人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログトップ

白髪の旅ガラス

彼岸花

散歩途中の歩道に設けられた土の枠、雑草がわがもの顔に占有しています。歩道にまで縄張りを広げていますから、遠回りして歩かなければなりません。

その一つに見付けた彼岸花、背丈に低い草の真中にどんと咲いて親分の貫禄があります。

「あら珍しい」

「そうだな」

 このやり取りだけで通り過ぎようとしたところ、親分に呼び止められるような声がしました。

「ちょっと待って」

 そう言いながら、胸から取り出した携帯電話の写真機能を起動し、親分の要望に応えてあげます。

この彼岸花、人の手で植えられたものに違いありませんが、どうして歩道の脇に植えたものでしょう。あの世の人を想い出し、たまには手を合わせるよう促す意図でもあるのでしょうか。


 彼岸花 あの世と話す 窓口か

彼岸花_d0052263_10000624.jpg


by tabigarasu-iso | 2016-09-12 09:57 | 随筆 | Comments(0)