人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

白髪の旅ガラス

農業を食い物にする

 新聞のある個所に目が留まった。

「農協や流通業者がよってたかって農業を食い物にしてる」

 さて、よってたかって農業を食い物にするとは何のことであろうか。どうも、良くないことのようである。


 その前の文章を読んでみれば、食い物にする内容が分かった。小売価格156円のキャベツ、生産コスト38円、農家の手取り29円、小売りや流通経費が88円だそうで、腰を伸ばす暇もなく働く農家の手取りは如何にも少ない。


 これでは農家の暮らしは楽にならず、農家で生まれた子供は農家を継ぐより流通関係で働くことになる。農家の手取りを仕事量に応じたものにしなければならないと、誰もが昔から思っていても実現できないままだった。


 その原因の一つは、農家に肥料や資材を販売し、農家から集めた農産物を販売する農業商社の存在である。農家の生産コストと手取りを合わせたものより、大きな流通経費を牛耳る巨大組織の構造改革なくして、農家の手取りが増えようがない。


そうは言っても、巨大な農業商社の構造改革は進む筈もなく、一国一城の農家は、肥料や資材の仕入れから生産物の販売まで、農業商社に頼らない手段を自ら選ぶ決断が必要であろう。と言うのも、政治家が農業商社に自主改革を求めるのはパフォーマンスに過ぎなく、当てにならない。


 雪解けの 水音聞いて 目が覚める

農業を食い物にする_d0052263_12393407.jpg


by tabigarasu-iso | 2016-11-25 09:00 | 随筆 | Comments(0)