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白髪の旅ガラス

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泥まみれ

 激しい雨が止んだ後で出掛ける散歩、水溜りを長靴で蹴り童心に帰る。用心して持参した雨傘の柄に散歩用の綱を掛け、傘を肩に置くと兵隊さんになったような、不思議な気持で草むらの上を歩く。行く先は、犬任せだから、臭いを嗅ぐのに忙しく、同じところを何度も巡る。

 空き地の端に、高く積上げられた残土の山があり、勢い良く登る相手に引かれて登れば、お山の大将になった。二三メートルばかり目の高さを変えただけで、今までとは異なる風景が見える。

 足元では、仲間が分身を落下させる場所を探し、狭い山の頂きを、行ったり来たり。やがて逆三角形の姿勢をとり、無事に用を済ませて、後ろ足で泥を掛ける。マナーは心得ているのだが、肝心の泥はとんでもない方向に舞う。

 持参したシャベルで分身を自然に返し、小さな山を降りる相棒の後に続く。その時、滑り落ちそうな気がして、身を構えて下山を始めた。けれど、雨水をたっぷり吸い込んだ、斜面の泥の滑ること。

 相棒の綱を持ったまま、斜面を気持ち良く転がり落ちた。それこそ、泥まみれになり、道路の水溜りに手を入れ、手に付いた泥を洗う。尻の泥は、自分では見えないから、気にしないことにした。

季節柄 滑る言葉に 気を遣い 
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by tabigarasu-iso | 2006-02-27 19:12 | ニュース | Comments(0)

からし菜

 春の陽を背に浴び、空き地の枯れ草を彩る、色鮮やかな青菜を摘み取る老夫婦に、犬の散歩に飽きて声を掛けた。
「今日は。それを、どうされるのですか」
 人に見られ、バツが悪いのか、一人がその場を立ち去ろうとする。
「どうぞ、邪魔はしませんから、続けてください」
 人相は悪くないほうだが、髭も剃らず、髪も梳かさない、安物のジャンパーに古びたジーパン姿の見知らぬ男に、警戒心を持つのは当然であろう。
「何と言うものです」
 男性の方は、黙って青菜を刈り取る作業を続ける。
「からし菜です」
 警戒心を解いた女性が応えた。犬を後ろに回し、数歩近づく。
「食べられそうですね」
「そうですよ。お湯にからし菜をさっと通してから、塩を軽く振って漬物にすると、少し辛くて美味しいの」
「そうですか、知りませんでした。どことなく食べられそうな代物だとは思っていましたが」
「少しお分けしましょうか」
「いえ、散歩の途中ですから、結構です」
 好意は有り難かったが、物言わぬ散歩の友の通り道にあり、その上に片足を上げる姿を何度となく見守っているだけに、遠慮するしかなかった。

庭先に 椎茸少し 出ましたよ 
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by tabigarasu-iso | 2006-02-26 14:05 | 随筆 | Comments(0)

粉飾

 実態より美しく見せようとするのが粉飾なら、許される場合と許されない場合があるようです。今話題の粉飾決算は、許されない事ですが、役者や女性の方が施される化粧は、問題になることは滅多にありません。
 
 ISOマネジメントの世界で想定される粉飾の一つとして、目標に対する実績を粉飾することがあります。これを見破るのは、組織の内部の方が有力でして、外部の方が発見するのは容易ではありません。

 ここで重要な役割を担うことになるのが、内部監査員です。定めた目標や手順に対し、活動の実態を検証する役目ですから、実績が粉飾されていないことを見抜く、高い専門性が必要になり、そこまでの能力を持つには、監査経験を継続的に積むことが必須になるでしょう。

 経営者の方が、こうした能力を持った監査員を育てる意志を持てば、粉飾を見破る体制も出来ますが、さもなければ、粉飾された実績が、いつしか事実として認知されることになります。そうなる前に、内部監査の体制ならびに要員を見直されては如何でしょうか。

抜け替わる 犬の体毛 春を告げ
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by tabigarasu-iso | 2006-02-23 13:52 | 随筆 | Comments(0)

証拠

 或る方が国会議員の身内の方にお金を送ったとか受け取らないとか、その証拠として電子メールが国会に提出されまして、それが嘘か真か国会で党首が首を賭けて討議するそうです。それも時には必要でしょうが、国会は裁判所ではありませんから、本業の行政問題を審議する場に戻して頂きたいと願うのは少数派でしょうか。

 質問する側も具体的な証拠が不足して迫力なく、回答する側も回答にならない回答で、双方が徒に税金を浪費する国会審議を、取り仕切るのが議長の筈ですが、どうにもその役割を果たしているとは思われません。

 電子メールを証拠とするなら、その裏付けの提出や証人の証言を求め、証拠の信憑性をさっさと確かめてから、確かめられないものなら、さっさと他に任せ、肝心の本題に入って貰いたいものです。

 問題が制度にある場合、それを軌道修正するのが、国会の本来の役目であり、電子メール問題に終始するのは、本業の課題を組み込まない、ISO環境マネジメントシステムにおいて、文具の使用が洩れているとかいないとか、何日も議論するのに似ている、と申し上げたら失礼でしょうか。

 徒然に 滑稽語る ふきのとう  
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by tabigarasu-iso | 2006-02-22 19:09 | ニュース | Comments(0)

駅伝

 いつから興味を持つようになったのか覚えていませんが、寒い中、雪の中、雨の中をタスキでつなぐ駅伝や一人で走り抜くマラソンを、時間の許す限りテレビ観戦する機会が増えました。幼い頃より走るのが苦手な自分が、走りが速い選手に憧れるのかも知れません。

 それもありますが、優勝候補が脱落し、名も知らぬランナーが先頭を走る、筋書き通り行かない展開に心引かれるのです。ドラマ、国会答弁、会議、いずれも筋書きがないようで、あるべき方向に展開するものが大半の世にあり、楽しめる偶然の一つとも言えましょう。

 地震や津波、大雪に地滑り、それに幼児誘拐、こうした筋書きの無い心痛める映像が、絶え間なく流されますが、とても長く観続けることはできません。それに比べ、十数人をごぼう抜きにする駅伝は、何と痛快なことでしょう。また、相手の呼吸を横目で睨み、瞬く間に差をつけるマラソンの駆け引き、何とお見事でしょうか。

 とりわけ、駅伝に親しみを感じるのは、飛び抜けて優秀な選手が居なくても、監督と選手の総合力で勝負する、管理競技の所為でしょう。懸命に走りつなぐ選手には申し訳ないことですが、どんでん返しを期待しながら、居間で寝転んで飲むビール、それは旨いものです。果たして、そのとおりになれば、更に乾杯、やめられません。

おぼろ月 おのれの影に 魅入る犬
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by tabigarasu-iso | 2006-02-21 23:19 | 問題解決 | Comments(0)

骨折

 体を支える骨が折れたら、えらく困ったことに。鳥なら羽ばたくことも、人なら歩くことも、ままならず。幸い、簡単には折れないようにできているが、曲げてはいけない方向に曲げれば、保証はできない。

 骨を折れば、石膏で固めて、自然治癒を待つ。原始的な方法だが、それ以外に知らない。あとは、骨が再生する時を待つばかりだが、それまで一月余り、重い石膏と暮らすことになる。

 自然界に棲む動物は、骨を折ったら、命取りになるだろう。その点、社会生活を営む人間は、手助けしてくれる仲間のお陰で、生き延びることができる。馬などは、脚の骨を折ったら、その場で射殺する西部劇のシーンもあるが、馬でなかったことに感謝する、骨を折った人も多い筈。

 傷ついた仲間を助ける、家族や社会の対応のレベルが、傷ついた時に判る。カラスの仲間が、着陸に失敗し、脚の骨を折れば、骨折が治るまで、餌を運ぶ必要があろう。その時、骨を折った痛い思いはするが、仲間の思い遣りを知り、骨折り損ではなかったことに、涙するに違いない。

麦の芽よ 踏んでも折れず また起きる
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by tabigarasu-iso | 2006-02-20 22:43 | 問題解決 | Comments(0)

君の名は

 顔は、一度会えば覚えるものですが、名は、覚えるのが容易ではありません。特徴のある、接待さん、御手洗さんといった名であれば、すぐに覚えもしましょうが、佐藤さん、鈴木さんといった数多くある名の場合、相手の特徴を見つけて記憶するのが難しい。しかしながら、コンサル稼業、名を覚えないことには、具合の悪いことがあります。
  
「右から三番目の方、お仕事の流れを、初めての人にも判るように、説明して貰えますか」
 これも、最初なら許されますが、二度目にお会いした時には、同じことは許されません。
「廣岡さん、前回の資料と今回の資料の相違点を、簡単に説明して貰えますか」
 二度目に自分の名を呼ばれて、親近感を覚えない人は居ないでしょう。それが、紹介された直後であれば尚更です。

 名簿や名刺交換があれば、それを見ながら名を呼べますが、十数名の方に次々と名を告げられたら、記憶術の心得がない者には、他の手段をとるしかありません。
「恐れ入ります。白板に皆さんの名を書きますので、順番におっしゃってください」
 こうしておけば、初めてお会いした方であっても、名を呼んで会話が進行します。

「それでは、増田さんに伺います。大きな地震が発生し、排水処理施設から未処理の汚水が流出した場合、どのような結果が予測されますか」
「・・・・・・」
突然の質問に、頭の中が白くなり、言葉にならないようです。そこで、隣に質問を振りました。
「そもそも、その汚水を発生させる作業の西元さんに伺います。その汚水を減らすことは、技術的に可能でしょうか」

 こうして、相手の名を呼ぶことで、コンサルと現場の方のやりとりは、順調に進むようになります。けれど、発言の少ない方には、「君の名は」と呼ぶことが間々あり、お許しを乞うしかありません。

水仙の 花を跨いで 犬と行く
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by tabigarasu-iso | 2006-02-19 23:22 | コンサルサービス | Comments(0)

一夜漬け

 試験の直前に勉強することを、一夜漬けとか言います。それで良いのは、キュウリやナスの浅漬けに限りまして。日頃の積上げが大切なこと、頭では判ってはいても、なかなか実践できないもの。ISOマネジメントシステムの運用も例外ではありません。

「そろそろ、ISOの維持審査だね」
「ええ、三ヵ月後に予定されています」
「それで、準備は進んでいるのかね」
「ええ、日頃から活動し、記録を付けています。でも、・・・」
「でも、どうしたね」
「ええ、何のために活動するのか、大半の人が目的を忘れていまして」
「判った。旅ガラスに眼を醒まして貰おう」

 こうして出向くスポットのコンサルも、有り難く承りますが、流れを理解するまで少々時間が掛かります。
「これまでの経過、簡単に説明して貰えますか」
 事務局の方が、最新の文書を目の前にずらりと並べてくれました。
「活動や教育の記録は、しっかり作成されていますね。ところで、コメント欄には、問題なしと、判を押したように綺麗なコメントが並んでいますが、このままですと、肝心な目標の達成は難しいようですね」
「皆、真面目に活動しているのですが」
 
 狙いを忘れた活動は虚しく、やがて誰も本気で取組まなくなるでしょう。
「この際、この目標を見直してはいかがでしょうか」
「それも考えたのですが、社長の指示事項ですので、私の口からは」
 相手が社長さんであれ、工場長さんであれ、大切なお客さんの為になることであれば、遠慮しないで進言するのが、コンサルの仕事です。

「ところで社長さん、皆さん、大変良く活動されていますね。その成果が、社長さんにとっても、有効であれば更に宜しいのでは」
「うん、確かに。この目標は、ISOの審査向けに急遽用意したもの。どのように変えたら良いのかね」
 そこでコンサルは、社長の本音を伺い、それを目標にする提案を、その場でしなくてはなりません。
「それでは、本業の課題を再度整理し、今期中に目標を再設定することを、目標にされては如何でしょうか」
 こうして、コンサルの提案が採用され、新たな目標設定を終えれば、夜空に満月が笑みを浮かべておりました。

妻恋の 坂を迷いて 梅花見る
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by tabigarasu-iso | 2006-02-18 17:58 | ISOマネジメント | Comments(0)

 空いた電車に乗れる、土曜日の移動も良いものです。乗車駅から座れることもありますが、登山姿の老いた仲間の四方山話、幼い子供を連れた親子の日本語入門講座、派手な化粧の恋人に、良いところを見せる若い男のパフォーマンス、様々な人間模様が車内にあふれて、飽きることがありません。

 その昔、土曜日の授業は午前で終り、急いで給食を食べ終え、教室の掃除をさっさと片付け、いっせいに校庭に飛び出し、そこら辺に鞄を置いて、暗くなるまで遊んだものでした。時には、普段は怖い顔した先生まで加わり、分校の生徒全員が東西に分かれ、狭い校庭を駆け巡る、陣取り合戦となったことも想い出されます。

 ところが、いつも日曜日の夕方になると、何となく暗い気分に襲われたものでした。宿題など出された記憶がありませんから、それが原因ではありません。遊び仲間が顔を見せながら、自由に遊べない授業を想えば、暗くなるのも仕方のないことでしょう。

 大人になって久しく、仕事を終えて迎える休日の前日は、今でも楽しい日に変わりがありません。やがて停年を迎え、毎日が日曜日の生活も楽しみですが、暗い毎日は避けたいものですね。

前向きの 会議であれば 醒めたまま
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by tabigarasu-iso | 2006-02-15 18:15 | 随筆 | Comments(0)

さあ、お立会い

 ISOマネジメント審査が始まります。
「飲料の卸をなさっているのですか」
「その件に関しましては、審査の指摘事項となるおそれがありますので、回答を控えさせ
て頂きます」
「それでは、貴社の取引先で、貴社が要望を出したら、それを受け入れる企業がありますか」
「この件も、先程と同じ理由で、回答を控えさせて頂きます」
 かように、審査員の質問に何も答えなければ、審査を経てISO登録を果たすことはできません。

「今年度の目標を見せて頂けますか」
「申し訳ありません。営業目標が既にあり、環境目標など作成しなくても良いと指示しました。トップである私の不徳の致すところで、誠に申し訳ありません」
 これまた、審査員の質問に答えるものの、口先だけの謝罪ばかりでは、先に進まないことは明らかでしょう。

 大人のこうしたやりとりを、子供達が真似したらどうなりますか。
「先生の質問に答えなさい」
「発言により、成績に影響が出ますで、回答を控えさせて頂きます」
 これでは、授業にならないでしょう。

「隣の子のノートを隠したのは、君ですね」
「申し訳ありません。いたずらが過ぎました。本当にすいません」
 これは、真似しても良いかもしれません。それも、心から詫びることが必要ですが。

人により 開き直って 謝って
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by tabigarasu-iso | 2006-02-13 12:14 | ISOマネジメント | Comments(0)