2006年 09月 24日
着メロ
歌には、想い出や思いが付きまとう。それと駅とがうまく解け合えば、心地良くメロディーも聞こえるが、不釣合いな時には失望する。その一つが、近鉄の名古屋駅で流れる発車の合図、今から日本の神が住む地に発つ間際に、西洋のクラシック音楽が流れ出しては興も冷めよう。
土地柄に良く合ったものも、各地を尋ねる間に出くわすから面白い。その一つに、岡山駅の在来線ホームに流れる「桃太郎さん」がある。白桃の産地に生まれた桃太郎が、腰に付けたきび団子をねだるサルやキジそして犬に与え、里に出て悪さをする鬼の退治に向かう、何とも痛快な想い出が、電車到着のメロディーで蘇ることであろう。
時には、何の想い出とも結び付かないメロディーが流れる駅も良い。それを何度となく耳にする間に、思考回路を経ずに身体が反応するようになり、その音を聞くだけで朝の眠気が吹き飛ぶ。それは、地元駅の味気ない、電車到着のメロディーである。
有り難き ノイズ無き夜の 旅の宿