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白髪の旅ガラス

ひや汁

 素焼きしてからほぐした魚に、胡麻と落花生を麦味噌で合わせ、すり鉢ですってから、それをすり鉢の壁面に均一に伸ばし、そのすり鉢を逆さまにして、ガスの火で焼き色を付ける。そこに冷えただし汁を加えて、刻んだ茗荷や輪切りのキュウリと豆腐を混ぜてから、一時間ほど冷蔵庫に入れて冷やし、これを麦飯かご飯にかけて食べるのが、「ひや汁」と言うものらしい。

 それを食べたことはないが、作り方をまとめるだけで、唾液が湧いてくる。暑くて食欲の無い時には、瞬く間に胃袋へ納まりそうな。更に、激辛の唐辛子を細かく刻み汁に混ぜたら、何杯でも食べられそうだ。ついでに、冷えた日本酒でも傍にあれば、これを肴に宴会が始まってもおかしく無い。

 この「ひや汁」、宮城県の郷土料理である。その名を耳にする度、腹を空かし、汗をかいて家に帰った子供に、おばあさんが「ひや汁」を作ってくれる、テレビ画面が思い浮かぶ。いつか、本場の宮崎で味わいたいものだが、それだけが目的では勿体ないから、仕事を理由に訪れよう。

 ところで、「ひや汁」の何とも発音し難いこと。「ひ」を「し」と発生する地方に生まれ育った者は、「ひや汁」を「しや汁」と当たり前のように話す。宮崎県を訪れ、「しや汁」と頼めば、「ひや汁」を作ってくれるだろうか。

ひや汁を しや汗と読む 江戸っ子か
by tabigarasu-iso | 2008-08-29 12:52 | 随筆 | Comments(0)