2008年 02月 07日
落ちない話
招かれた夕食の席でも、言いたいことは遠慮無しに言うのが、コンサルの特性であります。傍で聞く身内の者は、落ち着かないことでしょうが、いつまで経っても結論の見えない話を、時間を忘れて聞くほど暇じゃない。
「すいません。今日は御馳走になりながら、言いたい放題。そうでなくても、口数の多い我等ですから。次の機会には、是非とも落ちのある話を御願いします」
相手の組織は、零細なコンサルと比べて何十倍。だが、組織力の開きはあっても、言うべきことは言う。
どこまで理解して貰ったか判らないが、話の続きは大組織のトップに座る相手の昔話に戻った。それは、現場の話が通じるような優しさを持ちながら、零細な組織に翻訳しきれない総論ばかり。当たり障りの無い話ばかりであれば、明日の糧にはならない。一つでも、目の醒めるような落ちのある話を期待するのは、無理な望みであろうか。
それでも懲りないのがコンサルであり、熱燗の日本酒を注しながら言った。
「この次は、二人で会いましょう。取り巻きが大勢では、言いたいことも言えないでしょうから」
そこで、こちらの意図を見抜くのは流石である。
「そうですね。兄弟舟でも歌いながら」
誰が為 鐘は鳴るのと 聞いてみて