2017年 05月 15日
ISO14001:2015規格移行の模擬審査(内外の課題)
ISO14001:2015規格には、経営者が内外の課題を決定することが要求されています。内外の課題を的確に捉えていない経営者は居ませんから、当たり前のことを改めて要求する規格に対し、審査時における審査員の質問を想定してみました。
審査員;社長、今回も弊社を利用頂き有難うございます。今回の移行審査にあたり、審査に対する社長の要望を聞かせて貰えますか?
社長;審査に対する要望、申し上げても良いものですか?
審査員;勿論です。審査はサービス業ですから、審査結果に満足して頂かなければなりません。まずは、社長から要望を伺った上で審査を進めます。
社長;分かりました。これまで何度も審査を受けていますが、要望を聞かれることなど初めてです。遠慮なく言わせて貰えば、経営改善や業務改善に繋がるアドバイスに近い審査でしょうか。
審査員;アドバイスに近い審査、承りました。他社の事例を紹介しながら、意見交換したいと思います。それで宜しいでしょうか?
社長;それを望みます。ところで、審査員は会社経営の経験がありますか?
審査員;はい。
社長;宜しければ、経営の経験を踏まえたコメントも併せてお願いします。
審査員;分かりました。旨く行かなかった話になりますが、宜しいですか?
社長;それはありがたい。
審査員;まずは、不動産バブル崩壊時のことです。教育サービスは厳しくなり、集客が厳しくなりましたが、それまでのバブル景気の体験が尾を引き、組織を小さくしなかったことです。バブルが弾けるリスクを見越し、新しいサービスを開発しながら、弾けた際に体制を縮小して乗り越えることが必要でした。
社長;それは貴重な体験でした。当社の置かれた現在の状況は、円安や円高の波で材料代や燃料代の変動が大きく、これらに左右されない製品を開発しないといけません。それには、開発要員が必要ですが、育成が難しい。
審査員;社長、価格変動の波と言う外部の課題に対し、それに左右されない製品開発が解決策であり、開発要員の育成が内部の課題と言うことですね。
社長;その通りです。
審査員;外部と内部の課題は明確ですから、これを解決するには、事業の目的に織り込む必要がありますね。
社長;ええ、我が社の目的は、他社に真似できない製品開発を通じ、社会貢献することです。
審査員;素晴らしい。ところで、その目的を環境方針に反映させていますか?
社長;環境方針には、環境配慮型製品の開発と省エネを盛り込んでいますが。
審査員;他社に真似できない製品開発を盛り込めば、どうなりますか?
社長;なるほど、私の悩みが解決される仕組みが動くと言うのですね。
審査員;そう言うことです。
雨音に カエル鳴く声 聞こえたか