親である信虎の力量を見限り、同盟国に追放したのは、若き頃より父親の器を遥かに越えていた、長男の武田晴信であった。信虎は、やがて己を凌ぐ晴信の力量を恐れ、御し易い次男に跡目を継がせ、返す手で晴信を追放しようとしたのだが、その先手を打たれたのである。

 同じ様な謀反は、現代にも数多くあるであろう。暴君の社長に、会社の将来を心配する息子が幹部と共に反旗を翻し、父親を社長の座から下す。それが息子ではなく、専務や常務であっても、あるいは平の社員であっても、暴君を追い落とす秘訣がどこにあるのか、風林火山の時代劇は教えてくれる。

 ところで、今の出来事を現代劇として演じるのも良いが、人物設定や科白に気を配る余り、表現したいことが表現できない制約が多くあろう。また、事実であっても、間違った表現になっても、限りなく主役に近い人物から、人権侵害の訴訟を起こされる恐れもあるから、劇化は容易なことではあるまい。

 その点、時代劇では、登場人物の全てがあの世の方だから、安心して言いたいことを言わせることが可能になる。先の父親を追放する決議の場面で、既に跡目を継いだ弟に向かい、兄の晴信が力ではなく心で付いて来て欲しいと頭を下げれば、良くぞ謀反を起こしてくれたと兄を讃える弟の科白、なかなか言えるものではなかろう。どちらも、大将の器であったに違いない。
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梅の花 鶯鳴きて 絵のような
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by tabigarasu-iso | 2007-03-19 22:47 | 随筆 | Comments(0)

二時間一本勝負

 東京駅から名古屋駅まで、新幹線の指定席に座れば、二時間の自由時間となる。仕事するのも、読書するのも、居眠りするのも、それに心に浮かぶ些細な事柄を、人に読んで貰う随筆にまとめるのも、その人の自由だ。

 ところが、何かをまとめようと意識すれば、なかなか指先が動かないものである。誰にも邪魔されない時間が十分にあるのだから、心の底から湧き上がる文字の列車をじっと待てば、そのうち汽笛を鳴らして到着するに違いないのだが。

 けれども、時間内に話をまとめようとすれば、いつまでも待ちではいけないから、取り敢えず指先を動かしてみる。目標を定めてから行動するのが常識ならば、行動してから目標を作り上げるから非常識と言えよう。

 目標が定めてないから行動できない、手順書がないから仕事ができない、やる気がないから何にもできない、こうした「ないない」を口にする人が居るなら、時間内に何かをまとめる指先一本勝負を勧めたい。こう言い切ったところで、名古屋駅に着いたから、信頼して貰えるであろうか。

線路脇 ススキ気儘に 伸び枯れて
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by tabigarasu-iso | 2007-03-16 08:30 | 随筆 | Comments(0)

コンサルの梯子

 どうにも、飲兵衛と言う奴は、ちょっと一杯のつもりで暖簾を潜っても、その誓いを守る意志も酒に酔い、気の合う仲間が飲み相手ともなれば、話に花が咲いて一軒では足りず、飲み屋を替える梯子酒が好きな人種のようであります。

 コンサルにも、似たようなところがありまして、かなり厳しいスケジュールであっても、根っから人の相談に乗るのが好きなものですから、是非にと声が掛かれば断ることもなく承諾し、休む間も惜しむコンサルの梯子となりまして。

「夕方、軽く一杯、如何ですか?」
 かように、客人に誘われれば、まず断ることはありません。けれども、翌日のコンサルに備えて夜間移動が控えていれば、軽く一杯で終わる筈もありませんから、感謝しながら断腸の思いで断ることも。

 翌日のコンサルを終えれば、そこでまた事務局総出のお誘いが。
「喜んで、内部コミュニケーションに参ります」
 昼間は大人しい方が、酒の席では核心を突く質問を連発し、厳格な上司の方が冗談で受け流す、かような席は腰が重くなります。けれど、酒にコンサル、梯子ばかりしていれば、家庭崩壊になりますから、その夜ばかりは、静かに席を立ちました。

道脇に 久方振りの なごり雪
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by tabigarasu-iso | 2007-03-15 23:26 | コンサルサービス | Comments(0)

 雨が降れば野良仕事を休み、陽が暮れたら仕事を止めて、爺さん、婆さん、親兄弟、それに住み込み職人を交えた総勢十五六人、皆で囲炉裏を囲み喰う飯は、旬のおかずが飽きる事もなく続き、それが当り前だから誰一人文句を言わず、黙々と箸を操る。時たま、生の秋刀魚でも焼こうものなら、飯釜の底がすぐ見えた。

 そんな時代があったこと、誰か覚えているだろうか。今では、天候に関係なく仕事に追われ、陽が落ちようが照明の下で徹夜の仕事は当り前、家族揃って食卓を囲む機会も稀な事になり、喰いたいものはいつでもどこでも手に入る。旬の秋刀魚にも、飯をお替りする感動もない。

 こうして、一見便利な生活を追及した挙句が、地球の温暖化を引き起こした。なら、昔の生活に戻せるものは、戻してみようか。どの昔まで戻すかは、大気中の二酸化炭素の収支バランスが取れていた時代が宜しい。

 それが三十年前だとしたら、日本語ワープロが流行り、インクリボンの高いことを嘆きながらも、その便利さに酔ってはいたが、鞄に入れて持ち運べるほど小形ではなかったから、職場と自宅の区別ができた。今では、ノート型パソコンとインターネットが普及し、「どこでも仕事場」となっている。時には、パソコンを会社に置き、手ぶらで帰宅する当時に戻ってみると良い。

強風に こぶしの花の 拝むよな
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by tabigarasu-iso | 2007-03-13 00:10 | 随筆 | Comments(0)