2007年 09月 16日
眠れない
それでも、蚊の攻撃は続く。そこで、近代兵器を覗いて見る。何のことはない、液体の蚊取り薬が切れていた。仕方なく、旧式の武器を取り出し、渦巻きの端に火を点ける。すると、蚊の攻撃は収まったが、充満した煙にむせて、寝た子まで起こしてしまった。
かつては気にならない煙であったが、久し振りの登場に免疫も失せていたようである。呆れた相棒が起き出し、液体でもなく煙も出ない別の武器を探し出す。それを知っていたなら、最初から探してくれたら良いものを。
爪ほどの大きさで、蚊取りの成分を滲み込ませた板を加熱すれば、蚊取り線香の臭いが漂い始めた。やがて、寝室を満たした煙も引き、蚊の羽音も聞こえぬ平和が訪れる。だが、寝そびれた男は、寝息を立てる相棒を、朝方まで恨めしく見詰めるしかなかった。
ガス電気 囲炉裏が消えて 温暖化