2018年 07月 24日
ガラス越しにヤモリを狙う猫
窓ガラスの向こう側には、五年振りに姿を現したヤモリが動き回り、窓ガラスの内側には、五年前まで野良で暮らしていた猫が座り、ガラス越しにヤモリを狙っています。
猫は、ヤモリの動きに合わせて手を当てるものの、ガラス越しのヤモリに触れることは出来ません。目の前に見えていながら、振れることの出来ない相手は、かつてテレビで観た猫の映像くらいです。
その時は仲間の姿でしたが、今回の相手は食べられるヤモリですから、簡単に諦めることは出来ません。何しろ、五年前の今頃のことでしたか、ヤモリを腹に入れたのは自分です。
「諦めなさい」
後方から、ヤモリを諦めない猫に主が言いました。それでも、ガラス窓から離れようとしない猫の背に、主が魅惑的な条件を出します。
「チュルチュルの方が美味いぞ」
照明に 群がる虫を ヤモリ喰い