人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

白髪の旅ガラス

認知症本人の視点

 動食物は、死に向かって生きている。人が死ぬ前には、がんや認知症に掛かる場合が多い。認知症になったら何も分からなくなると言うが本当であろうか。


 生井久美子氏の「ルポ希望の人びと」によれば、何も分からなくなるは偏見だと分かる。それより、認知症になることは、地位や名誉、野心などがそぎ落され本来の自分になってゆく旅路のようだ。


 また、認知症になると人生は終わりと早合点するがそうではない。失った機能を嘆いても仕方ないから、残された脳の機能を最大限に生かす。当たり前のことだが、本人の言葉には重みがある。


 心に刺さったのは、これから多くの人の顔を忘れてしまうかも知れないが、みんなが自分のことを忘れないでいてくれるから、自分が忘れたっていいじゃないかと言う言葉だ。


 いずれ遭遇する可能性の高い認知症は、本来の自分になる旅路と知る。それまで、多くの人に覚えて貰えるよう情報発信を続けたいものだ。そして、本来の自分になれたなら、残された脳を使いたい。


盆栽の 一才桜 もう咲こう

認知症本人の視点_d0052263_11262818.jpg



by tabigarasu-iso | 2017-03-19 11:24 | 随筆 | Comments(0)