2016年 06月 23日
環境ISO移行審査の課題
移行と言うことから、維持審査と同じ感覚で審査に臨み、2015年版で変更や追加された要求事項を満たしていない事例です。これは不適合になりますから、是正処置を適切に行えば移行審査は承認されますが、不適合の項目がPDCAサイクルの多岐に亘れば、全面的な見直しを行わなければなりません。
その事例は、➡の通りです。
➡4.1組織及びその状況の理解では、内外の課題を決定していない。決定していても、経営者の考えと異なる。また、決定した内容が組織の目的とは掛け離れた一般論で4.3適用範囲や6.1リスク及び機会の考慮する内容として不適切。
➡4.2利害関係者のニーズでは、肝心な利害関係者が不明確なこと、利害関係者のニーズから順守義務を決定していないこと。
➡4.3適用範囲では、場所、業務内容、対象者は考慮しているものの、4.1、4.2、それに管理し影響を及ぼす範囲が考慮されていないこと。
➡4.4環境マネジメントシステムでは、意図した成果が不明なこと。
➡5.1リーダーシップでは、経営者が事業プロセスとEMS要求事項の統合を理解していないこと。
➡5.2環境方針では、組織の目的とは掛け離れた内容であること、環境保護のコミットメントが追加されていないこと。
➡6.1リスク及び機会では、4.1内外の課題、4.2利害関係者への順守義務、4.3適用範囲がEMSの計画策定に考慮されていないこと、また、4.1、4.2に関連するリスク及び機会が決定されていないこと。
➡6.1.4取組みの計画策定では、取組みの有効性の評価方法が不明なこと。
➡9.2内部監査では、EMSが有効に実施されているか検証されていないこと。
➡9.3マネジメントレビューでは、経営者が継続的改善の機会を決定されていないこと。
これらの課題が同じ組織で発見されていれば、是正処置は数カ月に亘ることでしょう。課題に共通する点は、経営者の関与が不十分なことです。そうならないためには、環境ISOの2015年版にある経営者の役割、事務局ではなく経営者の方が理解しなければなりません。
土砂降りの 雨にしたのは 俺達か