ブログトップ

白髪の旅ガラス

筋金入りですか

 放っておいても自重で倒壊の危険性があるホテル、震度5の地震に耐えられないマンション、本来ならば販売されてはいけない高額な物件ですが、それを知らない人が購入され、大きな被害を受けようとしています。

 建築コストを下げるため、必要な資材を削る設計に始まり、脆いと察知できる工事が行われた筈ですが、それでも安全審査にパスしているのですから、完成した物件に入居した人には、想定外の事態でしょう。
 
 関係者の多くが他者に責任を転嫁するニュースを耳にし、製造物責任を取ろうとする潔い良い経営者が少ないことを残念に思います。その中で、或る方は、海に身を投げ入れ、自ら生命を絶ちましたが、責任の取り方が異なるように思われました。

 この事件を教訓に、我等マネジメントコンサルサービスを振り返れば、審査にパスしたものの、その後は全く機能していないマネジメントシステムに近いものがあります。本業の目指すところとは別の安易な目標を掲げ、登録だけが目標のクライアントに対し、適切な筋金入りの助言を怠ったケースと言えましょうか。

 建築物の強度を左右するのがコンクリートや鉄筋であるのに対し、マネジメントシステムの改善を左右するのは、筋金入りのアドバイスかと思います。コンサルは、サービスを通じ、登録を手段と捉え、仕組みを効率良く回し、適正な利益を上げて、社会的な責任を果たす、具体的なアドバイスを忘れてはいけません。

 コンサルサービス、低価格を売り物にするものも多数ありますが、筋金が入っていないサービスの利用は、効果を期待できないでしょうから、手を抜かない、気を抜かない、筋金入りで有名な、旅ガラス一族のサービスを記憶願います。

嗄れススキ 月に照らされ 銀の穂に
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-29 18:30 | コンサルサービス | Comments(0)

永遠

 ニックネーム、つまり愛称は、永遠に歳を取らない。九十歳を越す父の妹、年下の叔父や叔母から『あねえ』と呼ばれ、それが八十歳を越した今でも、若い頃の愛称のままである。また、『けさぼう』と呼ばれる従兄弟もいるが、既に五十歳を過ぎて『ぼう』では似合わないけれど、従兄弟同士、誰も何のためらいもなく、会えば皆でそう呼ぶ。

「ふうちゃんから電子メールが入っているわよ」
 心地良い風を想わせる愛称を、妻が口にする。その『ふうちゃん』は、若くして日本から遠く離れたギリシャに移り住んだ方で、彼女との出会いは、三十数年前のこと。当時の自分は、頭髪を肩まで伸ばし、細身にジーパン、口元には髭を生やし、床の穴から道路が見えるライトバンを操り、仕事を終えた夜、彼女の自宅でお会いしたものだ。

 当時、現役スチュワーデスの洗練された彼女の容姿に圧倒され、何も話さなかったかも知れないが、帰り際に貰ったギリシャ硬貨の礼に、頭を下げたことは覚えている。そんな田舎の青年が、今では人前でISOのマネジメントシステム導入支援を語り、日本の空を舞う白髪の旅ガラスに変身した。

 彼女の便りには、旅ガラスの呟きを、楽しみの一つに加えたとある。呟きは、日本のコンサル先を読者に想定した拙い箸休めだが、その読者の範囲がギリシャにまで広がった今、脳裏の永遠に変わらぬ『ふうちゃん』の微笑む姿を想像しつつ、異国の地でも楽しめる作文を誓う。

枯れ草に うたた寝するか トカゲらも 
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-24 22:06 | 随筆 | Comments(0)

ボジョレ・ヌーボ

 いよいよ本格的な秋を迎え、今年もワインの新酒が出回り始めました。毎年、この季節になりますと、北群馬産のワインを取り寄せ、暖房の心地よい部屋で、冷やして頂くことにしています。

 コルクの栓を抜き、グラスに半分注ぎ、それを何度か繰り返し、ボトル半分まで飲んだところで、止めようか続けようか、いつも迷うのですが、一度コルクの栓を抜いたものは、残すと味が悪い方に変わるものと信じているものですから、責任を持ってボトルは空に。

 国が変わり、フランス産のワイン、ボジョレ・ヌーボの発売が、日本で大騒ぎになるのは、どうしたものでしょうか。発売日を予告し、大々的な宣伝活動を行う、売り手の見事な戦術に、味の良し悪しが良く判らない者まで、ブームに乗らないといけない、錯覚を起こしているように思います。

 日本のワインや酒も、新酒が出来たところで、発売解禁のキャンペーンを、インターネット等を駆使し、国内外で繰り広げては如何なものでしょうか。その際のキーワードとして、国際的な食品安全の規格により、『酒の旨さ』に『生産工程の安全』を加えたら、強烈なインパクトを与えることになりましょう。

一呼吸 置いて苦しむ 辛子だが それでも塗るか おでんの顔に
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-21 12:25 | ニュース | Comments(0)

気を使われて気を遣い

 それは、ISOの審査前の夜でした。志木駅近くのホテルに重い鞄を置き、駅前の賑やかな店で、一人で食事をするのは寂しいものですから、人通りの少ない方に足を向け、静かなお店を探します。

 カウンターに一人、つまらなそうに煙草をふかし、寿司ネタを摘む男の他に、店内に客は居りません。静かな目的は達したものの、味の方が心配になりまして、取り敢えず、ビールを頼み、一杯飲み終え腹を決めたところで、にぎりの竹を頼みます。

「お客さん。そのビールの味を変えてみせますから、今の味を覚えておいてください」
 結構ですとも言えず、黙って頷くと、寿司を握る手を休め、ビールの入ったグラスをじっと睨み、何やら『気』を入れたようでした。
「さあ、飲んでください。辛くなった筈です」
 何となく、辛口になったのが不思議で、少し大袈裟に驚いてみせますと、今度は泡を失くすと張り切ります。ビールに泡は付き物で、それは望まないと言いたいところですが、にぎりの質を落とされてはいけませんから、仕方なく承知しました。

 その板前さん、かような能力、自然に体得したとのことです。その『気』か、或いは『時間』の所為か知りませんが、その泡が消えたことを告げれば、にぎりのネタが笹の葉に着くばかりの勢揃いとなりました。それは、大変結構な味でしたが、自分勝手に気を使い、相手に余分な気を遣わせてはいけませんね。

木枯らしに 今年も来たかと 襟を立て 
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-18 12:35 | ニュース | Comments(0)

かむかむ売れるガム

 世の中、何が起こるか判りません。売れ筋と言われた商品が売れ残り、売れないと言われた商品が、爆発的に売れる場合もあるものですから、諦めないことです。

 それぞれに訳があるのでしょうが、その最中に訳が明らかにならない場合、売り手としては歯痒いことでしょう。それが、ヒット商品であれば、更に売上を伸ばすため、売れる理由を知る必要があり、広告倒れの場合であれば、売れない理由を把握し、同じことを繰り返さないために。

 難しい話は知りませんが、売れる商品を買った人に聞いてみると、その訳が幾らか判ります。
「カムカムって、買ったことある?」
 我妻、知らないであろうと予測したのですが。
「あるわよ。会社の若い子、皆、良く食べているわ」
 辛党には、その訳が良く判りません。そこで、レモン味を口に入れてみます。
「手を加えない、健康的な味がするね。それにネーミングが面白い」

 当初、この商品は販売店で取り扱って貰えなかったようですが、インターネットで話題になり、瞬く間に全国展開したと聞きます。名実とも話題になる素質があったのでしょうが、無店舗販売のインターネットに着眼し、話題を仕掛けた方に、その手法を学びたいものですね。

知らぬ間に 枯葉舞い散る 歳になり
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-17 11:21 | ニュース | Comments(0)

新世界

 最近、近くを見るときに眼鏡を外すことが多くなりました。近眼、老眼それに乱視の三重苦の世界に入ってから、既に十年余りが経ちます。これまで、一枚のレンズが、三つの苦を克服してきてくれたのですが、ここにきて、近場を網膜に映し出せなくなりました。
 
 眼鏡を外すと近場が良く見えるものですから、パソコンを裸眼で叩いていますと、どうにも目元が疲れてなりません。そこで暇つぶしに眼鏡屋さんを覗いてみますと、これまた暇そうな店員さんが居りまして、眼の検査をして貰いました。

「この文字、見えますか」
 見えはしませんが、正解を言わないと気が済まない性分でして、おそらくカタカナの「ナ」でしょうと答えます。
「あの、眼の検査でして、頭の検査は致しませんので」
 そこから素直に、見えないものは見えないと答えてあげました。
「左右の視力の差が大きくなっていますね。近くは右目だけで、遠くは左目だけで見ている状態です」

 何とも奇妙な目玉になったものです。店員から渡された太い黒縁のトンボメガネを掛けると、実に良く世界が見えましたので、眼鏡を新調することにしました。それから一週間後、新しい目玉を手に入れ、これまで見えなかった世界が次々と飛び込んで来ます。同時に、見たくないものも入りますから、感動と落胆の入り混じる、複雑な脳内となりました。

紅葉の 山の深酒 想い出し ビルの一角 炭火に煙る 
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-14 19:21 | 随筆 | Comments(0)

横断から縦断へ

 島国の日本には、沢山の川があります。それを越す橋の数は、いったいどれ程あるのでしょうか。その橋がなかったら、多くの人が大変困ることになりますが、気にもしないでたくましく縦断する人もいます。

「ところで、こちらに到着するまでに、幾つの川を横断されましたか」
 突如、こう切り出されては、何本と即答することができません。
「荒川、隅田川、・・・3本位でしょうか」
 今朝、電車で渡った橋を、指折り数えて答えました。

「それでは、これまで何本の川を縦断されましたか」
 横断の数すら曖昧な有様ですから、縦断など想いも付きません。そこで、日頃の講釈師、コンサルは下を向いたままです。
「私など、休みの度に縦断していますよ」
 釣り馬鹿日誌の浜ちゃんに良く似た方が、釣竿を振る真似を見て、やっと縦断の意味が判りました。

 川を横断することに慣れ過ぎて、縦断することを忘れたコンサルの旅ガラス、目の前に居る釣り馬鹿の方に、時には発想の転換が必要なことを教えて頂き、感謝する今日この頃です。

冬一番 吹いてくれるな 青い実に
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-13 15:28 | 随筆 | Comments(0)

折鶴

 紙には、色々な使い方がありまして、文字を書けば思いが伝わり、絵を描けば風景や面影が見え、折って、折って、折り返せば、飛行機にもなり、人形にも変身します。

 その一つ、折鶴が、机やベッドそれに洗面所、いたるところに置かれたホテルがありました。誰も居ない部屋に入るのは寂しいもの。鶴が待っていてくれるのは嬉しいもので、以降、コンサル前泊の常宿にしました。

 かように、サービスは、ちょっとした気配りがきっかけで、利用されたり、利用されなくなったりするものです。同じサービス業に就く者として、折鶴サービスに感心しながら、有り難いホテルのサービスの要点を考えますと。

 窓の外に景色が見えること。夜遅く入り早朝に出るので、窓など不要だとは思うのですが、カーテンを開けたら隣のビルの壁では、壁に見られているようで、気が休まる暇がありません。また、空調を切ることができること。寝床の中で聞く空調音は喧しいもので、冷蔵庫のコンプレッサーと同じく、スイッチが切れることが必須です。

 多くは望みませんが、ホテルは静かなことが第一で、折鶴のような控え目なサービスがあれば、そちらに乗り換える方が多いことでしょう。我等コンサルサービスも新メニューを考案しないといけません。ユーザーの平らな紙を折って願いを叶える、『折鶴コンサル』を追加しましょうか。  

鎌上げて 威嚇するなよ 子カマキリ
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-12 18:17 | ニュース | Comments(0)

もうはまだでまだはもう

 もう、秋も終わりですね。まだ、冬の支度を済ませていない、山の熊やリスは忙しいことでしょう。もう、里の人は稲刈りを済ませ、大根や白菜の取り入れに休日もありませんね。まだ、稲刈りが済んでいないかと思いましたら、刈った後の稲が伸びたものです。一度しか稲の作れない、北国の人には羨ましいことでしょう。

 同じ状況にあっても、まだ半分と余裕を持って考える人と、もう半分と切迫して考える人がいますね。同じ人でも、状況によっては、その逆の考え方になる場合もあります。どちらの考え方が良いかは、その人の置かれた状況により、変わってきますね。
「熱燗、まだ半分あるな」
 この方、酒を楽しめる状況にあります。もうは、空になったときに使うことになるでしょう。
「テスト時間、もう半分しかないよ」
 予習、不充分ですから、悲観的になって当然のことですね。それが、残り時間が少なくなり、まだ大丈夫と考えるようですと普通の方ではありません。

 偶然、ISOの維持審査を数日後に控えたお客様と、そば屋で会いました。
「もう、諦めるしかありません。審査の後、コンサル支援してください」
 独りで対応できることならば、数日残したところで、もうは早いが、組織で対応する審査の場合、日頃の積み重ねを見せることになりますから、それが手薄であれば、もう、ありのままの現状を見せるしかありませんね。

 ところで、誰もが『まだ』買う時期だと思っている時には『もう』売り、『もう』売る時期だと思っている時には『まだ』買うのが、株取引の世界にあるようです。この世界の『まだ』と『もう』の感じ方は、微妙ですね。

草むらの 暗闇に鳴く こおろぎに  そっと教える 出番の終わり    
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-06 13:00 | ISOマネジメント | Comments(0)

八百屋ですか

  このところ、カブを買った方、買われ方が話題になっておりますが、妙な話ではありませんか。八百屋さんが、カブを店先に並べ、それを全部買い占めようとしたお客さんに、後のお客さんが困りますから、全部は困りますと断るならば、常連のお客様への配慮から、その理由も判りますが、そのカブが公開された株式会社の株となれば、話は別です。

  誰が購入しても良いように公開された株ですから、どこのどなたが購入されても文句は言えません。購入相手を限定するなら、公開しなければ良いのです。買われた方が買った方に、不快感を表明する報道を見るにつけ、首を傾げたくなるのは、少数派でしょうか。

 それはさておき、インターネットを利用した商売の方が、テレビ放送網に手を伸ばす理由を知りたいものです。その狙いは、当事者のみ知ることでしょうが、身近な事例で推理してみましょう。小生、白髪の旅ガラスと称して、言いたいことを呟く駄文を、ホームページに掲載し、その後、ブログに展開しましたが、これらは問い合わせを待つもの。それに比べ、組織のメールマガジンは、範囲が限定されているものの、積極的にサービスを売り込むもので、その中に呟きの紹介記事を載せますと、そのアクセスは、待つばかりに比べ十倍にもなります。

  同様に、客待ちのインターネットに対し、テレビは広く告げる機能に優れていますから、テレビで客を引き付け、インターネットで受注に結び付ける商法に、魅力を感じるのは当然なことでしょう。それならば、素直に業務提携を申し出れば良いのですが、テレビ側にメリットがありませんから、成約は望めません。そこで、インターネット側が公開の株を買い占め、大株主となって経営権を握ろうとしているようです。いずれ決着はつきましょうが、忘れてはならないのは、双方の利用者の声でありましょう。

大蕪を 皆で引き抜く 学芸会
[PR]
by tabigarasu-iso | 2005-11-02 00:00 | 随筆 | Comments(0)