2016年 08月 05日
静か過ぎる審査
ある組織の審査場面である。
「マニュアル4.4.2に定めた教育訓練記録を見せてください」
まともな質問であった。
だが、提出された記録を読み始めたところから軌道が外れる。
「・・・・・・・・・」
審査員は、居並ぶ受審者を前に何も言わない。
下を向いたまま、記録に夢中の審査員に呆れた顔が増える。
「教育対象者が全員教育を受けていないようですね」
指摘は間違いではないが、重要な指摘ではない。
記録や文書の管理は、手順通り正確に行うことは必要である。だが、それを指摘することは審査の主目的ではない。また、静か過ぎる審査は、肯定ではなく否定的な場面であること、審査員は理解する必要があるだろう。
珍しく 近江の空に 羊雲