2016年 11月 25日
農業を食い物にする
新聞のある個所に目が留まった。
「農協や流通業者がよってたかって農業を食い物にしてる」
さて、よってたかって農業を食い物にするとは何のことであろうか。どうも、良くないことのようである。
その前の文章を読んでみれば、食い物にする内容が分かった。小売価格156円のキャベツ、生産コスト38円、農家の手取り29円、小売りや流通経費が88円だそうで、腰を伸ばす暇もなく働く農家の手取りは如何にも少ない。
これでは農家の暮らしは楽にならず、農家で生まれた子供は農家を継ぐより流通関係で働くことになる。農家の手取りを仕事量に応じたものにしなければならないと、誰もが昔から思っていても実現できないままだった。
その原因の一つは、農家に肥料や資材を販売し、農家から集めた農産物を販売する農業商社の存在である。農家の生産コストと手取りを合わせたものより、大きな流通経費を牛耳る巨大組織の構造改革なくして、農家の手取りが増えようがない。
そうは言っても、巨大な農業商社の構造改革は進む筈もなく、一国一城の農家は、肥料や資材の仕入れから生産物の販売まで、農業商社に頼らない手段を自ら選ぶ決断が必要であろう。と言うのも、政治家が農業商社に自主改革を求めるのはパフォーマンスに過ぎなく、当てにならない。
雪解けの 水音聞いて 目が覚める