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白髪の旅ガラス

謝礼

 時として、コンサルは無料相談にも応じますが、そればかりでは、生活が成り立ちませんので、いつの日か有料の注文を頂けるよう、それは親身に相手の立場になりまして、問題解決のアイデアを提供します。

「お世話になります。これは弊社の製品ですが」
 相談の途中、そっと差し出された無料相談の謝礼の品、これを有り難く頂戴すれば、更に熱も入ると言うもの。お返しに、判り易いサンプルを差し上げました。

 あらかたの相談を終える頃、こちらの力量なり、姿勢なり、評価してくれたのでしょうか。
「ところで、内部監査員の育成をしたいのですが、講師派遣は、可能でしょうか」
 これで終わりかと思えば、更に続けて。
「御覧の通り、マニュアルや規程が複雑怪奇な状況ですので、これを判り易く簡素化して頂くには、いかほどでしょう」

「これまで改善したくても、それが出来ない社内事情がおありでしょう。それは、身内の言うことは、聞きたくても聞けない聞きたくもない、風土のようですね。我々コンサルの活用は、その点を遠慮なく取り上げ、お客様と一緒に改善していくことかと思います」
 こうして無料相談を終え、エレベータへ乗り込む相手に、次は現金謝礼でと強く念じる夕刻のことでした。
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青蛙 紅葉迫る 葉の上に
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by tabigarasu-iso | 2006-09-30 14:14 | コンサルサービス | Comments(0)

パワーアップ

 新幹線の席で、東京から静岡あたりまでパソコンを操作すれば、すっかり電池が切れて、それから先は、読書か飲酒か眠るかの三択になります。それはそれで良いのですが、三時間半も車内で過ごすことになればもったいなくて、考えをまとめて書く、これを四択目にしていました。

 けれども、電池切れのパソコンは使えず、小さなノートに、読み返して判らない下手な文字を並べておりましたが、或る日、巣に立ち寄りますと、机の上に電池らしきものがあります。そこに貼り付けられたメモ用紙には、どうぞお使いくださいとありました。特に頼んだ覚えもなかっただけに、気配りが嬉しくて、さっそくパソコンに装着して充電します。その実力を試すのは後日のことですが、久しく忘れていた、子供の頃の胸の高鳴りを味わいました。

 岡山駅を出て駅弁を食べ終えビールを楽しんだところで、パワーアップした電池をパソコンに装着し、活性化した筈の脳を頼りに、次々と思い浮かぶ思考を、文字に置き換え始めます。その出来の良し悪しは別に、東京駅に着くまで、創作活動に没頭することができました。
 
 頼もしく思い、電池の残量を確かめれば、まだ半分近くもあります。こうなりますと、もう一度岡山まで折り返し、ネタの尽きるのが早いか、電池の尽きるのが早いのか、競争してみたいような気分になりますが、尻の方が悲鳴を上げ始めましたので、それは想像だけにしました。


宵闇に 何処まで香る 金木犀
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by tabigarasu-iso | 2006-09-28 00:30 | 問題解決 | Comments(0)

被告席

 どうにも、居心地の悪い席というものが、世の中にはある。張り切って出掛けた授業参観を見渡せば、母親の化粧が入り乱れて鼻を突き、退席しようにも退路のない男親の席は、二度と近寄りたくない席かも知れない。

 夫婦喧嘩に遭遇すれば、すぐさま帰る訳にもいかず、どちらか一方に味方する理由もなければ、どちらの言い分も聞かずには済まなくて、腹の中ではほとほと呆れながらも顔では笑い、去り際を何度となく探る馬鹿馬鹿しい席である。

 ISOマネジメントの審査結果を判定する委員会に、審査結果の報告者として出席すれば、周囲を竹林の賢人に似た知識人に囲まれ、何となく被告の気分に。既に、審査の報告書は提出してあるから、賢人達には無駄な説明を省き、話は二分と掛からない。
「もう、終わりですか」
「ええ」
「他に説明されたいことは」
「特にありません」
コンサルや審査の現場とは異なり、蚊の鳴くようにブンと呟く。

 判定の委員の中には、審査員仲間で見知った顔もある。そちらを見ながら、被告席の窮状を細い声で訴えたつもりだが、笑い顔で取り上げてくれない。仕方なく、審議の結果を黙って待つ事にした。すると意外なことに、判定委員の間で意見が割れて、報告者のことなど忘れた議論が一時間余り。こうした、議論好きな賢人に囲まれた席など、できれば遠慮したいものである。


               雰囲気に 飲まれて失せる 元気あり  
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by tabigarasu-iso | 2006-09-26 22:03 | 小説 | Comments(0)

季節外れ

 トンボは小指の大きさ、トマトは拳の大きさ、カボチャは両手で抱える大きさ、豆の鞘は手の平に納まる大きさ、そう信じて疑うこともなかったが、いつもの散歩道にある植木の枝に、大人の顔より大きな豆の鞘を偶然に見付けた。

 巨大なブドウが荷馬車から転げて落ちるテレビのコマーシャルを観て、ありえないことが起こるかもしれない例え話だから、誰も巨大なブドウの存在を信じる者など居ない筈だが、それが目の前の小さな植木に振ら下がっていたら、驚かない者は居ないであろう。

 大きな豆の鞘を支えるには、見た目には貧弱な幹であるが、長い年月、生垣として役割を果たしてきただけあり、少しも苦にならないようだ。その青い鞘に育つ豆の大きさは、いかばかりであろう。平たい外見から、豆の成長はこれからのようである。

 あちらこちらで、金木犀が遠慮なく臭いを放ち、落葉樹も冬支度に備えて紅葉を始める秋口を迎え、この鞘は豆を育て上げることが可能であろうか。小さな葉に太陽の光を懸命に受けて、自分より何倍も大きな鞘を育てる、そんな名を知らない豆の木を応援したい。

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               引き返し 瞼こするか 巨大豆
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by tabigarasu-iso | 2006-09-25 23:34 | 随筆 | Comments(0)

着メロ

 電車の発車や到着を知らせる音の調べは、駅により色々あって面白い。東京の蒲田駅は、当然のことながらの「蒲田行進曲」が流れ、最後まで耳を傾ければ、扉が閉まって乗り遅れ。他にも、記憶に残る発車の合図に「鉄腕アトム」を覚えているが、どこの駅であったか想い出せぬ。

 歌には、想い出や思いが付きまとう。それと駅とがうまく解け合えば、心地良くメロディーも聞こえるが、不釣合いな時には失望する。その一つが、近鉄の名古屋駅で流れる発車の合図、今から日本の神が住む地に発つ間際に、西洋のクラシック音楽が流れ出しては興も冷めよう。

 土地柄に良く合ったものも、各地を尋ねる間に出くわすから面白い。その一つに、岡山駅の在来線ホームに流れる「桃太郎さん」がある。白桃の産地に生まれた桃太郎が、腰に付けたきび団子をねだるサルやキジそして犬に与え、里に出て悪さをする鬼の退治に向かう、何とも痛快な想い出が、電車到着のメロディーで蘇ることであろう。

 時には、何の想い出とも結び付かないメロディーが流れる駅も良い。それを何度となく耳にする間に、思考回路を経ずに身体が反応するようになり、その音を聞くだけで朝の眠気が吹き飛ぶ。それは、地元駅の味気ない、電車到着のメロディーである。
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                  有り難き ノイズ無き夜の 旅の宿  
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by tabigarasu-iso | 2006-09-24 13:34 | 随筆 | Comments(0)

約束通り

 どんなに立派な理想を述べたところで、行動が伴わなければ、誰にも評価されません。まずは、身近な約束を守ることから、身近な人の信頼を得ること、こうした足元を固めることから始めたいものです。

「地球は今、温室効果ガスの過剰により、温暖化が加速度的に進みつつあります。地下の石油資源を汲み上げ、地上で燃やし過ぎた結果ですから、多くの人に責任があることですね。こうした電気エネルギーを惜しみなく使う、今の生活習慣を見直さなければ、温暖化に歯止めを掛けることは難しいことでしょう」

 環境問題に詳しい講師は、そう言い残して壇上を去り、エアコンの効き過ぎた部屋で、煙草に火をつけて一息。周りには、講師の世話をする係りが居ましたが、講師は喫煙の許可を得ようともしません。あいにく、その世話係りは、禁煙を始めたばかりでしたので、講話に感心した直後ながら、初歩的なマナーを知らない講師に、疑いを持ったようです。

 かようなことは、昔から良くあることです。教師、警察官、弁護士、裁判官、医師、教祖、それにコンサルなど、人から信頼を得て仕事が務まる立場であれば、初歩的なマナーを守ることに気を配りたいもの。まずは、約束の時間に仕事を始め、約束の時間に仕事を終える、これがその第一歩でありましょう。

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タナゴ群れ 水路に遊ぶ 西大寺
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by tabigarasu-iso | 2006-09-23 18:38 | 小説 | Comments(0)

電波の届かぬ世界へ

 山もなく高い建物もないのに、パソコン無線通信電波の届かない地域があります。それは、四六時中、電波の世界に浸って生きている、パソコン人間には驚きであっても、そうでない人には極自然なことでしょうが。

 いつの間にか、便利さの代償として、何者にも束縛されずに生きる自由を、電波の籠で失ったようです。それと知るのは、時折、そこから飛び出した旅先のことが多く、その都度、無線を諦め創作の世界に入り、呟きの数を増やしていくことになりました。

 今また、米原から岡山へ向かう新幹線の車中、電波から二時間余り開放され、誰に見られても情報漏洩にはならぬパソコンの画面に向かい、思い付くままに文字の並べ替えを楽しむ時、電波の届かぬ世界の有り難さを痛感する次第です。

 しかしながら、良く考えてみれば、電波の籠にあっても、通信回線を切断すれば、いつでも自由になれる。従い、それを即実行すれば良いのですが、多くの相手が電波の届く世界に居ることを承知していれば、自分だけ抜け出す訳にも行かず、再び電波の籠に入るしか道はありませんね。

秋桜の 名前に負けて 雨に散り
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by tabigarasu-iso | 2006-09-21 21:18 | 随筆 | Comments(0)

秋の七草

 夜が明ければ起きて、日が沈めば眠り、夏が来ればキュウリに味噌を付けて頬張って、秋が来ればデンプンで腹が割れそうなジャガイモを茹でて喰い、冬が来れば塩辛いタクアンを胃に落とし込んで茶を啜る、自然の移り変わりと共に生きる時代がありました。それも、いつでも何でも手頃な値段で手に入るコンビニが当り前の現代では、読む人の少ないおとぎ話になりそうです。

 それを承知で、今の世代に秋の七草を問う、意地悪な中年が居りまして。本人の馴染みの無い草もありながら、習い覚えた種を確かめる悪い趣味は、なかなか抜けそうにありません。
『萩』とは、近くにありそうで意外とない草。
『ススキ』は、量は少ないが散歩途中でも会える草。
『桔梗』とは、高原に出向かないと平地では容易にお目にかかれない花。
『撫子』は、どんな姿か確かめたい花。
『女郎花』とは、誰が名を付けたか疑ってみたい花。
『藤袴』は、文字から想像の出来ない花。
『葛』とは、誰もが繁殖力に呆れながらデンプンに舌鼓を打つ草。

 これがその男の知る秋の七草の実態でして、想像の域を出ない草が半数以上ですから、若い方が知っている数は、更に少ないことでしょう。これも、自然から離れて暮らす生活の変化で、仕方のないことでしょうが、生きる力強さを徐々に失い、一度、自然が猛威を振るえば、簡単に薙ぎ倒されてしまう、脆さを感じます。

 野に遊び、嫌がるトンボの眼を回し、吸い込まれそうな高い空を見上げ、虫の音に起こされるまで時を忘れる、そんな野生の動物に一時でも戻りませんか。何も、遠くに出向く必要などありません。開発を免れた隣の空き地に、地位や年齢それに人間であることを忘れ、愛犬と一緒に寝転んでみれば、土の臭いに野生が一瞬蘇ることでしょう。
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                虫の音も 一つ二つの 頃が良い
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by tabigarasu-iso | 2006-09-20 23:29 | 随筆 | Comments(0)

ローカルニュース

 新聞の紙面には、台風による突風被害、テロ対策、飲酒ひき逃げ、冷めた次期首相選など暗い記事ばかりで、明るい話題が少ないのは、読者つまり人の心理を反映させた結果でしょうか。

 中には牛丼販売の再開を、国民行事の如く大袈裟に取り上げる、ちょっと見た目には喜ばしい記事もありますが、関係者からも安全の確保が充分ではないと危惧される材料を使うことに、警笛を鳴らす新聞の役目は何処へ行ったのでしょう。

 そんな新聞に、いつまでも期待する方が、愚かなのかも知れません。インターネットの普及は、情報の発信者と受信者を無限に増やし、広告だらけの新聞紙面とは異なり、喜怒哀楽の全てをホットな情報として瞬時に流してくれます。

 けれど、こちらも自分の責任で情報の信憑性を確かめる必要があることは、言うまでもありません。普及し易いのは、真実よりデマの方でしょうから、それを見抜く能力が身に付く、情報源が欲しいものですね。

 ところで、近くの公園を老犬の進むまま、徘徊を楽しんでいますと、後足を二輪車に載せ、前脚だけで歩く柴犬と出会いました。連れは愛想良く近寄ったものの、若い相手に軽く威嚇され、悲しく見上げます。どちらとも、何と慰めたら良いのやら、複雑な散歩の一場面でした。

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嵐去り 顔拭くトマト 誰取ろう
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by tabigarasu-iso | 2006-09-19 22:32 | ニュース | Comments(0)

 ところで、大金を叩きISOマネジメントを導入したのに効果が無い、こう嘆く経営者の方、そもそも何をどこまで期待されていたのでしょうか。まずは、貴方が本当に役割を果たしているか否か、自己確認されては如何でしょう。

 最初に、方針を作成する際、他社を参考に良いとこばかり真似しませんでしたか。自社の課題を明らかにしてから、会社の方向性を社員が判る表現で具体的に示すこと、これが方針を作成する貴方の役割です。美辞麗句が並んで見た目が良いものの、社員が何をしたら良いか判らない、歌の文句に似た方針ではないことを願いまして。

 次に、内部監査の狙いを明確にしてから、その結果を報告させていますか。それは何だと首を傾ける経営者の方が多いことでしょう。目標数値を達成できる状況にあるか、法律を守る仕組みが機能しているか、社員の業務への意識はどうか、内部監査の狙いを決める、それは貴方です。そうとは知らず、内部監査の報告書に軽く捺印などされないように。

 最後に、仕組みが一巡したところで貴方が行うISOマネジメントの見直し、年に一度ではありませんか。本来の業務では、業務報告を毎月受けて、目標からそれを実現する仕組みまで、貴方は随時見直しを指示されている筈です。ISOマネジメントの見直しも同様の観点から実施されたら、ISOマネジメントを導入したのに効果が無いなんて、貴方はもう口にする筈がありません。
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登録も 維持を忘れて アイソ尽く
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by tabigarasu-iso | 2006-09-18 16:51 | ISOマネジメント | Comments(0)