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白髪の旅ガラス

会って、聞いて、見て、そして

 上野駅から下り電車に乗り、降車駅までの三十分間で話を一本まとめる、一話勝負に挑戦する。これも、テーマさえ決まれば難しいことではない。今回などは作業時間をそのままテーマにしたから、能が無いと言えばその通りだが、話は順調に進み、結末の段階で時間切れになりそうである。

 まずは、久し振りの出会ったヨシダさんのこと。環境ISOのコンサル先の管理責任者に任命された方であったが、より広範囲な社会貢献が可能な仕事を望み、生命保険の会社に転職されて挨拶に来社された。その動機を聞けば、友人が急死され、残された家族の窮状を目の当たりにしたことにあると言う。人生の岐路とは、何が機会になり、誰と別れ、誰と再会するのか判らないものである。

 次は、数年振りに電話をくれたコンサル仲間のサトウさんのこと。今では社員十名の先頭に立つ立派なコンサル会社の社長さんだが、歯に衣を着せない物言いは、前と変わらず健在で、余分なことは言わず、ずばり情報交換で会いましょうと清々しい。時に入札で争うライバルだが、同じコンサルを飯の種にする仲間に変わりはないから、会うのが楽しみである。

 最後は、見知った社長の記事が載る雑誌を眺めてのこと。その方は、注目される企業のリーダーとして、テレビ番組に収録されたこともある。それを観た時の感想は、組織力ではなく、自分の力だけを誇示するコメントに呆れたものだが、知らない人は信じるから、テレビとは恐ろしい。書き物とて同様であり、組織のマネジメントに向かない性格であっても、文字をマネジメントするのが巧みであれば、読者を惹きつける。こうした方は、書物の世界だけで生きて貰うのが、一番ではなかろうか。
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               その道に 向かない人が その道を
by tabigarasu-iso | 2007-09-27 22:32 | 随筆 | Comments(0)