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白髪の旅ガラス

落ちない話

「ところで、この話の落ちは無いのですか?」
 招かれた夕食の席でも、言いたいことは遠慮無しに言うのが、コンサルの特性であります。傍で聞く身内の者は、落ち着かないことでしょうが、いつまで経っても結論の見えない話を、時間を忘れて聞くほど暇じゃない。

「すいません。今日は御馳走になりながら、言いたい放題。そうでなくても、口数の多い我等ですから。次の機会には、是非とも落ちのある話を御願いします」
相手の組織は、零細なコンサルと比べて何十倍。だが、組織力の開きはあっても、言うべきことは言う。

 どこまで理解して貰ったか判らないが、話の続きは大組織のトップに座る相手の昔話に戻った。それは、現場の話が通じるような優しさを持ちながら、零細な組織に翻訳しきれない総論ばかり。当たり障りの無い話ばかりであれば、明日の糧にはならない。一つでも、目の醒めるような落ちのある話を期待するのは、無理な望みであろうか。

 それでも懲りないのがコンサルであり、熱燗の日本酒を注しながら言った。
「この次は、二人で会いましょう。取り巻きが大勢では、言いたいことも言えないでしょうから」
 そこで、こちらの意図を見抜くのは流石である。
「そうですね。兄弟舟でも歌いながら」

              誰が為 鐘は鳴るのと 聞いてみて
by tabigarasu-iso | 2008-02-07 23:42 | コンサルサービス | Comments(0)