2017年 12月 26日
寝ぼけ猫
猫は、一日の四分の三を寝ている。その大半は、周囲が囲まれた自分のねぐら、残る時間は太陽の当たる出窓であったり、炬燵布団の上であって、寒い所では決して寝ないようだ。
殆ど寝ている猫だから、起きた後の寝ぼけた顔を見られる機会が多い。正座したまま、焦点の定まらない目は何処を見ているのだろう。かつて捕獲した鼠の隠れ家でも、推理しているのかも知れない。
何かを見続ける瞳は丸く、いつもより愛らしく見える。それは、瞳が光を受け付けていないからだ。光を調節する細くなった瞳は、ずる賢く、意地悪に見えるから、別の猫のようである。
寝ぼけから覚めたら何をするのか、暇に任せて見守った。散歩に連れて行け、御飯をくれ、遊んでくれ、要望は何れかと待っていたが、期待は裏切られる。話題のチビトラは呆然と消え、再びねぐらに潜り込む。
師走とは 無縁の猫は また眠る