2008年 05月 28日
先送り
ここで、社長の顔色と時計の針の両方を見ていた管理責任者は、環境法規制の担当者に声を掛けました。
「済まないが、法規制の要求を満たしていない案件から、説明して欲しい」
社長に報告する機会が滅多に無い担当者は、事前に描いたシナリオが狂い慌てています。
そこで、同席のコンサルは口を挟みました。
「先ほど説明頂いた、早急に対応が必要な法規制に絞り、どんな対応が必要か、本音でお願いします。消防法の特定指定可燃物と地下水の件でしたね」
すると、緊張感から開放された担当者は、身を乗り出し力強い声で説明を再開します。
「廃棄物保管場所に保管している布くずは、その量から消防法が適用されますが、その要求事項を満たしておりません!」
これを聞いた社長は、担当者の説明に頷きながら言いました。
「ところで、環境法規制に関する届出は、あなたの担当でしたが、良く不備に気付かれましたね」
瞬く間に静寂が訪れます。これを見逃したのでは、コンサルの役目が果たせません。
「流石、社長の言う通りです。自ら気付かれた担当者をほめて下さる。これぞ、ISOマネジメントの求めるところですから、大変結構です」
この一言で、その場に笑いが起きたこと、ここに報告して置きます。
話はね 半分聞いて あと見てね